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138話 未来視

「さ、しんみりした話はこれで終わり。今後の方針について語っていきますとするか。」


悲しみの溢れた空気を問答無用で破壊して、みんなのリアクションをさせる前に、俺はこれからの事を

話し合う事にした。

華怜は泣き疲れてしまい、俺の肩にもたれかかって夢の中に入って行った。


「まずは俺と照のリハビリからだな。俺たちが完治すれば残りの大罪の回収は格段に早くなるしな。」


照のブランクは小さいからどうにかなるけど、問題は俺の方だ。

二千年のブランクはかなり重たい。

ホルスティにはあんな事言ったけど、そう簡単に治せるような大きさじゃない。


「こんな時、前の兄弟たちがいてくれたらありがたいけどな~………あ。」


俺はふとある事を思い出した。

目の前には異能を持った幼馴染と生徒会。

魔王に戻って絶賛急成長中の真莉亜。

同じく個人で急成長中である妖術師の夏奈。

元勇者と元魔王である両親。

夢の世界(シープ・ワールド)に移住した桜姉たち。

そして頼りになる俺と真莉亜の従者。


「いるじゃん。めっちゃいるじゃん。」


「何がいるの?」


「だとしたらこのメンツで一緒にやれば、俺のアレを使えるのも早くなるしみんなの成長もできて一石二鳥だ。」


「もしも~し、聞こえてる~?」


「ん? あぁ悪い。リハビリのプランをちょっと考えてたんだけど、今決まったよ。」


真莉亜の声で考えるのをやめて、とりあえず今浮かんだやり方を紙に書いてみんなに見せた。


「もう少ししたら夏休みなので、この場にいる全員、主に異能を持ってるトモや明日香と生徒会メンバーを中心とした強化合宿をここで行おうと考えてます。」


「「「「「「「「「強化合宿?」」」」」」」」」


突然の強化合宿というワードに、みんな戸惑い気味になってた。

まぁ急に言われても何のことだと思うし、分かりやすくこれからの方針を語っていくとするか。


「まず現時点で俺と真莉亜が【対異能者特別対策本部(ホークアイ)】に入らない前提にしている。何せ俺たちにはやるべきことがあるし、それが終わらないと平和も来ないからな。」


「称号もらったのに入らないのか?」


「籍は置くさ。ただ正確には博士と同じサポートの位置にいるって感じだと思えばいいよ。」


ぶっちゃけ称号なんてどうでもいい。

だけど貰える特典がありがたいからだ。

単位がなくても進学が可能なら、別で行動をしても問題なくなる。

現に学校をサボって神界や冥界に行っても、単位に影響は出ないなら持ってて損はない。

むしろ今後の俺からしたら好都合すぎるくらいだ。


「メインは大罪の結晶核の回収。異能のサポートはサブになるだろうが、できる限りの事はするさ。」


「サポートって言っても、博士と同じように道具か何か作ったりするの?」


「いや、どっちかってなら情報集めの方がいいだろう。スパイみたいに内部に潜入するのは容易いし、俺の“眼”があれば嘘か本当かは秒で見破れるからな。」


潜入は俺の空間で、情報や尋問は俺の神理眼でできる。

仮に危なくなっても時間も超越してる俺からしたら逃げるのなんて簡単だ。

真莉亜はそんなの出来ないから、盗聴などをさせればどうにかなるし、最悪一人で蹂躙もありだしな。


「そういえば気になっていたのですが、白崎サンの“眼”にはどんな力があるのデスカ?」


長谷川が俺の数日前の過去話に出てきた“眼”が気になったのか、俺の目の権限がどんなのかを聞いてきた。

それは長谷川だけじゃなく、その場にいる全員が同じだった。

みんな興味津々になって俺を見てきた。


「どんな力があるかって言われたら、めっちゃある。「千里眼」「透視」「解析」「死相」「真実」「念力」「投影」「未来視」……他にもたくさんあるが、手っ取り早く言えば森羅万象の全部がこの眼にある。数は分からん。何せ一度も使ってないのがたくさんあるからな。」


数だけ数えてもどれだけあるか分からんのは本当だ。

実際に前世の俺が使ってない眼はめっちゃあるし、そんなのあったかってのがいくつもある。

分かりやすく言えば、俺の眼の力の種類は一冊の本ページと同じくらいあるのだ。

その眼の力を誰かが持ってても、俺も同じのを持っててもおかしくない。

最早そんなレベルだ。


「お兄ちゃん、さっき「未来視」って言ってたけど、それって未来が視えるんだよね?」


「あぁ、起きてたのか華怜。」


肩にもたれかかって寝てた華怜がいつの間にか起きててびっくりしたけど、すぐに華怜の質問に答えた。


「未来が視えるのが未来視なんだ。特に俺の場合は「時間の超越」がある以上。数秒どころか無限に先の未来が視えるぜ。」


「何それチートじゃん……後出しジャンケンやり放題じゃん……」


明日香の言葉に同調するように、みんな呆れてものが言えなくなっていた。

確かにチートだ。そこは認めよう。

でも宇宙で二番目の神がそんな眼を持ってもしょうがねーじゃん。

だって神なんだから。

常識なんてクソくらえみたいなもんだ。


「確かに無限に先が読める「未来視」なんてチート当然だけど、俺はもう二度とその力は使わないって決めてんだ。仮に使っても、一手先までにしてるよ。」


「何でだ? せっかく未来が視えるんだから、全部分かってた方が楽じゃねぇのか?」


トモの言った通り、ずっと未来が見えるのならただの未来日記と変わんないし、カンニング当然だ。

答えが分かるのなら永遠に使えば得するばかりだ。


「――――俺が使いたくなかったし……、もう……未来を視るのはやめたんだ。」


もう嫌だった。

未来が視えて得したことなんてなかった。

あるのは結末だけ。

それ以外は―――――何も無かった。


「と、言う訳だから、未来視は真莉亜にあげるわ。」


「いや急だし何で!?」


「おお、ナイスツッコミ。」


真莉亜のツッコミに感心していると、一気に詰め寄ってきた真莉亜は俺の肩を強く揺らし始めた。


「何渡そうとしてるか分かるの、未来視なんだよ!? 私が未来見えちゃってもいいの!?」


「うん、いいよ。」


「ちょっとは否定してよ!!」


「あのお姉ちゃん、落ち着いてって。」


あぁぁ~脳が揺れりゅ~

華怜が横で止めようとしてるけど、止まりそうになーいなぁぁ……

てか何でこんな焦ってるんだ?

別に未来が見えて損はないんじゃん?

俺はまだしも、真莉亜は問題ないよな。


「もしかして未来視の眼、いらなかった?」


「いや欲しいよ! もらえるのならすんごい欲しいよ!」


「だったら何で…?」


「眼を渡すって事はさ、零君の眼を抉るって意味になるんだよねぇ!?」


「…………ん?」


え、俺の眼を抉る?

何で抉らないといけないんだ?

そんな事は別にしなくてもいいのに。


「…あ、もしかして、移植して未来視を貰うと思ってるの?」


「…ゑ?」


あっ、これ抉って移植って感じだと思ってるのか。

いかんいかん、ちゃんと説明しないとな。

このままだとマジで現実になりそうだし。


「俺の眼の力は本と似たようなものでさ、ページの一枚一枚に力が記載されて、渡す時はそのページの部分を破って相手に渡すような感じなんだよ。」


あ"ぁぁ…ヤバい、脳が震えて気持ち悪い。

目の焦点もさっきから合わないし、意識が薄れてくるような感覚がする。

真莉亜、お前揺らすのやり過ぎだろう。


「じゃあ、零君の眼を抉らなくても、私の眼に未来視の力を渡せるんだよね?」


「その抉るから離れて欲しいけど、そういうこった。ちょっと待ってな。」


右手で両眼を隠して、頭の中で本を浮かび上がらせてページをめくるように探していく。

ゆっくりと、ゆっくりとページをめくる。

“神理眼”のページは、あの時から変わっていない。

俺の存在が産まれたあの時から変わってない。

何ページも本をめくり続けて、ようやく「未来視」の文字を見つけ、そのページを右手で破り、眼から手を離した。


「今、俺の右手に「未来視」の力がある。後は真莉亜の眼に当てて流せば、移植は完了だ。」


右手には何も乗ってない。

だが確かにその手には俺のかつて持ってた「未来視」の力がある。

そして俺の眼からは「未来視」のページが無くなっていた。


「本当にいいんだね……零君。」


「あぁ。俺にはもう、これは必要ない。」


「分かった。じゃあ…お願い。」


真莉亜は目を瞑って、それを合図に俺は右手で真莉亜の眼を隠した。

そして普通じゃ見えない「未来視」の力を真莉亜の眼へと流し込んでいき、痛みのない移植を始めた。


「ど、どうなってるんだ?」


「真莉亜の眼に「未来視」の力を足してるんだ。分かりやすく言えば、透明な水に色を少しずつ付けていってるんだよ。」


「なるほど。では今は、神崎の眼に色を付けてるのと同じ状態なんだな?」


「意味合いは少し違いますけど、まぁそんなとこですね。」


そんなこんなで「未来視」の力の移植は順調に進んでいき、右手に未来視が無くなった感覚がして、俺は右手を真莉亜から離した。

真莉亜も終わったと思ったのか、ゆっくりと目を開いて俺の方を見た。


「お、終わったの…?」


「あぁ、移植は終わりだ。目の色は変わってないけど、確実に真莉亜の目の中に「未来視」は入ってるよ。」


「てことは、神崎先輩もお前のようにずっと未来が視えるのですか?」


「いや、俺の場合は神格と連動して使ってたから出来ただけだ。多分だけど、真莉亜の場合は一手から二手先までが限界だろう。」


そう、本来はそこまでなんだ。

本来無限の未来が視えるのは、神でも不可能な事。

可能にできたのは、始まりの神である邪祖神グァーラの子であり、ゼロの神格である“虚空”があるからだ。

もちろんグァーラ自身も同じ事は可能だ。


「「未来視」については、まだ使わないようにしておけよ。間違えて使いすぎたら失明するかもしれねぇからな。」


「失明するの…!? わ、分かった。気をつけるよ。」


まぁ失明は嘘なんだけど、酷使しすぎたら眼だけじゃなくて脳にまで影響を及ぼすからな。

真莉亜は分かってるとは思うけど、強い力ほど反動や代償は大きいんだ。

これくらいの嘘で騙さないとやり過ぎたせいで手遅れになりたくないし、俺以外が傷つくのは嫌だからな。


「で、話が逸れちまったけど、強化合宿についての内容は、単純に強化も含めて自身の弱点を減らしていく方針で。協力者は外に大量にいますので、やり方は個人で決める方でいきましょう。」


(((((((((コクッ)))))))))


俺の言葉に全員が頷いて、次に真莉亜の方を向いた。


「真莉亜、これは俺とお前だけになるが、少ししたら従者の大半をパラディエスに送るようにしたんだ。」


「パラディエスに? 何でまた急に?」


「要因はアレだ。」


俺がテラスに指をさして全員がそっちを向くと、ベンチで日向ごっこをして寝ている妹弟子のシルヴィアだった。


「そういえばあの子、私たちが話すと言ってからずっと寝てるわね。」


「昼寝好きだからなぁ。いつも話してる最中に立ったまま寝る時があるから、邪魔しないように外に出したからな。」


その寝てる奴が何故要因なのか?

実はあの娘、しばらく俺と居たいと宣言してきたのだ。

帰らせようとしても嫌々ばっか言って俺にホールドして離れようとしないから、しばらくここに居らせる事になってしまった。

そのせいで王都の戦力は下がるだろうし、代理で数人を向こうに連れて行くようにホルスティと話しちまったから、今更なかった事にできんもんな。


「それでメンバーだけど、(ロード)を除いた数人を送る予定で、こっちにはそれ以外を一人か二人残す方針だから。」


「急な話だけど、王都の王様が言ってたの?」


「いや自己判断。あいつらもここにいても暇になるだろうし、長い休暇だと思わせたら何とかなる。」


「それでいいのかよ…」


外野が何か言ってたけどそんなの知らん。

先に行動した方が有利なんだよ。

判断は早めが一番。


「という訳だから、先輩たち生徒会はまだしも、トモや明日香はあの二人を連れて、夏奈は香織ちゃんを連れて来るようにしてね。」


「あいつらもね、分かった。」

「香織も私と同じで強くならないとね。」


三人には他の三人を連れてくるように頼んだし、ここいらで終わりにさせますか。


「それじゃあ今度の期末テストは無事に終われるように勉強をするため、解散しましょう。」


話を終わらせて、最後の試練である期末テストを無事に乗り切るためにみんなを帰らせた。

その時若干一名だけ顔が青くなってたのを誰も知らずに。

これまでストーリーを進めてきましたが、現代段階でのメインで出ているキャラがどんな状況か軽く説明していきます。


【白崎零(虚空邪神ゼロ)】

体の半分が人間で調整していて、もう半分は邪神の肉体になってます。

ストーリーではそんなのは一切説明してませんでしたが、最初の時点で人間と悪魔のハーフであって、後に悪魔の部分が魔王に覚醒して、それから怒涛の勢いでかつての邪神の肉体を取り込んだことで、魔王になってた肉体の半分は邪神に上書きされ、現時点では人間と邪神のハーフの状態になってます。

弱体化しているように見えますが、実力は前世と同じ力を持ってる設定にしてます。

ちなみに勇者の力は邪神に統合されてるので、聖剣は普通に扱えますし、肉体は老けにくくなってます。


【神崎真莉亜(魔王マリアベル)】

二度目の転生を行って人間に戻ってけど、色欲を持ってたジョルメ(邪神パウウェス)が全部の元凶だと分かり、再び魔王へと覚醒を行ってしまっているので、現段階では角なしの悪魔とさほど変わらない状態です。


【常盤夏奈】

生粋の人間その1。

妖術師の家系に生まれているだけで、人から外れた肉体は一切持っていません。

今は夢の世界(シープ・ワールド)で桜(玉藻の前)にみっちり妹と一緒に修行中で、近いうちに成長した姿を見せる予定です。

ちなみに妖術とは別にお札での術も使える設定ですので、これは近いうちにストーリーに入れ込みます。


相川智也(トモ)

生粋の人間その2。

こちらも夏奈と同じで、異能といった超能力を持ってるだけで、人間と変わりありません。

異能自体も肉体の強化や人間離れの攻撃を出すだけなので、肉体に影響はほどんどないです。

ちなみに彼は空手と柔道をやってて、今はやめてる設定です。


【加藤明日香】

生粋の人間その3。

彼女も智也と同様で、異能を持ってるだけの普通の人間です。

明日香の異能はかつて弓道をやってたからこそ出た才能で、命中率はかなり高い設定です。


【白崎彩音】

勇者の力をもって肉体が老けにくい体になった零と華怜の母。

実力は歴代勇者の中では3番目で、魔力量が歴代勇者の中でも最大量の大きさを持ってます。

魔法は使っていたけど、零より想像力がなかったためオリジン魔法は少ない。

「暗黒星雲」は全部使えます。


【櫻井祥子】

零やトモと明日香、夏奈のクラスの担任であって、過去に死んだ4代目勇者だった人物。

勇者の力が持ったため、肉体は彩音と同じで老けにくくなってます。

歴代勇者では4番目の実力で、剣の使い手では初代勇者の次に強いです。

現在は勇者の感覚を思う出だそうと必死に特訓中で、今後零が行おうとしている強化合宿に参加予定です。



余談ですが、零は歴代勇者で最弱になってますが、それは肉体が半分だけで制限されてる状態での順位ですので、全開放(悪魔だった時の半分での解放)した状態だと歴代トップになります。

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