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78話 異能者の襲撃

「それじゃあ、早速話し合うとするか。」


俺と真莉亜は学校から出た後、トモに連絡をして話し合いをしようとメールで送ってから昼休みに決めていた行きつけのフード店に入って先に来ていたトモたちが話し合う場を設けていた。


「その前に零、今日はあの会長に捕まってたけど結構早かったな。仕事はなかったのか?」


「俺が行った時には終わってたみたいだ。今日は先輩から話があったから捕まったんだよ。」


「前から思ってたけど、アンタ事あるごとに生徒会の勧誘を拒否ってるわよね。」


「仕方ねぇだろ家の事情なんだからよ。それにあの生徒会は全員女子だから居心地が悪いんだよ。」


「まぁそれは仕方ないと思うぜ。なんせ俺たちの学校は()()()()なんだからよ。」


トモは苦笑いをしながら買ったジュースを飲んだ。

実は俺たちが通ってる学校は元女子校で、数年前に共学になってから男子もこの学校に通っているけど、未だに女子校としての面影が残っており、一つ例に挙げるとするなら、通ってる生徒の男女比は4:6だったりする。


「それで白崎君、日下部先輩からの話って何だったの?」


「それなんだけど、本人から自分を含めた生徒会全員が異能者だったって事を告白してきたんだよ。」


「「えっ!?」」

「ブーーッ!」


零からの突然のカミングアウトに明日香と夏奈は驚き、トモに至っては飲んでいたジュースを一気に吐き出した。

フード店でいきなり声を上げてしまったと思った夏奈が周囲を見ていたが、今日は普段よりも人が少なかったのが幸いで、誰にも気付かれずにすんでホッとしていた。


「ゲホッ…ゲホッ…そ、それってマジなのか?」


「マジだ。俺も急に言ってきたからびっくりしたよ。」


トモは咽ながらも吐き出したジュースをナプキンで拭きながら聞いてきた。

ちなみにトモの正面は俺だったが、吐き出した瞬時にトモが下を向いたから無傷で済んだ。


「待って、私そんなの初耳なんだけど、ホントに異能者って言ったの?!」


「ホントだよ。会長さんも二人が異能者だって事を知らなかったみたいだし。」


「それじゃあ今、学校にいる異能者は二人と日下部先輩たちになるの?」


「それはわからない。数年前から異能者は存在するから、他にいる可能性もなくはない。」


俺の予想としては、少なからずもクラスに異能者は四,五人いてもおかしくはないと思っており、そのうち当たりかはずれのどっちかを選別しないといけないと思ってたりする。

といっても簡単に自分は異能者です!とひょっこり頭を出すかのように出てくるとは思ってもいないから、その辺りは慎重に事を進めていかないといけないけどな。


「話を戻すけど、まずは情報を探らない限り、今の俺たちには勝算はない。」


「いきなり敵の足元に行くのはダメなのか?」


「バカ、何も準備しないで敵のアジトに向かったところで捕まるのは確実だし、何より敵が何人いるのかもわかっていない状態だぞ。無防備で突っ込んだところで結果は丸見えだ。」


「でも情報を探すって言っても、どうやって探すの?」


「情報を探すやり方はいろいろあるけど、まずはお前たちの協力者に会うのが最初でいいかもな。」


「俺たちの?」


自分たちの協力者に会うのを最初に言ったのが予想外だったのか、トモは意外そうな顔をしていた。


「情報を得るには、まずは異能に詳しそうな人から聞くのが最適だし、たとえ小さな情報でも欲しいと思ってる俺からしたら、それを最優先にしたほうが早いしな。」


俺がまだ勇者だった時も最初はそうだった。

どこの町や村に行っても、まず最初にやるのが情報を集める事であって、そこからどのように対策したり、どういったらうまくいったりするかを話し合ってから実行するってやり方をずっとしてきた。


だから今回の異能に対してもそれと同じやり方でやっていって、櫻井先生の情報も待ちながらも自分たちでできる範囲で情報をかき集めていってから、その後に対策を練ったほうが後々うまくいくだろうしな。


「でももし情報を探してる間にも、異能者が私たちに襲い掛かってきたらどうするの?」


「それはそれで大吉だ。追い返そうが捕まえようが、そいつから情報を吐き出させて得るってやり方もできるしな。」


「お前、随分と大胆な事を考えるよな。」


「これくらいしない限り、情報っていうのは見つからないものだ。とりあえずそっちで協力者に合わせられるように取り繕ってもらっていいか?」


「わかった。ちょっと待ってくれるか?」


トモはポケットからスマホを取り出すと、協力者に電話をかけ始めた。

電話の相手は2コールで電話に出た。


「俺だよ博士。前に話してた幼馴染も異能者だったみたいで、俺たちと協力したいから情報が欲しいと言ってるから会えないかって言ってるけど。あぁ…。ちょっと待って、本人と代わるよ。零、博士が変わってだと。」


「わかった。はい、代わりました。」


『あなたが二人の幼馴染?』


トモからスマホをもらって返事をしたら、電話の向こうから聞こえてきたのは女性の声で、電話の相手が俺なのかを少し警戒しているかのように聞いてきた。


「はい、二人の幼馴染の白崎零です。」


『そう。私は博士、二人の協力者よ。』


「それでさっきトモから聞いたと思いますけど、情報を得るためにどうしてもあなたと会いたいので、どこかで会えないでしょうか?」


『協力するのなら構わないわ。明日でもいいかしら?』


「はい。でしたら明日の放課後にトモたちと一緒にそちらに向かいます。」


『えぇ、わかったわ。』


「ありがとうございます。それでは。」


俺は電話を切ってトモにスマホを返した。


「そういうわけだ。明日の放課後に会う約束をしたから、案内は任せても構わないな?」


「了解だ。明日は学校も午前中で終わるし、その後に博士のいる秘密基地に連れて行くよ。」


「わかった。悪いな、取り繕ってもらって。」


「気にすんな。俺もできる事だったらできるだけ協力はしたいしな。」


「ありがとな。とりあえず時間も時間だし、残りはLIFEのグループ通話で話し合おう。」


「あ、待って零君。私まだ頼んだコーヒー飲み終わってないから。」


時間が7時前で外も暗くなっていたから、今日の所は解散して、残りはスマホの通話で話し合いを軽くして明日を迎えることにした。


一夜明けた次の日、今日は朝から曇りの空になっていて、いつ雨が降ってきてもおかしくないくらいに曇っていた。


「俺は今日の放課後に博士という人に会うけど、真莉亜や夏奈はどうするんだ?」


「どうせお昼で終わるし、私も付いて行くよ。」


「私は照ちゃんと萌歌ちゃんの二人が心配だから、今日はそのまま帰るよ。」


「そうか。二人の調子はどうだ?」


「白崎君がストーカーを捕まえてくれたおかげで、萌歌ちゃんも顔色は最初の時より明るくなってたよ。だけど復帰はまだしないみたいで、しばらくは家におるって言ってたわ。」


俺も何度かは連絡をして様子を確認していたけど、夏奈から聞いた感じ大分回復したみたいだし、しばらくはそのまんまでも問題なさそうだからいいか。


「すまんな、しばらく二人が世話になっちまって。」


「ううん、大丈夫よ。私も二人がいてくれた方が嬉しいし、お泊り会みたいで楽しんでるから気が楽になって助かってるわ。」


「ありがとう。またしばらくは頼んだ。」


「うん、任せて。」


引き続き二人の事を頼んでいたら櫻井先生がやってきて、四時限目は授業の代わりに全校集会になっていたから、全員が体育館に向かって歩き出した。

体育館に着いた後は教頭の長い話を聞かされている間に、博士と会った後の情報をどうやって見つけるかを考えながら早く集会が終わらないかなと思いながら話を聞いていた。


『それではこれを持ちまして、全校集会を終わり―――』



ドカーーン!!!!



『うわああああ!!!』

『キャーーーー!!!』


教頭の話が終わって、集会が終わろうとしていたその瞬間に体育館のドアが突然爆発して、近くにいた生徒や教師が数人吹き飛んだ。


「な、何だ!? ドアが急に爆発した!」


「あ、あれは……!」


爆発の煙で最初は何も見えなかったが、煙の中からスーツ姿の男とダボダボのパーカーを着ていた少女が現れて、体育館のステージに向かって歩き出した。


「だ、誰だね君たちは? 一般人が中に入ってくるのは禁止なのだぞ!」


「わかっていますよ。だから早くどけ。」


ボーーーン!!


「グビハッ!」


教頭は突然現れた二人に驚きながらも、一般人の侵入をした事に注意をしていたら、スーツ姿の男が教頭の前に自分の手を出して体に触れ、触れた瞬間、男の手が爆発を起こして教頭を吹き飛ばした。


「教頭先生!!」


『静寂に、今から話すのですから黙って座りなさい。』


教師の誰かが教頭が飛ばされた事に叫んでいたけど、男が壇上にあったマイクでしゃべりだし、零たちを含んだ生徒全員は、言った通りにその場に座った。


『いい子達ですね。初めまして、私の名前はクラッシュ。科学異能組織スコーピオンの一人です。今から皆さんを人質にさせてもらいます。』


クラッシュと名乗った男は、俺たちを人質にすると言った後に、懐から銃みたいのを出すと、それを体育館にあるドアや窓に向けて撃ち始めた。


グチュ…グチュ…グチュ…


ドアや窓に撃った弾丸は、当たった場所から突然ゴムのようなものでもあり、ガムみたいな変なものが出てきて膨らんでいき、ドアや窓から脱出させないように塞ぎ込んだ。

それを見ていた他の生徒や教師たちは恐怖している者もいれば、ドアや窓に現れた物が何なのかを怯えながら見ていた。


(クラッシュにヴェノム。まさか今になって動き出すとはな……!)


(知ってるのか?)


(あぁ。奴が俺と明日香を襲った組織の一人で、異能者を束ねる組織、スコーピオンの部下だ。)


(てことは、奴らが色欲の部下なのか?)


(多分そうだ。二人はA級の異能者だから、迂闊には動けないぜ。)


トモが唇を嚙みながら俺に小声で簡単に説明してきて、俺は壇上に立ってるクラッシュを見た。

俺も“神眼”を使って見て確認したが、色欲の‟魅了”を感じる事ができなかったのに疑問を持ったが、こいつ等はどうやら洗脳なしで従っているのが分かって、静かに目を細めてクラッシュを見た。


『さて、準備ができた事ですし、今日は何で皆さんを人質にしたのかを簡単に説明しますと、今密かにニュースなどで噂になってる異能を、これから皆さんに与えようと思い馳せ参上したのです。』


(異能を与えるだと……!? まさかここにいる全員にか!?)


トモが何か言っていたが、もう一人の異能者であるヴェノムという少女が、背中にせよってたリュックからバズーカみたいなのを取り出して、上を向いて構え始めた。


『それでは早速始めましょう。ヴェノム、お願いしますね。』


「うっしっし、異能出現覚醒弾……発射!」


「やめろ!」


トモが止めようと叫んだが、ヴェノムは持ってたバズーカを天井に撃ち、放たれた弾は天井スレスレの所で弾けて、中から液体のようなものが入っていて、体育館にいた生徒や教師の全員に当たるかのように液体が降りかかった。


「う…がああぁぁぁ!」

「痛い、痛い痛い痛い!」


降り注がれた液体が全部落ちてきて、先に掛かっていた生徒の数人がいきなり頭を押さえ始め、それを連鎖していくかのように次々と他の生徒や教師たちも頭を押さえ始めた。


『安心しなさい。頭に強い痛みを感じていますが、ほんの一瞬だけですのですぐに収まりますよ。しかし潜在能力活性剤を浴びたのも構わず、何故か数人ほど何も起きていない方がいますね? もしやすでに異能を持っていたのでしょうか?』


クラッシュは頭痛が起きていない人が数人いた事に疑問を持っていて、頭痛が起きなかった人物は、零や真莉亜、夏奈や教師の櫻井祥子に加えて、すでに異能を持っていたトモと明日香や生徒会のメンバーだった。


(異能をすでに持ってるトモたちはまだしも、俺たちには何で頭痛が起きないんだ?)


零は自身の持ってるスキルや魔法などを全部思い出しながら考えていたが、ある部分を思い出してた辺りでふと気が付いたかのように目を見開いた。


(そうだ加護だ。ティファニスさんたちの加護もそうだけど、俺は天照様の加護を持ってたからさっきの液体から守られてたんだ。となると真莉亜や夏奈も同じようにこっちの神様の加護が守ってくれたおかげで、さっきの液体を受けずに済んだのか。)


零が答えにたどり着いたのと同タイミングに、さっきまで頭痛で苦しんでた生徒や教師たちが少しずつ頭を押さえなくなっていって、十数秒経った時にはもう頭を押さえている者はいなかった。


『どうやら全員頭痛が収まったようですね。おめでとうございます。今皆さんの体の中には私たちと同じ異能が入っておりまして、自身の体の奥底にある潜在能力が具現化した力を手に入れる事ができました。』


クラッシュはそう言い放つと、横にいたヴェノムと一緒に不敵な笑みを浮かべてから、ヴェノムが再びリュックの中から取り出した円盤状の物を貰ってこう言い放った。


『それでは皆さん異能を持つ事ができたので、これから私たちの組織があるアジトまで付いて来てもらいましょう。』

転職探して、ジム行って、サウナで汗を流すといった毎日をしてるけど、ワンパターンすぎて退屈になってきてしまっています(笑)


次回は金曜日の深夜0時に投稿します。

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