125話 目覚めた編集
僕んちの実家にて。
僕の部屋のベッドで眠っていた、編集の芽衣さんが、目を覚ます。
「あれぇ……ここはぁ……?」
「芽衣さん! 良かった……!」
「かみまつせんせい……?」
芽衣さん、良かった……からだから力が抜けて、どっと疲れが襲ってくる。
でも……よかったぁ……。
芽衣さんは周囲を見渡して、自分の置かれてる状況をなんとなく把握したらしい。
「ごめんなさい、先生……」
「え、なんで謝ってるんですか?」
「だって……迷惑を」
「そんな! 迷惑なんて思ってないですよ! いつも僕のが迷惑かけてますし」
思えば僕、小説書く以外のこと、なにもできない。
本として世にだしてくれているのは、芽衣さんの尽力があってこそだ。
彼女がいなかったら僕の作品が、ネットの海を飛び出して、多くの人の手に届くことはなかったろう。
「先生……」
「しっかり休んでください」
「でも……仕事が……」
「父さんが、仕事させると思う? 芽衣さんが倒れたのに」
「…………」
芽衣さんが諦めたような顔になって、黙ってしまう。
よっぽど仕事いきたいのかな……。
「何か食べます? 作ってきますよ」
「え!? い、いいよ先生……」
「ううん、大丈夫。最近みちるに習って、ちょっとした料理なら作れるんだ。待っててください!」
芽衣さんが申し訳なさそうにしてたけど……。
ぐぅう……とおなかを鳴らす。
やっぱり、おなかすいていたみたいだ。だよね、夜遅くまで仕事してたし、さっきまで気絶してたわけだし。
「おかゆ作ってきますね」
「すみません、先生……」
まあ何はともあれ、芽衣さんが目を覚まして、本当に良かった。




