表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後7年目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1021/1357

1021 星暦558年 赤の月 2日 棚以外にも使えるよね?(18)

アレク視点です

>>>サイド アレク・シェフィート


「以前話していたオムツを洗う用の魔具だけど、何着か服も洗えるようにしてみたのをシェフィート商会の店舗の幾つかに置いて、独身の従業員がさっと服を洗うのに使えないか、試してみて良いかな?

使い勝手が良さそうだったら独身者が多い地域に貸し出し専門店みたいのを開いても良いかと話しているんだけど」

丁度実家に帰ってきたら母を見かけたので、声を掛けた。


商会の事業に関わるとなれば当然最終的には父とホルザック(長兄)にも了解を得なければならないが、洗濯となると母に一応相談しておく方が無難だろう。


従業員の服装に関して一番苦言を呈するのは母だし。

男性と女性では服装や清潔感に関する許容範囲が大分と違う事が多いから、例え形式上は父かホルザックから了承を得ていれば大丈夫な業務関係の内容でも、女性が拘る事柄だったら母に相談しておかないと後が面倒になるのだ。


「オムツ用??

そういえば、そんな話をしていたわね。

出来上がったのを持ってきてくれれば良かったのに」

母が足を止めて首を少し傾げながら言った。


「・・・現時点でこちら(実家)にオムツを使っている家族はいないでしょう?

だからそちらの機能に関しては工房周辺の赤子がいる家庭でオムツ洗いを試して貰って意見を聞いていけば良いかと思っていたからね。

ただ、オムツ専用とすると購入層が限られそうだから服を洗う様に少し大きくしたんだ。

それを見たシェイラが宿屋とかに置いて客が自分で手軽に服を洗えるようにしたらどうかとウィルに提案したんだけど、そんな感じな継続的な利用的な使い方をしても問題が無いか、確認したくてね」

実際に売り込むのはシェフィート商会に任せるし、独身者が多い地域に洗濯用魔具貸し出しサービスの店を開くにしてもそこの運営も人に任せる。


シェフィート商会に丸投げするか、空滑機グライダー貸し出しサービスのように私たちで出資して運営を誰かに任せる形にするかはまだ決めていないが。


どちらにせよ、先ずは多数の使用者に使わせた時に何か問題が出るかの確認が重要だ。


「ふうん?

悪くないわね。

だけど、家から持ってきた服を洗うのに使っても良いって言うのだったら、絹とか色物とかを洗っても大丈夫なのか、確認してあるの?

駄目なんだったらちゃんと目につくところに注意書きしておかないとこちらが賠償する羽目になるわよ」

母が指摘した。


おっと。

「絹って普通の洗濯用の石鹸で洗っても良いんでしたっけ?」

デリケートだという話は聞いているが。

というか、デリケートなんだったら固まったウンチを落とすような洗い方の魔具に放り込んだら不味いか??


「石鹸も絹用のを使わないと光沢が失われるし、洗う時だってごしごし擦ったりしたらダメなのよ?

魔具がどうやって汚れを落とすのか知らないけど、大丈夫なの?」

母が聞いてきた。


「・・・廃棄予定な古い絹の服を買い取れるかな?

駄目だったら古着屋で買って来るけど」

絹の服をやウンチだらけにするとは思えないから、最初のブラッシングをする部分を飛ばすと良いかも知れない。

ただまあ、埃を除去する効果もあるので絹が痛まないのだったら一通りやった方が更に綺麗になるだろうが、そこはちょっと確認が必要だろう。


「流行から外れちゃって着られなくなったから仕立て直そうと思っていたのが何枚かあるから、出しておくわ。

色物は?」


「パーティードレスみたいのは最初から洗うなと書いておくつもりだから、それ以外で色が濃い服があったらそれもお願い」

とは言え、色物の服の場合は新しいのを洗った際の被害を確認した方が良いから、適当な店で何着か出来合いのシャツを買って試した方が良いだろう。


普段着や仕事用の服程度を洗うのに使ってもらう想定だったから絹や色物は予想外だが・・・確かにお洒落着をデートの前に洗おうと考える人間がいても不思議は無い。

そう考えると、それが駄目になったら怒り狂うだろうから要確認だな。


「分かったわ。

でも、仕事用の服を洗える魔具を置いておくというのは良いかも知れないわね。

取り敢えず、仕事着を洗う為ってことで試作品を置いて行って良いわよ?」

母がにんまり笑いながら言った。


・・・そんなに母が不満になる程汚れた服を着ている従業員がいたかな?



色物は白いのと一緒に洗った時の影響も確認しないと被害が大きくなりかねないですからねぇ。

一律禁止のほうが良いかも?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カクヨムの方で短編として書いている『子爵家三男だけど王位継承権持ってます(仮)』の続きをアップしました。

https://kakuyomu.jp/works/16818023211694735678

二話は以前アップした話の再アップですが、新しくその後に続きも書いてあります。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ………そういえばアレク君のお母さんって、キャリアウーマンだったね。 ただ従業員の奥様方に持っていったら凄い反応されて、商機が見えたら食いつきそうでなぁ。 多分中産階級の「メイドを見栄で雇って…
[一言] あー確かに何でも同じ洗い方は無理ですね 時間も洗剤も違ってくるととなると これは本格的なクリーニング屋に。。。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ