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【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第4章

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122話 新人賞


 僕と白馬先生は、父さんの作ったラノベレーベル、SR文庫の編集部へとやってきた。


「やー! 二人とも寒い中ご足労ありがとうございます!」


 会議室で待ってると、僕の担当編集、佐久平さくだいら芽衣めいさんがやってくる。


 コロコロ……と台車みたいなもんを持ってきた。段ボールが結構積まれてる。


「なんですかこれ?」

「新人賞の原稿ですよ」


「「新人賞?」」


 芽衣さんから僕らは説明を受ける。


「我がレーベルもカミマツ先生たちをはじめとした、作家先生たちの尽力により少しずつ知名度が上がってきてます。そこで! 新人賞を開いたんです!」


 新人賞……かあ。僕、ウェブからの拾い上げだから、やったことないんだよね。

 白馬先生はこないだ、投稿作品が新人賞に選ばれたって言ってたね。


「で、そうしたらめっちゃ集まってきて! 想定よりも多い数がきてもうてんてこまいなんですよ」


「どれくらい来たのかね?」


「5000作!」


 それって多いのかな……。

 僕その辺よくわからないんだよね。


 芽衣さんが僕に説明してくれる。。


「ウェブ小説という、小説を発信する場が増えてきた昨今、新人賞への投稿作品って少なくなってきてるんですよ」


「あー……そっか。なろう以外にもたくさんありますもんね、投稿サイト」


「そう。だから昨今じゃ、新人賞へ参加する人が減ってきてる。そんな中で5000! やっぱりカミマツパワーですよ。知名度ありありですからね!」


 うーん、僕何もしてないんだけどなぁ。


 でも、父さん、そして芽衣さんのレーベルの、知名度アップに少しでも協力できてるんだったら、それでいっか。


「それで私たちを呼んだ理由は?」


「そうでした、白馬先生。それにカミマツ先生にも、選考委員として手伝ってもらいたいんです」


「原稿読むってことかい? 別にかまわないよ」


 僕も賛成だった。

 他の人の作品ってほとんど読んだことないし!


「ほんとだったら下読みさん雇ってやるんですけど、予想外に作品たくさんきちゃって、猫の手も借りたいんですよ」


「わかりました!」


 僕は芽衣さんの持ってきた段ボールを、会議室のテーブルの上にのっける。


 僕も白馬先生も原稿の束を手にする。うわあ……これが新人賞……。


「これが選評シートになります。読んで、五段階でいいので点数と、あとできればアドバイスをお願いします」


「わかったよミス芽衣。ところでまさか今日で全部読み終えなくてもいいよね?」


「もちろんですよ! 5000作品もあるわけですし! 時間があるときで……って、カミマツ先生?」


 あれ? どうしたんだろう。


「あ、あの……カミマツ先生? その……原稿の束は?」


「え、読み終わった原稿ですけど?」


「「なっ……!?」」


 僕は会話しながらばーっと目を通して、選評に書き込んで、そんでそれをはじによけていく。


「ちょ、ちょ、ちょっと待ち給え我がライバルよ! きちんと読んでいるのかね?」


「え、あ、はい。もちろん」


「いやそれにしても……もう十数秒で1作品よんでるじゃないか」


「え? 自分で書くんじゃなくて他人の作品読むくらいなら、1分もあれば一冊読めますよね?」


 愕然とする白馬先生。

 いやぁ、それにしても他人の作品読むのって楽しいなぁ!


 あ、でも5000作あるんだっけ。1作ずつじゃ時間かかるなぁ。


 今日中に終わらせないといけないみたいだし……よおし。


「せ、先生? なんで目の前に原稿の束、6つ置くの?」


「え、視界に6つ分くらいなら入りますよね?」


「6つ同時に読めるわけないでしょ!?」


「読めますよぉ。ねえ?」


 ぶるぶる、と白馬先生が首を振る。あれ?


「あ、そっか。普通は3冊くらいなんですね」


「「いやいやいや!」」


「でものんびりしてたら今日中に読み終われないですし」


「「今日中じゃないってさっき言ったでしょう!?」」


 あれぇ、そうなんだっけ?

 まあでもこの6作同時進行、1作品分のペースなら、いけそうだね!


「せ、先生……書くのも異常なのに、読むのまで反則なんて……」


「え、反則って……読むプロの編集さんなら、ぼくより早く読めますよね?」


「読めないよ! もうっ!」


 

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★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

― 新着の感想 ―
[一言] うん、カミマツ先生、無自覚マウントも大概にしとこう。
[一言] 6冊置いて同時に読めたとしても6冊同時にめくれないwww
[気になる点] 神作家にお願いしてる最中に猫の手も借りたいとは社会人として大変失礼なのでは… [一言] よいしょも必要です
感想一覧
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