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【電子書籍化】転生したらラノベヒロインの妹だったので推しの顔を見にライバル校へ行きます。  作者: 雪菊
1章

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20/61

19.夏休み、始まりました



休日の話が藍川くんから伝わり、日上先輩が珍しく爆笑してたし、優奈には「顔面偏差値で断ったという事実がまず面白すぎる」と言われてしまった。そうかなぁ……。



「遥くんがあそこにいてもそこそこ同じの結果にはなってそうだけれどねぇ……」


「遥先輩も天が作りたもうた芸術なので……」


「もう少し顔以外に目を向けては?」



複雑そうな顔をされてしまった私であった。

なお、顔が綺麗な女子も好きだ。というか男女問わず美しい顔を愛している。

ただ顔の綺麗な女性はなぜか私が生きるか死ぬかみたいな生命的な鬼門になりつつあるだけで。それでもその美しい容貌には罪はない。


優奈は美人な上に頼りになるので大好きである。ただ、推し活してしまうと優奈にはガチギレされてしまうので控えている。



そんな事を交えつつも生徒会の仕事と、日上先輩の特訓を受けているとあっという間に時間が過ぎた。

1学期が終わり、夏期休暇である。



「夏期休暇とはいっても楽しい合宿なんだがな」


「楽しいですか?」


「家と比べれば全然楽しいっすね!!姉貴がいないってだけでボーナスイベント」



遥先輩にサラッとそう言ってのけた藍川くんはとても良い笑顔である。闇が深い。

なお、私の情熱的なシャウトに心打たれたらしい一花ちゃんは連絡が少なくなった。勇樹くんは何故か逆に増えて鬱陶しくなったので着信拒否し直した。というかなんでそうなる。怖い。

三月くんは「二菜ちゃんが尋常じゃない美形好きなのは知ってるけど、あまり外で恥ずかしい事しないでほしい」とメールを入れてきたので謝罪の手紙とお菓子を送っておいた。



「そういえば、男の小鳥遊が最近外をうろちょろしてるみたいだけど平気か?」


「小鳥遊の本家にも怒られてるらしいんだけどなんで来るんだろうね?私の情熱に何か得るものがあったのかな」


「情熱…?」



心底わからないと言うように首を傾げる八神先輩もカッコ可愛いです。ありがとうございます。

壱流くんは「一花を落としてこい」と本家連中に言われているらしく(本人が言っていた)、私に会いに行ってるのバレると怒られる(本人が言っていた)。



「一花、美人だし良い体してるけど、俺的にはピンと来ないわけ。特に好みってわけでもないし話も合わないし、何より千住が好きすぎて病んでそう」



体にしか興味がない、故に胸とか太腿しか見てない、と言い切った壱流くんを見て「私も他人からこういう風に見えてるんだろうな」と思いました。

なんで来るのかは知らないけど、個人的には嫌いでないので困ってはいない。勇樹くんが来たらストレスマッハで死ぬけど。



「関係のない話はそこまでにしておきなさい。というか、よくそんなに元気がありますね……」



連日の特訓と暑さでバテ気味な遥先輩は少しうんざりとした顔だ。そしてそんな顔も綺麗である。



「去年のこの季節は姉貴に足折られてギプスだったからこれくらいは全然いけますよ!」


「去年のこの季節は勇樹くんが申し込まれた決闘の流れ弾が手に当たってギプスだったんで余裕ですよ!」


「君たちなんでそんなに痛い話に事欠かないんですか!?僕はいいとこ一冬座敷牢くらいのものですよ」



そんなツッコミをいれられたけど一冬座敷牢ってなかなかやべーのでは?そう思ったけど、じとーっとした目で「言っておきますが、座敷牢結構快適なんですよ」と言っていた。

なお、日上先輩に目線をやると、「おまえらのその手の話に俺を巻き込むな」と言われてしまった。



「光一は婚約者がストーカーなだけだよ」


「おい、終夜」

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