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【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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108話 真相、一件落着

【★お知らせ】

書籍版、いよいよ発売しました!


めっちゃ頑張りました!

書籍版は、最高の出来になってます!


ぜひ!ぜひ!買ってくださると嬉しいです!


挿絵(By みてみん)



 声優の由梨恵ゆりえの家にて。


 僕は自分がカミマツであることを明かした。

 由梨恵ゆりえの母親が驚愕の表情を浮かべている。


「カミマツって……あの? デジマスの作者じゃない!」


 一般人もデジマスって知られてるみたいだ。

「思ったより知名度あるんだなぁ」

「「「「いやいやいやいや」」」」


 その場に集まった、僕の彼女たちや、御嶽山みたけやま監督が首を振る。


「先生。あんた思ったよりってそりゃあねえよ」


「……そうですよ、ユータさん。デジマスは老若男女、幅広い人たちに愛される世界的コンテンツじゃないですか」


 アリッサがうんうん、とうなずきながらいう。


 一方でこうちゃんも、ロシア語でつぶやきながら言う。


『おっと久々の無自覚無双。最近この設定使われて無くてごめんなそーりー』


 みちるがあきれたように溜息をつく。


「勇太……ほら、話進まないから」


 あ、そうだった。


「僕がただのガキじゃないって信じてくれましたか?」


 由梨恵ゆりえの母親は「たしかに……」とたじろいでいる。


「世界的映画監督に歌手を、一般人が簡単に呼び出せるわけがない……じゃ、じゃあ……本当に、あの神作家の?」


 由梨恵ゆりえ母が動揺している。


 一方で由梨恵ゆりえ父はフッ……と余裕な感じを保ちながら笑っていた。


「それでカミマツ君。君は……本気かね?」


 父親……五竜ごりゅうさんが、僕に問うてくる。


 覚悟を。


「はい。僕は、由梨恵さんをこの先ずっと支えていきます」


 続いて五竜さんは、自分の娘、由梨恵ゆりえを見やる。


「彼はそう言ってるが、由梨恵ゆりえ。おまえはどうなんだ? 彼氏が覚悟を見せているのに、泣いてるだけなのか?」


 由梨恵ゆりえが体をこわばらせる。


 不安げにゆれる彼女の瞳。


 僕は彼女の手をぎゅっと握った。


 この先も、ずっとこうして、彼女が迷っていたら手を握ったり、背中を支えてあげるよ。


 だから、迷わないで。そう言う意味を込めて、僕は彼女の目を見つめる。


 由梨恵ゆりえは、覚悟が決まったらしい。


 ぐいっ、と目元を拭うと、父親に向かって頭を下げる。


「お父さん、お母さん……私、勇太君が好き! 勇太君と……結婚したいの!」


 由梨恵ゆりえが強く自分の意思を伝える。


 母親は無言で、けれど動揺していた。


「あ、あなた……」


 どうするかは、父親に任せるようだ。


 五竜さんはフッ……と笑う。


「合格だ」


「ご、うかく……?」


 由梨恵ゆりえも、そしてその場のみんなも、五竜さんの【真意】に気づいてないようだ。


「カミマツ君……いや、勇太君。君は気づいてたのだね」


「はい」「気づく……?」


 五竜さんを見やると、笑ってうなずいた。


「最初から、由梨恵ゆりえを試してたんだよ。この人【たち】」


「た、たち……?」


「うん。多分ね、五竜さんと王子先生は、ぐるだったんだ。ですよね、先生?」


 僕がそう言うと、ばーん! と扉が開く。


「お、お兄ちゃん!」

「やぁマイシスター」


 きらん、と白い歯を見せる白馬先生。


 彼は無事だった。


「あ、あの屈強なボディガードさんたちに、捕まって、酷い目に遭わされてたんじゃないの……?」


「ノープロブレム! 心配させてすまないね、我が妹よ」


 彼の後ろには、ボブサップ似のボディガードさんたち。

 

 うん、やっぱそうだ。


「これ、最初から、全員ぐるだったんですよね」


 先生はフッ……と笑ってうなずく。


「その通り。さすが神作家。何でもお見通しってわけか」


 僕は展開、呈示されている情報、そして……キャラクター達。


 それらから未来ストーリーと、そして意図せっていを読み解き……。


 今回の一連の騒動が、作り話だったことに、気づいたのだ。


「作り話って……どこからどこまで?」

「最初から全部だよ。多分婚約者なんてそもそもいなかったんですよ、ね?」


 うんうん、と先生と五竜さんがうなずく。


由梨恵ゆりえの覚悟を知りたかったのだ」

「我がシスターが本気なのか確認しておかないと、ということで、父と一緒に一芝居打ったのさ。ま、見事我がライバルに見抜かれてしまったがね」


 ……最初から、オカシイとは思ったんだ。


 白馬先生は、とても紳士的な人間だ。


 誰に対しても気遣いができる人。

 それは親に対しても。


 もしも婚約話が本当にあったとして、逃がしたとしたら、父親、そしてグループ全体に迷惑をかけてしまう。


 だというのに、妹のためとはいえ、わがままを通した。


 そんな独りよがりなこと、するような人じゃない。


「お兄ちゃんも含めて、全部嘘だったのね……」


「まあ、でも由梨恵ゆりえを思う気持ちは本気だから、恨んだり怒ったりしちゃ駄目だよ由梨恵ゆりえ


「でもぉ……」


 さすがに大がかりすぎたのは否めない。


「君の覚悟、能力、きちんと見せてもらった。カミマツ君」


 五竜さんが微笑んでうなずく。


「君を認めよう」

「ふふ……父上。こんなことせずとも、最初からカミマツ君を認めていたくせに」


 あれ、そうなの?


「一時期塞ぎ込んでいた由梨恵ゆりえが、元気になった。声優という自分の夢を見つけた。それくらいの力を持っている男だ。認めざるをえないだろう?」


 そっか……五竜さんは、最初から認めててくれたんだ。


 試されていたのは、僕だけじゃなくて、由梨恵ゆりえもだったんだな……。


「お父さん……本当に、いいの?」


「ああ、もちろん」


 由梨恵ゆりえからの問いかけに、五竜さんが笑顔で答える。


「声優……続けていいの?」

「ああ。続けなさい」


「でも……会社は……」

「私は会社を、世襲させるつもりはない。能力がある、ふさわしい人材に次につなげるよう手配はすんでいる。おまえは、気にせず、好きな男と結ばれなさい」


 五竜さんは立ち上がって、由梨恵ゆりえのそばまで行く。


「声優も、そこの彼も……おまえが自分で選んだ道だ。親として、それを阻むつもりは毛頭無い」


「お父さん……う、うう……うえええええええええええええええん!」


 由梨恵ゆりえが父親に抱きつく。


 彼は微笑んであたまをなでる。


「とはいえ……私の真意を見抜けぬような愚図なら、容赦なく由梨恵ゆりえは家に連れ戻すつもりだったが、やはり……カミマツ君、君は素晴らしい」


「五竜さん……」


「私のことは、お義父さんと呼びなさい」


「そして私のことはお義兄さんと! 呼ぶことを許そう、我がライバル……いや! 我が義弟よ!」


 五竜……お義父さんも、お義兄さんも、笑っている。


 母親も「まあカミマツ様がグループの一員になるならいっか……」と許してくれたようだ。


「勇太君……!」


 由梨恵ゆりえが笑顔で、僕に抱きついてくる。


「ありがとう! 君のおかげだよ! 大好き……!」


 こうして、一連のゴタゴタに、一応の決着がついたのだった。

【★読者の皆さまへ】


書籍版、ついに発売しました!



一年かけて学んだ、その集大成が、世に出ます!


皆様からの応援、そしてはげましがあって、神作家の書籍版ができました!



いわば、皆様が作ったと言っても過言ではないこの作品!


ぜひ、手にとっていただけますと嬉しいです!



購入はこちら!

https://ga.sbcr.jp/product/9784815613372/

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★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

― 新着の感想 ―
[気になる点] いや多分お母さんだけ芝居って聞かされてなかったよね?事情を知ってたリアクションじゃなかったよね?
[気になる点] 一件落着・・・なのかな^^;
[一言] 他にも妻候補がいっぱいいる真実を知った時にこの両親は何を思うのだろうかww
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