148話 謎のロシア人美少女
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
クリスマスイヴ。僕と幼馴染のみちるは、川崎でデートを満喫してきた。
夕方、家に帰ると……。
「ただいまー……って、え? だ、だれ……?」
リビングに、銀髪の美少女が座っていた。
黒いちょっとおしゃれな服に身を包んでる。
薄くお化粧しており、はかない美人感が増している。
なんというか、あれだ、海外の高級アンティークドールみたいだ。
みちるもびっくりして何も言えないでいた。
「どちらさま?」
すると謎の銀髪美少女が口を開いた。
「いっつみー。まーりおぉう」
「あ、なんだこうちゃんか」
びっくりしたー。
するとこうちゃんが首を傾げつつ尋ねてくる。
「なぜわかった?」
「声とあとまあセリフ?」
「ぬぅ……」
なんか納得いかなそうなこうちゃん。
しかし、すごい。服装とお化粧で、ここまで女の人って別人になるんだ。
ちょっとドキドキしちゃってたよ。
まあもう一瞬でドキドキはなくなったんだけど。こうちゃんだし。
「おちび、あんたずっと黙ってたほうがいいんじゃない?」
『なにー! こうちゃんからベシャリをとったら、ただのはかなげなロシアン美少女になってしまうじゃあないかぁ!』
ロシア語で意味の分からないことをしゃべってる。あ、こうちゃんだ。安心~。
「でもなんでおしゃれ? てゆーか、誰がやったの?」
「鬼」
「おに?」
誰のことだろう……?
「みーさーやーまーせんせー」
がし、とこうちゃんの頭を、後ろから誰かがつかむ。
「あ、芽依さん」
「ひぃ! 鬼が出た!」
こうちゃんがガクガクブルブルと震えだす。
なるほど、芽依さんのことだったか……まあ仕事になるとこの人ちょー厳しいしね。
「誰が鬼なのかな?」
「み、みずのこきゅー! いちのかた! フタエノキワミ! アー!」
芽依さんからの拘束がとかれると、こうちゃんが僕の背後にぴゃっとかくれる。
『ゆけタンジェーロ! あの鬼を討伐するんだ!』
「すごいですね、芽依さん。こうちゃんこんなに美人にしちゃうなんて」
さすが大人。
「まあ、素材がいいからね。素材は」
「たしかに、素材はいいですもんね」
「素材はね」
うんうん、と僕らがうなずく。こうちゃんが僕を見てにやりと笑う。
『こうちゃん、美人やろ? ん?』
「芽依さん、こうちゃんがおめかししてるってことは、仕事終わったんですね?」
『え、かみにーさま? なんでそれ、本人じゃなくて鬼編集に聞くの? ねえ? 本人に聞けばいいじゃんか?』
芽依さんがうなずく。
「とりあえずたまっていた分の仕事は全部やらせました。なので、デートしてOK!」
「そっか。よかったねこうちゃん」
こうちゃんが青い顔をして震えてる。
『仕事監視されてて正直つらかった。この人横でずぅっと座ってて、ちょーっとスマホ見ようかなーって思うとスマホ取り上げて何しようとしてたのか聞いてくるんだもん。こわすぎだろこの人』
こうちゃんが芽依さんを見つめて何かロシア語でつぶやいてる。
なんかあったのかな?
『しかも絵を頑張ってあげたら休憩をとらせず次の仕事なげてくるんだもん。鬼だよ無惨だよ。Vチューバーのやつより無残だよこいつ』
「まあ仕事終わって何よりだね。じゃ、こうちゃんデートしにいこうか」
こくん、とこうちゃんがうなずく。
「じゃあ、あたしはおめかしして、夜のデートに備えておきますね~♡」
芽依さん今からおめかしするんだ。ああいうのって直前にじゃないのかな?
念入りな準備だ。てゆーかこのひと、三徹してこうちゃんの仕事につきっきりで、そのうえでデートするとかすごいなぁ。
こうしてみちるの次、こうちゃんとデートすることになったのだった。
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