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窓から富士山を眺めながら俺は…  作者: 白い黒猫


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天井を眺めながら

 ドラマや映画等見ると、ストレッチャーに載せられてそれを、数人の看護師らが慌ただしい様子で手術室に押していく。それを涙ながらに家族が見送る。

 それが手術室に向かう患者のイメージ。


 しかし俺は車椅子に座り点滴スタンドを自分で前に持ち看護師さんに椅子を押してもらい手術室に向かう。

 どうやら手術室はこの病院には二種類あるようだ。開腹したりと外科的手術を行う中央手術室と内科的手術を行なうコチラの手術室。コチラは外来の患者も行き交う中を通り、放射線検査室ゾーンに入りその奥にある。俺は外来エリアに居る人を眺めながらエリアを移動して大きな扉の部屋へと連れていかれる。

 そこは手術室というか工場のようにも見える。手術台の他に、様々な機材がありそれが何やら稼働している。そしてやたら寒い。

 思ったよりも人がいて皆頭を覆う帽子とマスクをしてい準備万端という雰囲気。機器をチェックしている人、道具をチェックしている人と皆キビキビと何か作業している。

 名前の確認をされ俺の引き渡しは終了し、自分の足でステップを登り手術用ベッドに横たわるように支持される。

 身体の位置を医者の言われるままにモゾモゾ動かし微調整。まるで美容院の洗髪のような感じ

「寒くないですか? この部屋機械が多いので冷房が強めなんですよ」

  看護師がそう言いながら俺の寝巻きの足の部分をはだけさせ、パンツを下ろす。

  足の付け根からカテーテルを挿入するから仕方が無いとはいえ、俺は恥ずかしいが耐えるしかない。

  そんな状況だったので医者が何かを入れますとわれ曖昧に返事を返してしまう。すると点滴チューブから液体を注入すると腕の血管が熱いような痛いような感覚に襲われ顔を顰める。

「始めますね」

 そう言われ口に酸素マスクのような物を当てられた。


 正に飛んだという感覚がピッタリでその時からの意識が全くない。夢を見ることもなかった。


 時間がプツと途切れ次の瞬間「佐藤さん! 佐藤元気さん」と呼び掛けられていた。

 覗き込んでくる医者の顔。

「手術無事終わりましたよ!」

 その言葉にホッとするよりも時間がそれだけ経過していた事の驚きの方が大きい。

「え? あ、あ~」

 俺はモゴモゴと言葉にならない返事をする。そして感じる異様な渇き。口の中がそれこそ唾液すら感じない程カラカラだった。それで、喋りにくい。

「ご家族にはお電話しておきますね!」

「よ……く……ねが……ます」

 そこからは視界はクリアーなのに意識がぼんやりとしたまま時間が進む。

「お部屋に戻りましょね~」

 そう言われ数人で手術用ベッドからストレッチャーに移されるのが感覚で分かる。

 そして俺は移動により変わっていく天井を俺はただ眺め続ける。流れていくブツブツと穴の開いたスクエアか並ぶ天井。

 ゴトンという振動と共にそれは無機質なエレベーターのものに変わり、それがライトが定期的に並ぶシンプルな天井となり……。

「ベッドに移動させますね~」との声がかかり一瞬の浮遊感。

 体の下に敷かれていたものが抜かれる。

 見慣れた天井がカーテンによって見慣れた形に切り取られた風景。


 ここに帰ってきたんだきたんだ。そうぼんやり思いながら天井のボツボツとした模様を眺めていた

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