181話 仕切り直し
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
《みちるSide》
勇太の家、屋上にて。
勇太から嫌われていないことを、聞かされたみちる。
「アタシのこと……好き?」
不安そうにみちるが答える。
勇太はニコニコしながら「もちろんっ」とうなずく。
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めながらうなずく姿からは、嘘を言ってるようには思えない。
……勇太が、好き。
好きな人が自分のことを好き。
なんて、幸せなんだろう。
「…………」
ふにゃふにゃ、と表情がとろけていく。
季節は冬。外は寒いというのに、体がぽかぽかしてしょうがないのだ。
「勇太……」
好き。好き……好き……。
勇太への好きな思いで、みちるの胸の中はいっぱいになっている。
「みちる……僕と結婚してください」
……勇太の言葉に思わずうなずきそうになるも……。
「ちょ、ちょっとタンマ……」
みちるが、うなずきそうになる気持ちをぐぐっと我慢し、勇太に待ったをかける。
「どうしたの?」
彼の申し出を断ったように思えることをしても、彼は傷付いた様子はない。
よかった……と内心で安堵する。勇太の告白を断ってからいっそう、みちるは自分の発言に気を遣うようにしてる(つもり)。
一度投げた言葉のナイフは、二度となかったことにできないのだ。
「もうちょっと……その、風情……というか。ロマンティックな感じで……言って欲しいっていうか」
家の屋上でプロポーズ、しかもお互い私服……。
なんとも、華の無い絵柄だった。
「あいうぉんちゅー、みたいな?」
「…………」
みちる、死にかける。
あんな雑なプロポーズですら、今のみちるには、まるで王子様からされたような、素敵なプロポーズになるから不思議だ。
が、しかし。
「その……もうちょっとさ、こう……思い出に残るようなね、形で……プロポーズしてほしいかなって」
贅沢言ってるのはわかってるし、なんだこの面倒な女とは、自分でも思ってる。
しかし、しかしである。
プロポーズなんて一生に一度しかないのだ。
ちゃんと、思いで深いところで、印象に残るような形に、して欲しい。
「ごめん、わがままいって」
「気にしないで。みちるがわがままなのは通常運転だから」
「ですよね……」
勇太に振られてから、一連のことがあって、仲直りするまで……。
色々あって、自分のわがままさはなりを潜めていたと思っていた。
が、この幼馴染み視点だと、まだまだ、自分はわがままクソ女らしい。
「……わがままクソ女でゴメンなさい……」
「そこまで言ってないからっ。落ち込まないで、ね?」
ああ、勇太優しい……ちゅき……♡
どうしてこんな素敵な男を、振ってしまったんだろうか、夏休み前の自分?
はぁ……とみちるがため息をつく一方、勇太は「わかった」と真面目な顔で言う。
「日を改めて、ちゃんと、みちるに告る。それでいいかな?」
……勇太が自分のわがままを聞いてくれた。
付き合う前(今が付き合ってるって言って良いのかは定かでは無いが)、さんざん、わがままを聞いてもらっていたときは、何も感じなかった。
でも、今こうして、自分の言ったわがままを、ちゃんと勇太が聞いてくれる。
それだけで、みちるは嬉しかった。
「うん、楽しみにしてるよ」
こうして、勇太はプロポーズをしなおすことになったのだった。
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