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18話 DIYやりたい放題

「えーと…『“夢の世界”がどんなものかこれで分かってしまう、かんたんマニュアル!』」


その1 この世界は四方約30kmの世界になっている

その2 ここでも魔法や精霊の力などが使える

その3 リビングの端にあるクリスタルで季節や天候,気

    温や湿度が設定できる

その4 材料や食材は現代でも使えるし、現代からの持ち

    込みは全然OK

その5 行きたいところにすぐ行きたいときは、物置部屋

    にあるクリスタルをその場所に置けばすぐに行け

    る

その6 この世界にも動物は連れてくることができます。


以上がこのマニュアルに載っていたことだ。


はっきり言って思ったことは、すごいの一言だけだった。

まずこのマニュアル、ホントに分かりやすいマニュアルだった。

あの女神だから適当に書いてるんじゃないかって思ったけど、そんな事はなかった。

正直これだけ書かれたら後はどうにかできるな。


「そういえば何故か物置部屋にもクリスタルが置いてあるのか気になっていたけど、まさか移動手段としての道具だったんだね。」


「ゲームでいうポータルみたいな感じだな。」


そしてずっと気になってたリビングの端にあるクリスタル。

これがまさかの天候を設定できる道具だったとはな。

天候を設定するって事は、晴れさせたり雨を降らせたりするのが可能ってことなのか。


「このクリスタルで天候が変えられるのか。ちょっと試してみるか。」


使い方は確かマニュアルに書いてあった通りなら、触れば出てくるんだっけな。


クリスタルに恐る恐る触ってみると、上にステータスに似た何かが出てきて、そこには気温や天気、季節などを変更できるようになっていた。


「ねぇ、天気が変えられるなら、雨や雪とかを降らせれるの?」


「多分出来るんだろうな。とりあえず雨でも降らせてみるか。」


ステータスに触って、今の天気を晴れから雨に変えてみた。

すると外の景色が一気に曇り空に変わって、少ししたら雨が降り始めた。


「ちゃんと雨が降ってきたな。」


「そうだね。しかも災害にならないくらいの優しい雨だね。」


「「………。」」


設定した瞬間に天候が変わるとか、もう超常現象みたいなものだろう…これ。

日本の神様もびっくりするほどの変わりようだろう。

大丈夫なのか、向こうの女神様たちは。

無茶しすぎて問題にならないよな?


「よ、よし、天気が変えられるのは分かった事だし、自分たちの従者たちを召喚しない?」


おっといけない、外の景色の変わりように愕然としてて召喚を忘れるとこだった。

しっかし、部屋の中でやるとなっても、俺の従者の人数でもリビングは狭くなってしまうな。

これに真莉亜の従者を加えるとなると、流石にヤバいな。


「真莉亜、確認だけど、そっちの従者は何人なんだ?」


「私は八人。零君は?」


「俺は十人だ。」


「「………。」」


俺も多いけど、真莉亜の方も意外と人数がいたな。

八人も従者がいるんだったら、この部屋だと危ないな。


「い、以外にいるんだね。」


「そっちもな。俺は修行している時などで奴隷商人などが連れて行こうとしてる際に助けて、それから従者になったのがほとんどだったからな。」


「私も同じよ。魔界の外に出た時とかに偶々見つけて助けたのが始まりだったね。」


どうやら真莉亜の従者も似たような経緯なのか。

俺の従者は奴隷にされそうになった時に助けて従者になったのが大半だ。

修行の時だけじゃない。

冒険をしてる時も何度も遭遇して、人間や獣人、エルフや妖精といった多種多様の種族が奴隷にされかけていて、しかもそのほとんどが子供だった。

奴隷で子供は高く売れやすく、それで繁盛している商人もいたって聞いた時は、反吐が出そうだったのを思い出すな。

今でも吐き気がするけど。


「なんていうか、俺たちって、似たような感じで契約をしてたんだな。」


「ふふっ、そうみたいね。」


こう見ていると、真莉亜も女神の手違いがなかったら、勇者に似たような存在として生きていたのかもな。

俺と同じ苦しむ人を見捨てずに助けるという行動は、勇者と同じような行いをしているし、しかも助けた後は自分の近くにおらせるところなんか善人がやる行いだしな。

だから俺が偽善者というイメージが付いてたのも、奴隷商人から助けるのが勇者としての当然の行いと思っていたのか。


「流石に部屋でやると狭くなるね。」


「だな、外に出てからやるか。」


外に出た俺たちは、ちょうど目の前は特に何もない草原になってたし、家の目の前で召喚をする事にした。


広さも充分。

遠くに行かなくてもすぐできるのはありがたいな。

でもこれだけ広いのはもったいないし、畑や田んぼを作るのもありだな。

近くに川もあるし、水源は確保できそうだしな。


「よし、まずは真莉亜の方からしようか。人数が少ない方からした方がいいだろう。」


「分かった。それじゃあ、始めるね。」


真莉亜は右腕を前に出して、“契約召喚”の術式を展開した。


「集え―――私に付き従いし従者たちよ。種族を問わずただ同じ生き方―――同じ幸せを願い―――絆を持った八人の戦士たちよ―――今このここに顕現せよ! “契約召喚”」


召喚術の詠唱を言い終えると同時に術式が光り出し、そこから八人の従者が現れた。


俺の見た感じだと、魔族が二人、獣人が三人、鳥人が一人、竜人が二人かな。

魔族の場合は悪魔の象徴である角がないのか一人いるから、もしかしなくても人間っぽいな。

いや分からんな。

悪魔でも「角あり」と「角なし」がいるから、どっちも魔族かもな。


「魔王軍特殊部隊『オクタグラム』、我らが主、マリアベル様のもと、召喚に応じました。」


跪きながら言ったのは、一番前にいた角なしの魔族っぽい黒髪の少女が言った。


「みんな、また会えて嬉しいよ。」


「我々も同じです。ようやくすべてから解放されたのですね。」


何というか、こう他人が嬉しそうに話してるのって微笑ましいな。

笑って話し合ってるていうのが好きなんだろうな、俺って。

まぁ子供の笑顔が明るいっていうし、大人も笑えば幸せであるのと同じなんだな。


真莉亜も契約召喚された従者たちも嬉しそうに話していると、俺がおる事に気が付いたのか全員がこっちを向いてきた。


「マリアベル様、後ろに居られる方はもしかして勇者殿でございますか?」


「ええ、そうよ。あの時に話した通り、今は一緒に行動しているわ。あと私の名前は真莉亜だから、これからはそう言うようにしてね。」


「そうだったのですね。分かりました。」


そう言ってさっき真莉亜に話しかけて来ていた黒上の少女が俺に近づいてきた。


「初めまして勇者殿。私はマリア様の特殊部隊である『オクタグラム』の隊長を務めています、リベルと申します。改めまして、マリア様を過去のしがらみから解放してくださって、ありがとうございます。」


「え、あぁどうも初めまして……ん? 過去のしがらみ?」


過去のしがらみって、前世の人間の時の事か?

それとも魔王になった呪いの事か?

まぁどっちにしたって、過去を絶つ事が出来たから、それに感謝されてるんだな。


「まぁ、彼女とは色々あったけど、これからは仲良くしていこう。あっ、それと俺の事は勇者じゃなくて零で構わないからな。」


「はい、我々もこれからは同じ仲間として、何卒宜しくお願いします。」


お互いに握手をしてから仲を示したところで、俺は真莉亜の方を向いた。


「にしても真莉亜、さっきの召喚の時の詠唱は何だったんだ? 別にあれは詠唱とかは必要ないだろうが。それに“契約召喚”なんて持ってなかっただろ?」


「あぁいや、さっき零君の部屋にあったマンガの中に、なんかかっこいい詠唱をしている場面があってさ、それを少しアレンジして真似してみたんだよ。あと“契約召喚”はついさっき手に入れました。」


あぁーなんか聞いたことがあるなって思ってたけど、あれ俺が買ったマンガにあったセリフだわ。

三年も空いてたから忘れてたけど、確かにあのマンガのセリフってかっこいいんだよな。

俺もそれが気に入って買ったんだったな。

てかその為だけに“契約召喚”を取得したのかよ。


「まぁいいや、次は俺の番だな。ごめんけど、少しズレてもらってもいいかな?」


「分かりました。」


彼女たちには少しズレてもらい、今度は俺が召喚をする事にした。

まぁ真莉亜がやってるを見てて俺もしたくなったし、俺もアレンジで詠唱をやってみるか。


「術式展開―――――座標固定完了。“契約召喚”―――起動。」


さっきまで彼女たちがいた場所に術式が現れて、俺も真莉亜とは違う形の詠唱をした。

本当はいらないけど、かっこいいからやりたくなるんだよな。

最初に覚えた魔法も、みんなに隠れて詠唱を言ってから放ってたしな。

でも期待とは別に魔法の詠唱もいらなかったみたいけどな。


「繋がれし絆よ―――我は汝に示そう。数多の戦いを潜り抜き、戦火を抱いて歩んだ兵達よ―――我は汝を喚ぼう、我は汝を語ろう。勇ましき者の呼び声に答え―――今ここに顕現せよ! “契約召喚”」


うん、やってて恥ずくなってきたわ。

やっぱしなければよかった。

カッコつけるもんじゃないな。

ロクな目にしか遭わないし。


心の中で自分にツッコミを入れてる間にも、“契約召喚”の術式が発動して、かつて異世界で一緒に戦ってくれた俺の従者、十人がその場に現れた。


「こ…ここは……?」


「みんな、久しぶりだな。」


俺がみんなに声をかけると、みんなも俺の方を向いてきて、明らかに驚いた顔をしていた。


まぁ最後にあったのは二ヶ月前にあった、魔族の王都襲撃戦でみんなを王都に送って以来だな。

最後も辛くさせないために会わなかったけど、こんなに早く会う事になるなんてな。

ある意味、あの時会わなくても良かったかもな。


「レ……レ……。」


「ん?」


「レイ様―――――――!!」


「ごっふッッッ!!?」


俺が白崎零だと分かった瞬間、メイド服を着た少女が俺の名前を叫びながら体に強烈なタックルをしてきた。

そして俺にタックルしてきた少女は、俺の胸に顔をうずめて泣き出した。


タックルしてきた少女の正体は、妖精族のリラ。

俺が一番最初に助けた子で、一番最初に従者にさせた子だ。

少しだけ契約召喚のところに中二病要素を入れてみました。

だって召喚するときって無言じゃつまんないじゃないですか!!



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