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【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第5章

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185話 勇気をだして



 僕んちに来てる。

 父さんは母さんの一撃を受けてノックアウトした。


 その後。

 上松家リビングにて。


 僕は母さんに、みちるにプロポーズをしようと思ってることを打ち明ける。

 母さんは黙って僕の話に耳を傾けてくれた。


 やがて、僕が話し終えると……。


「なるほどねえ……ついにねえ……」


 と母さんはポワポワ笑いながら言う。

 ……以上。え!?


「い、いや母さん……その、何か無いの?」

「何かって?」


「反対だー、とか。高校生で結婚なんて! とか」

「無いわねえ~。本人同士が、良いって思ってるなら、それでいいんじゃない?」


 母さんは僕のやろうとしてることを、否定しなかった。

 ……思えば、母さんに否定されたことって一度もない気がする。


 ラノベ作家になる、って言ったときも、母さんは反対しなかったし。

 アニメになる、映画になる、ってときも絶対に反対しなかった。


 ……あれ、これって特別なことなんじゃないか?


「どうしたの?」

「あ、ううん……えっと……みちると結婚したいんだけど、どうすればいいかな」


「どうすれば……? プロポーズして、おしまいじゃないの?」

「いやまあ……。で、でもそれだけでいいのかなって、なにか、特別なことしなきゃいけないのかなって」


 母さんはニコニコと笑ったまま、首を横に振るった。


「特別なことなんて必要ないわ。あなたの隣に、一生居たいと思えばそれでいいし、一生側に居ますって、宣言すれば良い。それだけよ」

「……たった、それだけ?」


 なんかこう、覚悟を決めるとか、凄いイベントを起こす! みたいなこと……。

 しなくていいの?


「ええ、それだけ」


 ……別に母さんを疑うわけじゃないけど……。

 でも、やっぱり気になる。


「父さんと結婚するときも、そんな感じだったの?」

「そうねえ」


 隣で転がっている父さんをチラ見して、母さんが苦笑する。


「この人の場合は、随分プロポーズするまでに時間掛かったわぁ。なにせへたれだから、この人。でもね……ちゃんと、言ってくれたの。あなたの側に居たいですって」


 母さんは昔を思い出しているのか、本当に……本当に嬉しそうに笑っている。

 ……側に居たい、そう伝えるだけで、嬉しいって思うんだ……。


「ゆーちゃんは、みーちゃんとどうなりたいの?」

「僕は……」


 どうなりたい、か。

 ……側に居たいとは思ってる。


 どんなことをしても、側にいて、ツッコミを入れて……僕を、ただそうとしてくれる。

 そんなみちると……僕はこれからも、人生を歩んでいきたい。


「答えはもう胸の内に、あるんでしょう?」


 ……そうか。

 これが答えなんだ。


 みちると側に居たいって、この気持ちを持っていれば……それでいいんだ。


「あとは、その気持ちをただ伝える。それだけでいいの。特別なことはしなくていい」

「……うん」


「あ、でもちゃんと、男の子から言わないとだめよ?」

「なんで?」


「そーゆーもんだから♡」


 ……そっか。

 うん。そうだよね。みちるに言わせるのは、間違ってる。


 ちゃんと僕は、ハッキリと、僕の心にある気持ちを、僕から伝えよう。


「ありがとう、母さん。頑張ってくる」


「ええ、頑張って♡ 勇気出して♡」


 よし……。

 僕は決めたぞ。みちるに、この思いをストレートに伝えるんだ!

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『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

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