129話 反省
佐久平芽衣は、勇太の胸の中で大泣きしてしまった。
話はその日の夜。
芽衣は勇太が元々使っていた部屋のベッドで、一人丸くなっていた。
「どう、しよう……」
今の彼女には、一つの懸案事項があった。それは……。
コンコン……。
『佐久平くん。ぼくだよ』
「へ、編集長……」
今、勇太の次に顔を合わせたくない人物であった。
当然だ。自分は無理して、会社に迷惑をかけてしまったのだ。
今や編集長にして、会社の社長である勇太の父……庄司だ。
きっと怒られるに違いない。
だから、出たくなかった。けれど現在進行形で迷惑をかけているのは事実。そのことに対してわびないのは社会人として終わってる。
芽衣は結局折れて、庄司を招き入れることにした。
だが予想に反して庄司は穏やかな微笑みを浮かべていた。
「そう警戒しないで。別に怒りに来たわけじゃないから」
「え、あ、そ、そう……ですか……」
芽衣は自分の心の中を言い当てられドキッとする。
そんなに顔に出ていただろうか、とぺたぺた顔を触った。
「そうだよ。むしろ……ごめんね。君の不調に気づいてあげられずに。ほんとうに、ごめん。ぼくの責任だ」
庄司は深く頭を下げる。
芽衣は慌てて首を振るっていった。
「へ、編集長のせいじゃないです! あたしがドジなだけでしたから! それに……社会人なんだから、自己の体調管理も、自分の責任です。会社の責任なんかじゃ、ないです」
今回の件は本当に自分に100非があると思っている。
だから謝られるのは申し訳ない。
「そうかい。良かったよ」
ほっ、と編集長が安堵の息をつく。しかし、お世話になってる人を心配させてしまったのは事実。
芽衣は深く反省するのだった。
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