表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/236

117話 小説家と小説家志望



 白馬王子は、ラノベ歴一年で、ライトノベル作家になって見せた。


 その日の夜。

 白馬は、親友である岡谷おかやを呼び出していた。


 場所は大学近くのバー。

 白馬は、深刻な表情でうつむきながら、岡谷が来ることのを待っていた。


「…………」


 彼が岡谷を呼び出した理由、それは……自分がラノベ作家になったことを、報告するためだ。


 親友に、いつまでも隠し事はできなかった。

 白馬は知っている。岡谷が長年作家になろうと努力してきたことを。


 その努力を、たった一年で追い抜いてしまった。

 追い抜かれた当人からすれば、いい思いはしないだろう。ましてや、一年前は小説を趣味で読む程度、ラノベなんて存在すら知らなかったやつに抜かれたのだ。辛いのは目に見えてる。だから……謝りたかった。


「王子」

「光彦」


 そこへ、岡谷がやってくる。この頃になると、お互い舌の名前で呼ぶようになっていた。


 ハッ……と白馬がさせられる。

 その手には、赤いバラの花束が握られていた。


「デビュー……おめでとう」

「光彦……君は、知ってたんだね」


 岡谷がさみしそうな表情でうなずく。


「あのペンネームで、よく気づいたね君は」


 王子は投稿作品と自分(この当時から王子は、白馬製薬のイケメン御曹司モデルとして有名だった)とを切り離したかった。だからペンネームで投稿していたのだが……。


「バオウハクジ……アナグラムだろ? 気づくよ、友達の名前くらい」


 普通は気づかないだろう。気づけたのは、彼のいうとおり友達だったからか。

 自分を、社長令息ではなく、一個人として、友として接してくれる岡谷を、白馬は好ましく思っていた。


 ……だからこそ。


「すまない、光彦」


 白馬は、深々と頭を下げた。

 岡谷は自分が辛いだろう気持ちをぐっと抑えて、白馬を祝福してくれたのだ。


 親友の心を傷つけてしまった。だから、謝るのだ。


 でも……。


「なに謝ってるんだよ王子。おまえは何も悪くないじゃないか」

「しかし……君を傷つけてしまった。私たちは友達だというのに」


 岡谷はさみしそうに笑って首を振る。


「おまえが気にする必要ねえよ」


 ……強い人だと、白馬は思った。

 故意ではないとはいえ、傷つけられたとしても、気にするなと言ってくれる。

 いい友をもったと思う一方で、やはり……彼に申し訳なさを覚える。


 岡谷は微笑んで、ばしっ、と王子の背中を叩く。


「今日は飲もうぜ。祝杯だ」

「光彦……そうだね」


 いつまでも気にしていたら、だめだ。彼は前に進もうとしている。気にするなと言ってくれた。ならもう、これ以上掘り返すのはやめておこう。


「おめでとう」

「ありがとう、友よ」


 バーテンダーから渡されたグラスを、ふたりは合わせるのだった。


【★お知らせ】


異世界恋愛の新作短編、投稿しました!


『偽の聖女は本物の悪女を目指す〜冤罪で破滅する運命の私、2周目は開き直って世界最高の悪女になるつもりが、なぜかめちゃくちゃ感謝されてた〜』


すごい頑張って書きました!自信作です!

よろしければぜひ!


【URL】

https://book1.adouzi.eu.org/n3625hr/


(※広告下↓にもリンク貼ってます!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

― 新着の感想 ―
[気になる点] 番外編いつまで続くの? 面白くないから本編早く復帰して欲しい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ