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【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第4章

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146話 来る、クリスマスイヴ



 僕、上松勇太は高校二年生。

 そして、今日はクリスマスイヴだ。


 彼女ができて初めてのクリスマス……うう、き、緊張する。


 学校は冬期休暇入ってるので、僕と幼馴染のみちるは、朝から一緒だ。

 アリッサ、由梨恵は朝からお仕事。


「あ、ゆーくんみーちゃん、おっはー!」


 二階から降りてきたのは、最近恋人になったばっかりの芽衣さん。

 芽衣さんはモンエナを片手に、元気いっぱいで挨拶してきた。


「芽衣さん、大丈夫? 最近夜中もずっと起きてるけど」

「大丈夫! 3徹くらいならまだいける!」

「無理しないでね」

「もちろん。またゆーくんに迷惑かけたくないしっ」


 編集さんって大変だ。いつも終電で帰ってきて、家に着いてからも仕事してるし。

 そして今は……。


「で、そこでゲル状になってるのって……おちび?」


 芽衣さんに引きずり下ろされて、リビングに現れたのはこう……ちゃん?

 身体の力を抜いて、丸くなってる。その姿がなんか銀のスライムっぽかった。


「ど、どうしたの芽衣さん。こうちゃんは……?」

「滞ってたラノベの締め切り二つ終わらせたの」

「こ、こんな短期間で! す、すごい……」

「こうちゃん先生、やればできる子だから。あたしもついつい、やらせちゃうのよね~」


 芽衣さんは穏やかなお姉さんだけど、実は結構Sだ。

 当日にSS書いて、1時間以内にとか普通にいってくるし(まあ1分で書き上がるから別に支障ないけど)。


「おちびだいじょうぶ?」


 みちるがゲルこうちゃんに近づいて、背中をつつく。


『もう絵なんてかかない。もう絵なんてきらいだ。絵なんて……絵なんて……』


 ロシア語だけど、多分結構ストレスを感じてたんだろうなぁ。

 死にそうな顔してる。


「大丈夫かな」

「大丈夫でしょ。おちびの場合、こうすれば元気になるから」


 みちるはこうちゃんのスマホを手にする。

 顔認証でロックを解除し、ツイッターの画面をあける。


「ほら、おちび~。いいねいっぱいついてるわよ~」

『うひょひょひょぉおおおおおおおおおおおおおおおおい! いいねきたー!』


 こうちゃんがゲルから人間の姿に戻る。最近思うんだけど、こうちゃんって僕の恋人……なんだよね?


「何の絵にいいねついたの?」

「おちびが担当してるVTuberの、クリスマス配信の絵だって」

「へー……」


 僕もツイッターを見てみる。たしかに、こうちゃんがガワを書いてる、VTuberたちの絵がアップされていた。

 エグいぐらい拡散されてる。さすが。


『有名VTuber本編まだ10月の半ばで、こうちゃんたちのいる世界線は12月24日だから、二ヶ月先のことだけど、あまり気にしないでくれよな』

「こうちゃん良いねいっぱいで元気になった?」

「じゃんぼーりじゃんぼーりじゃんぼーり!」


 こうちゃんが立ち上がって、ぴょんぴょんと飛び跳ねていた。

 じゃんぼーり……? まあ元気になったのだったらいいか。


「さ、ゆーくんみーちゃん、お昼からデートでしょ。しっかり準備して挑むのよ~」


 24,25のスケジュールは、芽衣さんが管理してくれている。

 まずは、みちるとのデートだ。


「じゅ、準備って、別にいつも通りのデートじゃないの」

「ちゃんと勝負下着はかった?」

「にゃぁああああああああああ!」


 みちるが顔を真っ赤にして叫ぶ。ま、まさかまさか。僕らまだ高校生だし、そういうのは……ね?


『ギャルの人はもうやってまっせ、かみにーさま』


 こうちゃんが僕の背中をつんつんと指でつついてくる。なんだろうか。


「ゆーくんには、はいこれ」


 芽衣さんが僕に何か箱を手渡してきた。

 

『わーお、幸せ家族計画~。あれ、世代バレる?』

「こ、これ! こ、こ、こ……ゴムじゃないですか!」


 性行為のときにつけるゴムだった!

 な、なんつーものを!


「あら、避妊は大事よ」

「わかってますけども!」

「ま、やるやらないは自由だけど、せっかくの聖夜だし、羽目くらいはずしてもいいんじゃあないの? ねー、こうちゃん先生もそう思わない?」


 こうちゃんはニヤリと意味深に笑う。


「なに?」

『ここで意味深に笑うことで』

「こうちゃんよくわからないって」

『あーん、かみにーさまー。ヒロインの扱い雑いよ~。正ヒロインですよこうちゃんは!』


 まあ、何はともあれ、クリスマスデートです。



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★新連載です★



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『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

― 新着の感想 ―
[良い点] もう完璧にこうちゃんはヒロインではない。と勇太さんは言っているように感じました。 さようなら。こうちゃん。って感じました。
[一言] >『あーん、かみにーさまー。ヒロインの扱い雑いよ~。正ヒロインですよこうちゃんは!』 まずそういう嘆願すらロシア語で言うのをやめようか? 通じないのを承知してるんだろうに、それでもロシア語で…
[良い点] よかったなみちるちゃん!トップやぞ!他のヒロインズはお仕事多いからな…あとこうちゃんチョロすぎて草 [一言] ギャルの人はやってまっせで笑ってしまったw 多分カクヨムのあれ抜いたらそこま…
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