126話 惑う、編集
【★☆★読者の皆様へのお知らせ★☆★】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
僕、上松勇太はラノベ作家。
担当編集の芽衣さんが、僕を家まで送る途中で倒れてしまった。
ベッドに寝かしてると、目を覚ましてくれた。どうやら過労だったらしい。
おなかがすいてるようだったので、僕はおかゆを作ってもってきた。
「はい、芽衣さん。おかゆです」
「……ごめんなさい、先生。ご飯作ってもらっちゃって」
「いいんですよ。食べましょう!」
ベッドから半身を起こす芽衣さん。
額に汗を搔いている。寝て少し快復したとはいえ、まだ熱は下がってないみたいだ。
僕はお盆を芽衣さんの膝の上に載せる。
土鍋をあけると、ふわっと湯気が部屋に広がる。
「わ……おいしそ」
「卵がゆです。みちるに習いました」
「へえ……ほんと、おいしそ」
「はい、じゃ、あーん」
「ぇ?」
僕がレンゲですくって、芽衣さんにつきだす。
芽衣さんは目をむいて、ふるふると首を振る。
「い、いやいや……悪いですよ」
「だめ。だってまだ芽衣さん体調が悪そうなんだもん」
「え、ええー……で、でも担当作家さんに、そこまでしてもらうのは……」
「? なんで」
「な、なんでって……」
困惑してる芽衣さんに、僕は言う。
「いつも芽衣さんには迷惑かけっぱなしだし」
「そ、そんな……迷惑なんて」
「ううん。だって僕、作家業のこと、なーんもしらないでしょ?」
「あ、それはそうですね」
そこだけ真顔でうなずかれてしまった!
まあ、しょうがない。事実だし。
「小説書くくらいしか能のない僕を、ずっと支えてくれてるじゃないですか。芽衣さんがいなかったら、僕の作品は本になってない。映画にも成ってない。たくさんの人に知ってもらえていない。芽衣さんのおかげで、作品がたくさんの人の手に渡ってるんです。あなたのおかげです」
「先生……」
「いつも、思ってたんです。申し訳ないって。そりゃ、仕事ですからって言われたらそこまでですけど。でも……言いたかったんです。いつもありがとうって」
ぽろ……と芽衣さんが涙をこぼす。
え、ええ!? ぼ、ぼく何かしちゃった!?
「ご、ごめんね先生……なんか、じーんときちゃって……今……すごい……うれしくて……」
芽衣さんがぽろぽろと涙を流す。
何か、つらいことがあったんだ。大人の人でも、つらいときはなくもんね。
「とりあえず、ご飯食べましょ。それから……はなし、聞きますから」
【★とても大切なお知らせ】
新作投稿しました!
タイトルは、
『天才錬金術師の私は気ままに旅する~世界最高の宮廷錬金術師、ポーション技術の衰退した未来の世界に転生し、無自覚に人助けをしていたら、いつの間にか聖女扱いされていた件』
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