表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/236

124話 倒れた編集



 クリスマスが近づいてきたある日の夜。

 僕は担当編集の芽衣さんと一緒に、タクシーで帰ろうとした。


 そこで芽衣さんは急に、タクシーの中で気を失ったのである。


 話しは数十分後。


 実家の方の、僕の部屋にて。


「すぅう……ううん……うう……」


 ベッドで眠る芽衣さんを、僕たち家族が、心配そうに見ている。


「あなた、病院に連れて行った方がいいんじゃなくて?」


 母さんが、父さんにそう尋ねる。


 神妙な顔つきで父さんが首を振った。


「いや、見たところ寝不足だろう。熱もない。今は年末だ。救急車を呼んでもすぐにこないだろうし、ほかにも重篤な病気の人たちが世の中にいる」


「……そうね。お父さんの言うとおりだわ」


 父さんがいつになく、真剣だった。それでいて……ぎゅっ、と唇をかみしめている。


 たぶん、芽衣さんが寝不足になるまで働かせてしまったことを、悔いているのだろう。


 そっ……と母さんが父さんの手を取って、首を振る。


「……芽衣さんは大人よ。体調管理は自分の仕事。あなたばかり、自分を責める必要はないわ」


「そう……だね。ありがとう、母さん。起きたら仕事量について話してみるよ」


 お互い支え合う関係。やっぱり、ふうふっていいなぁ……。


「ぼくは佐久平さくだいら君の両親に事情を説明してくる。勇太、君はどうする? 戻るかい?」


「ううん、芽衣さんのそばにいる」


「そうか……わかった。あとは頼んだよ勇太」


 父さんたちは部屋を出て行く。


 あとには僕と芽衣さんだけが残された。

 寝不足って……言っていた。

 そんな寝る間も惜しんで働かなくちゃいけないくらい、芽衣さんは追い詰められてたのかな。


「…………」


 考えてみれば、僕、芽衣さんのこと何にもわかっていなかった。


 いつも僕をサポートしてくれる、優しいお姉さん。


 でも僕は知らない。彼女のプライベートとか、仕事に対する思いとか。

 

 改めて聞かれても、何も答えられない。彼女はパートナー……担当編集なのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

― 新着の感想 ―
意識無いなら病院行かなきゃだよ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ