132話 告白する編集
……僕、上松勇太の編集、佐久平芽依さん。
過労で倒れて、その後どうなっただろうと様子を見に行った……。
そこで、芽依さんがお母さんと電話してるところを見てしまった。
好き……という単語が聞こえた。
そしてここに残る……と。
「「…………」」
場所は僕の部屋。
カノジョは僕のベッドに横になっている。
き、気まずい……好きって、言っていた。それって……。
「よ、良かったです」
「良かった……?」
「はい。芽依さんが、残ってくれて」
おばあちゃんが倒れてしまい、実家である長野に帰るかどうかで迷っていたんだよね。
でも……誰か好きな人がいるから、残るって言ってくれた。
「でも、意外でした。好きな人っていたんですね」
「は……?」
芽依さんがきょとんとする。
あれ……? 違うの……?
「ま、待って先生、……待って。え? 話聞いてたんじゃないの?」
「あ、はい。ごめんなさい。ばっちり……誰か好きな人がいるから、残るって」
芽依さんは素敵な人だから、好きになるひとが居てもおかしくない。
……ちょっと、残念だけど、でも芽依さんが幸せになるんだったら、僕は応援するぞ!
「う、」
「う?」
「ちっがぁああああああああああああああああああああああう!」
芽依さんが頭を抱えてもだえだした!
え、ええ!?
「ど、どうしたんですか? 違うって……? 好きな人いないってこと」
「いるわよ! でも違うの!」
どういうことなの……!?
芽依さんが顔を赤くして、声を荒らげていう。
「アタシが好きなのは、先生なのー!」
……先生?
え、だれ……まさか……。え?
「ぼ、僕のことぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」




