128話 いつも貴女が支えてくれたから
僕の担当編集、芽衣さんが過労で倒れた。
それは彼女の大好きなおばあさんが、入院したことが原因だったらしい。
自分の中ではここに残りたいという気持ちと、おばあさんの居る田舎に帰りたい、その気持ちが衝突して……。
頭の中がごちゃごちゃになって、それを紛らわせるために、がむしゃらに仕事した。その結果たおれてしまったんだ……。
「せ、せんせい……?」
「芽衣さん。つらかったんだね。ごめんなさい。気づけなくて」
この問題はぽっとでてきたわけじゃない。
兆候はあったはずなんだ。
でも……僕は気づけなかった。ずっとそばにいたはずなのに。
「別に……先生は関係ないし……」
「関係なくないよ。だって芽衣さんは僕の大事な人だもん」
「せんせ……」
泣いてる芽衣さんなんて、見てられなかった。
いつだって笑顔で、僕を支えてくれる彼女。
いつもみたいに、笑っていてほしいから。
「芽衣さん。今度から、つらかったらそう言ってください。僕も……力になります」
「……どうして?」
芽衣さんが弱々しく言う。いつもだったら、大丈夫だからと気丈に振る舞う彼女が。
僕にすがろうとしている。それくらい参ってるんだ。
でも僕はその手を振り払わない。
「貴女がいつも支えてくれてたから、今度は、僕が支えるんだ」
「うぐ……うう……せんせぇ……」
涙を流しながら、芽衣さんが僕に抱きつく。僕はしばらく、彼女を抱きしめて、頭をなでてあげたのだった。
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新作投稿しました!
タイトルは、
『神眼持ちの【獣医令嬢】は破滅を回避し田舎で静かに暮らしたい〜バッドエンドな未来を回避するため、辺境で町医者はじめたら、何故か獣の国の王子様と神獣モフモフたちから溺愛されてます〜』
ページ下部にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
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