135話 女子チームの反応
僕、上松勇太は、編集である佐久平 芽衣さんから告られた。
どうすればいいのか迷って、声優の由梨恵に相談したところ……。
つきあっちゃえばいいじゃん! ということだった。
なので、付き合います……! って幼なじみのみちるに宣言したところ……。
「どうしてこうなった……」
僕が買った家のリビングにて。
フローリングの床に正座させられている、僕。
僕の目の前には鬼の形相で仁王立ちする、幼なじみのみちる。
ソファに座るのは、有名歌手の金髪の美女アリッサ。
そして銀髪のロシア人美少女、イラストレーターのみさやまこうちゃん。
『どうも、最近別作品に顔出してばかりで、神作家ではお久しぶりなこうちゃんです』
こうちゃんはロシア語でたまに変なことを言うけど、大抵は意味の無いことなのでスルーする。
『VTuberのほうばかり毎日更新してるけど、神作家もちゃんと続けますよ。コミカライズ1巻好評発売中! え、漫画版にはこうちゃんが出てない? なん……だと……』
なんかこうちゃんがロシア語でめっちゃしゃべりまくっている。なんだろう……まあ多分意味の無いことだろうけど。
「にぎやかだねー」
こうちゃんを膝に乗っけてるのは、声優の由梨恵。
彼女はずぅっとニコニコしてる。
「で? 釈明は?」
その一方で怒り心頭なみちるが、僕をぎろりとにらみながら訊ねてくる。
「しゃ、釈明も何も……僕、芽衣さんのこと好きなんだ」
「ふ、ふぅうん……それで?」
「由梨恵に相談したら、全員と付き合っちゃおうって」
「どうしてそこで由梨恵に! よりにもよって頭ゆるゆる女子に相談するのよっ!」
だむだむ! とみちるが足踏みする。
あ、頭ゆるゆるって……。
「みちる、それ暴言じゃ……」
「はい! 私頭ゆるゆるです!」
笑顔で手を上げる由梨恵。い、いいんだ……いいのか……まあ、本人がいいならいいか。
「あ、あんたらはいいわけ? アリッサにおちび」
みちるが二人に尋ねる。
「……わたしは、ユータさんのおそばにいられるのでしたら、女の子が増えても別に」
『由梨恵氏の発言は、神作家2巻のサブタイトルですね。みんな買ってくれた?』
こうちゃんもロシア語で何か言ってるけど、まあ多分OKって言ってる気がする。
「あんたら……いいの?」
「うん!」「……ユータさんが決めたことでしたら」『こうちゃんを養ってもらえるならば』
みちるだけが、反対してるようだ。
「みちる……」
「ごめん……勇太、少し……一人にして。頭整理するから……」
ふらふら、とみちるだけが部屋を出て行く。
いきなりすぎて、頭が追いつかなかったのかな……。




