140話 助っ人
僕、上松勇太は、新しい彼女の佐久平芽衣さんのおうちにやってきてる。
彼女と同棲することになったので、引っ越しにと思ったのだが……。
「ええ、っと……この大量の荷物は……?」
「あ、あは……♡ ごめん、ゆーくん。忙しくて、全然引っ越し準備できてなくって……」
家の中が、汚い……!
とにかく物であふれている。洋服とか、アマゾンの段ボールとかが、めっちゃおいてある!
あと下着とかも。え、えっちな下着だなぁ……じゃなくて!
「と、とりあえず助っ人は呼んで置いたから」
「助っ人?」
ぴんぽーん……。
「だれかしら、はーい」
ぱたぱた、と芽衣さんが玄関へと歩いて行く。てゆーか、あの足の踏み場のないとこ、よくあるけるなぁ。
がちゃ。
『どうも、読者の皆様。こうちゃんだよ★』
そこにたっていたのは、イラストレーターのみさやまこう。
なんかカッコいいポーズを決めて立っていた。
「あれ、こうちゃん? 何してるの?」
『NEWヒロイン参戦で、ただでさえ神作家では影が薄いこうちゃんなので、アピールしようと思ってはせ参じた次第』
きらん、とこうちゃんが目を輝かせていう。
ロシア語だったので、多分あんまり意味は無い。
「失礼しやす」
ぬぅ、と入ってきたのは、贄川次郎太さん。
アリッサのお手伝いさんだ。
「若に呼ばれて、手伝いに参りました」
「ありがとうございます! 助かります!」
次郎太さんは色々と手際良いし、役に立ってくれそう。
僕がここにくるっていったら、アリッサが次郎太さんを派遣してくれたのだ。
「で、こうちゃんはどうして?」
『それには深い理由がある。とても一言では言いあらわせない、だがあえて一言で言うのならば!』
「じゃ、引っ越し始めましょうか」
『ああーん、かみにーさまのいけずぅ。ほんとはひまだったからだよぅ』




