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瑠璃光の復讐者(リベンジャー)~両親を悪徳貴族に殺され、妹と生き別れになった僕。運命の出会いをした美少女と共に機械巨人を駆り、世界を救う!~  作者: GOM
 第二部 僕は世界を救いたい。

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第25話(累計 第71話) 襲われたカレリア。

「カレリアは、この先どうなるのかねぇ」


「子供たちは全部保護したし、農園の人達も強制労働からは解放したけど、まだ普通の街に戻るまでは時間がかかるねぇ」


 夜明け前の砂漠、もっとも気温が下がる時間帯。

 街の郊外にいくつも設置された野営テント。

 そんな中、焚火にあたる共和国から派遣された警備兵たちが愚痴る。


 ここ、カレリアは貴族を追い出した後に、ラザーリらによって子供たちが主体の原始共産制による領地運営が行われた。

 もちろん子供たちだけで上手くいくはずもなく、社会体制がボロボロになった。

 その後、ラザーリら支配者たちがトシたちにより排除され、今は共和国の派遣軍が街の警備と運営維持を行っている。


「しかし、子供が大事といいつつ、子供をウチや貴族連合に輸出していたのは許せん」


「そうだな。子供こそ、勉学に励んで世界の為になる立派な人になって欲しいな」


 どちらも子持ちの兵士達。

 カレリアで行われていた子供たちに対する仕打ちには怒りを覚えていた。


「ん。何か変な音がしなかったか?」


「そうだな。妙な感じが……。あ! 西の方角に光が!?」


 次の瞬間、兵士の目に凄まじい閃光が飛び込んできた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「伯爵様。朝食中、申し訳ありません。カレリア在住の共和国軍より先程、救難通信が入りました」


「うむ? 一体何が起きたのだ? ここにいる者は全員関係者だ。詳しく報告せよ!」


 伯爵様主催の朝食会。

 今日はヴィローが調整中なので、僕とリリ、ナオミは一緒にご飯を食べている。

 そんな中、慌てた様子の側使いさんが食堂に飛び込んできた。


 ……今日は僕の代わりに、エヴァさんとレオンさんが「(パトラム)」が偵察に行ってくれているんだ。


「はっ。日の出前にカレリア近郊に大規模な軍勢が出現。あっという間にカレリアが制圧されたとの事です。部隊の大半は壊滅。一部が逃げ延び、当方に救援を願ってきました。なお、一般市民にも被害が出ているもよう」


【ご報告中、申し訳ありません。私の方にも上空のパトラム。レオン様からの連絡が入っています。中継を致しますね】


 側仕えの方がカレリアで起こった事案について報告をしてくれる。

 また僕の持つ情報端末からヴィローの報告もなされた。


<あーあ。オヤジ、トシ。聞こえるかい? こちら、パトラムで偵察中のレオンだ。今、カレリア上空だが街中は酷い状況になっている。映像を送るぞ>


 レオンさんからの声が情報端末から出てきて、それと同時にパトラムからであろう映像が映し出された。


「ひ、酷い」

「あぁぁ……」

「お兄ちゃん、どうしよう」


 僕は情報端末を机の上に置き、映像を周囲の人々に見せる。

 それを見てリリやナオミは悲鳴を上げ、伯爵様は声も出せない。


 街中のど真ん中が城壁ごと、巨大な剣で凪いだように真っ二つに「切断」されていた。

 数メートル幅の「切断」跡は、何かで焼かれたように黒く焦げる。

 周囲も火災が起きたのか、煙が何か所も今も立ち上っている。


【これは射線から判断しますに、上空から分解光線砲ディスインテグレーターで薙ぎ払ってます。神話級ギガスで無いと出来ない攻撃ですね】


 映像内には、擱座(かくざ)したギガスが街中に多数見える。

 首の無いD級や騎士の姿をしたC級、共和国の物が大半。

 しかし、黒くて妙な姿のギガスも小数ながら居る。


「これ、共和国のだけでなくて、他のギガスも見えますね。あ、こいつは!?」


「ああ、トシ殿。以前、ワイズマンが繰り出してきたゾンビ・ギガスじゃな。といって、今の貴族連合や結社にこれだけの軍勢や神話級ギガスを使う余裕はないだろう」


<オヤジ、こういう状況だ。これ以上カレリアに接近するとヤバい気がする。もう撤退するぞ>

<トシ。間違いなく敵は貴方の師匠よ。空中からビームで薙ぎ払えるのは、彼女の機体しかありえないわ>


 ワイズマンら、秘密結社の背後には、プロトらが居た。

 だから、ゾンビ・ギガスの供給元も彼女だったのかもしれない。


 ……彼女達はヒトを道具扱いにしていたから、ヒトを兵士に使う事も無いだろう。死者を部品として便利に戦わせるのはあり得るよな。


「ん? ヴィロー、地上の映像を拡大。待機中のギガスを見せて」


【御意、マスター。ほう、これは確かに偵察中に襲ってきた神話級ギガスですね。それと、もう一機。A級以上の機体も見えますね】


 地上に立つ神話級ギガス。

 女性体形で黒地に金の縁取り(エングレーブ)装甲。

 間違い無く前回、空中で戦った師匠の機体だ。


 そしてもう一機の機体。

 A級以上に見えるのだが、肩と胸部分に何かの獣らしき顔とそこから伸びる一対二本の角らしき者が見える。


「この映像から見るに、既にカレリアは落ちたとみて良いな。もう一度奪い返すにしても、神話級機体を相手にするのは難しい」


「ですね。手としては少数精鋭による強襲。そして神話級等の戦力を引き付けておいて、別部隊によって奪い返す、くらいでしょうか。もちろん、こんな作戦は師匠ならバレバレでしょうが」


 無視できないレベルの戦力を囮に使う。

 師匠もよく使っていた手ではあるが、無視できないという点で効果はある。

 予備兵力をどこまで残すか、判断は難しい。


「今から僕はアカネさんに相談に行きます。リリも一緒に来て。ナオミ、ごめん。今日は伯爵様と一緒に留守番をしていてね」


「りょーかい、おにーちゃん!」

「お兄ちゃん。無理はしないでね」


 僕は、もう一度師匠と戦うべく、行動を開始した。

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