閑話 従者たちの新生活
どうも、レイ様のメイドのリラです。
私たちは現在、レイ様が女神ティファニス様の報酬でもらった夢の世界という仮想世界に近い場所で新しい生活を迎えようとしております。
元魔王であったマリア様の従者の方はこちらとは同じ境遇だった人もいるみたいで、お互いに信頼を築いていくのも随分早いみたいです。
そしてレイ様たちが日本に戻られてから私たちは役割分担をするためにいったん話し合いをすることになりました。
「それでは今後私たちが不自由なく暮らすためと、お互いの主であるレイ様とマリア様がいつ来てもいいように不足しているところとそれを調達するための役割分担をしていきます。」
私が言うと皆さんは真剣な目で話し合う雰囲気を出してくれました。
「それではまず不足している部分について話し合っていきますけど、何かありますか?」
「はいはい!まずはみんなが生活する場所がないです!」
最初に意見を言ってくれたのはセレナ様で、それと同じことを思っていたのか数名がうんうんとうなずきながら聞いていた。
「確かに、生活をするのに必要なのは食糧の確保と生活できる場所だな。」
「生活できる場所は近くに木があるから、何本か切ってから家か小屋を建てれば何とかなりそうだな。」
「その間は外で夜空を見ながら寝るのもいいかもしれないですね。」
「でも食糧の方はどうするのだ?見た感じ魔物はいないみたいだし、タンパク源はないに等しんではないか?」
話し合っていく中で住居の方はどうにかなりそうでけど、食糧の方はどうにもできないみたいで流石にその辺りはどうしたらいいか悩んでしまいます。
そう考えていたら扉の方からノックをする音がしたので開けてみると、まったく知らない人たちが数人大きな袋を担いでやってこられた。
「えーと、あなた方は?」
「初めまして、私たちはティファニス様に仕える使者の者たちと申します。実は食材がないことに気が付かれた主様が、急遽私たちに頼んで数日分の食材を持っていってほしいと言われましたので、こちらの方に伺いました。」
「そうだったのですね。それではその抱えられてる袋は…。」
「はい、皆様が食糧不足にならぬよう神界にある新鮮な果物と魚,肉類などの食料と調味料を持ってきました。」
「「「おぉーー!!」」」
どうやらティファニス様が私たちのために多くの食材を使者の皆様に頼んで持ってこられたみたいで、これで食糧問題につきましては問題が無くなって一安心しました。
「皆様は害のない魔物などを食してあったのですけど、ここには魔物がいないのでこれからは私たちが定期的に訪れて食材が不足にならない期間だけこのように提供しに来ますので、今後ともよろしくお願いいたします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
お互いに軽い挨拶をすると、使者の方たちがキッチンの隣の部屋の食糧庫に次々と袋に入れてある食材を入れて行って、わずか10分でキレイに収まりきってしまいました。
あんなにあった食材を丁寧に迅速に食糧庫の隅々まで収納していく様は圧巻と言っていいくらいさくさくと作業をされていってました。
使者の方々が帰られた後に確認のため食糧庫を見たのですけど、どの食材がどこにあるのかが一瞬でわかるように棚や保冷スペースなどにきっちりと置いてあり、端から端まで余すことなくきれいに保管されていってるのを見てしまうとメイドである私も脱帽をしないといけないくらい素晴らしいものでした。
私もあちらの世界では王都のメイド長であったメリア様になに何から何まですべて体に覚えさせて、レイ様に迷惑をかけないように完璧なメイドの修行をしていたはずですけど、上には上がいたことを改めて思い知らされた気分になりました。
(でもこれは悔しいよりもまだまだ自分が未熟であるということを再確認することができたので、これからも自分を磨き続けていきましょう!)
そう思い私は自分に喝を入れて皆様のもとに行き、話し合いの続きをしていくことにした。
「食材の確保についての問題はこれで解決することができました。後は衣食住できる場所の建設ですね。」
「全員でやった方が早いというのは分かりますけど、まず私たちはこの世界がどうなっているのかが分かっていないですから、それが分かるように探索をするのはどうでしょうか。」
リベル様が言われてから考えてみたのですが、確かに私たちはレイ様が渡してくれたマニュアルだけしか情報がないので、それだけでは情報が乏しいのは分かっています。
だからまずは衣食住を万全にしてからその後に行おうとしていたことなので、今行うことには問題はないですね。
「でしたらまずは、この夢の世界がどんな風になっているか担当になる人には簡単な地図を書いてもらうのはどうでしょうか?」
「そうですね。となったらこの担当は飛行ができる人に任せた方がいいですね。どなたかやっていただきませんか?」
「ではこのアストレアが、その頼みごとを任せようではないか!」
なぜか自信満々な態度で胸を張っているアストレア様が自ら志願してきました。
考えてみたら今このメンバーで適任なのはアストレア様がいいのかもしれませんね。
普段はマイペースな方で余裕がある振る舞いをしていますけど、実際にこなした仕事はしっかりとやってのけていますし、他の仕事のサポートをしていたりと結構真面目なところがありますから問題はないでしょう。
「それではアストレア様、そちらの頼み事を任してもよろしいですか?」
「うむ!問題ない。私の胸の中にある探求心が今まで以上に高鳴っている以上、この頼み事はしっかりとこなしてみようではありませんか。では行ってまいります。」
そう言って地図を描くための道具を持たれて大空に羽ばたいて行かれました。
「あ、あの…何も口出しはしなかったのですけど、今の頼み事はあの人で大丈夫なのですか?」
そう言ってこられたのは、マリア様の従者のルナ様がおろおろとした表情でこちらに伺ってきました。
「心配する必要はない。彼女は普段から自分のペースでやるような者だが、頼まれた仕事は完璧にこなしておるし、何よりもそれが終わっても他の手伝いをすような奴だから、この仕事も完璧にこなして見せるだろう。同じ従者として保証しよう。」
ヒスイ様が言われてくれたおかげで安心なされたのか、ルナ様はホッと胸を下ろしていました。
「それでは私は建設する建物の設計図を製作しますので、他の皆様は木こり担当や組み立て担当などに分けられてください。」
「待ちなさいリラ。その設計図は私も付き添いをしていいかしら?」
「問題ありませんよエミリア様。それではこちらについてきてくれますか?」
そう言って私とエミリア様は別室に入り設計図を製作する作業に取り掛かりました。
他の皆様も担当が決まったらしく、早速材料である木を伐採しに行かれました。
(レイ様とマリア様がいつ頃来られるかわかりませんが、来られた際には安心できるようにしておかないといけませんね。)
私たちは自身の主がどのような感想を言ってくれるか想像しながら黙々と仕事をしていく事にしました。
これからは、このような従者目線の話も投稿していきます。




