163話 白馬先生、結婚するってよ
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
クリスマスに騒動はあったけど、その他については、概ね穏やかに年末は過ぎていった。
そして、一月一日。
事件は初詣をみちるとこうちゃん、そして芽衣さんの四人で行ってきて、一息ついたタイミングで起きた。(アリッサと由梨恵は忙しくて帰ってきてない)
ピコン♪
「ん? ラインだ」
僕、上松 勇太は、自宅でゲームをしていた。
隣にはこうちゃんが座ってる。
『うぉおお! ガトリングガン! ガトリングガン! ジャベリンジャンプで回避からのガトリングガン!』
古いゲームを二人で対戦してる。
『ひゃっはー! こうちゃんのかちぃ! またかってしまうたなぁ! がはははは!』
こうちゃんは僕を一切容赦なくボコって、ご満悦の様子だ。
まあもう別にあんま気にしない。この子、こういう子だからうん……。
それよりラインだ。
誰だろう……?
「あれ? 白馬先生?」
白馬王子。
僕と同じ、ラノベ作家だ。
『神作家はラノベ家作家物だって、みんな覚えてる? 覚えてるぅ?』
白馬先生……どうしたんだろ?
たしか白馬先生、日付が変わった瞬間に、新年の挨拶のライン送ってきたんだけど……。
まだ何かようじでもあるのかな?
【我がライバルよ。明日はお手すきだろうか】
明日……。
『さぁこうちゃんともう一戦! 少し手ぇ抜いてあげよっか? んんぅ? 違法パーツつかってもいいよぉ? んんぅ?』
「えー、と、こうちゃんとゲームするくらいで、特にすることはないですよっと」
『こうちゃんとゲームするっていう最重要タスクがあるでしょ!?』
ぶーぶー、とこうちゃんが頬を膨らませてる。
「こうちゃん、仕事は?」
『まったく手ぇ付けてませんが?』
多分まったく手をつけてないんだろうなぁ……。
「怒られる前にやった方が良いと思うけど」
といちおう言っとく。
『へへーん、こうみさやま氏は、ちょーゆーめーな神絵師ですぞぉ? VTuber、ワインの兄貴のママとして、知名度はもはや世界レベル! そーんな、世界れべーるな絵師をしかれる人材が、この世におるぅ?』
多分調子のってるんだろうと思う。
まあ、多分すぐに……。
「こーちゃーん、仕事しーまーしょー」
部屋のドアが開いて、芽衣さんがニコニコしながらあらわれる。
『山姥ぁああああああああああああああああああああ!』
こうちゃんが僕の背後に隠れる。
『神ガード!』
「はいはい、こうちゃん仕事しようね」
僕が立ち上がって、こうちゃんを芽衣さんに渡す。
「ゆーくんどうしたの?」
「ちょっと電話」
白馬先生に、明日のこと聞こうと思ったのだ。
「さー、こうちゃん先生? 仕事しないとだめでしょ~?」
『ちょ、元日から働かせるなんて! ろーき! ろーきにうったえるぞぉ!』
「え? バリバリ仕事しますおまかせください? たすかるぅ! じゃあ仕事しようね♡」
『鬼ぃいいいいいいいいいいいいいいい!』
で、こうちゃんが叫んでいるのをよこめに、僕はリビングへ行く。
みちるはどうやらお買い物行ってるらしく不在だった。
僕は白馬先生にライン通話する。
p
『やあ、我がライバル』
「先生、あけましておめでとうございます」
ワンコールで出るなんて、すごいや。
『あけましておめでとう、今年こそ君に勝つ!』
新年一発目からライバル宣言。
僕は先生の、こういうとこ……好きなんだよなぁ。
「あれでも、なんか医療物の本、すごいウケてるんじゃあなかったんでしたっけ?」
『ああ、我が友と作った本が、おかげさまで好調でね、ファンのみんなと、我が友のおかげさ』
友……そういえば編集者の親友がいるって前に言ってたなぁ。
「それでその、どうしたんです? 元日の深夜にあけおめラインも送ってきたのに、今になってラインするなんて」
用事があるならそのときに、ラインすれば良いのに。
『ふふ、夜中に長いラインしたら、迷惑だと思ったのさ』
さすが紳士。
かっこいい!
『少し長い話になりそうなんだ。今時間いいかな?』
「もちろん! で、どういうお話なんです?」
ふむ、と一拍おいた後……。
『実は私、今度結婚することになったのだよ』
……。
…………。
……………………はい?
「え、えええええ!? 白馬先生が、け、けっこおん!?」
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