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56.ドラゴンさんは呆れられる

久しぶりの投稿です

 56


「で、ほんとに何しに来たのじゃあね様」


 なんか会話するのもすでに億劫になりつつある我じゃがとりあえずはソファーへと座り、あね様と会話するといった体をみせる。

 本当は会話なんかせずにさっさと帰ってほしいのじゃがそれを口にするとあね様は絶対にキレる。下手したらまた殴られるかもしれん。あね様に殴られると地味に痛いからそれは避けたいんじゃ!


「あら、愚昧が本格的にダンジョンを運営しようとし始めてるから様子を見に来たのよ。十年くらいは引き篭もってたでしょ?」

「それはありがたいのじゃが、我だって子供じゃないのじゃ!」

「愚昧、愚昧はどこまでいっても愚昧なのよ!」


 やたらと高圧的にあね様は言い放つ。

 これ、永遠に言われ続けるやつじゃな。


「勇者が来たというから少しは心配したのよ。本当に少しよ! 砂粒くらい!」

「それは全く心配しとらん! しかもヘルガがぶっ殺したので問題ないですじゃ」


 厳密に言えば勇者(仮)はたまにダンジョンに来とるのを確認しとるがな。なんか前より弱くなってるし、パーティーメンバーである虚乳の魔法使いがガチャで有金全部使いきっておったがな。今はダンジョンでアイアンゴーレムを狩ってお金を稼いでおるようじゃな。その稼いだ金を無断で魔法使いがガチャに注ぎ込むという奴らにとっての悪循環、我にとってはいいお客様となっておる。なんというか闇を感じる。


「面白い試みをしてるみたいだし」


 異空間からグラスとおそらくは酒が入ったボトルを取り出し、グラスに注ぎながらあね様はにんまりと笑う。面白い試みとはガチャの事を言っとるのかのう。


「スピア曰く人間の欲望を刺激して儲ける方法らしいですじゃ」

「まあ、間違いないわね。バカな人間は使えもしない物にも大枚をはたくわけだし」

「どこからその金が出るか我は頗る疑問なんじゃがな」

「あるとこにはあるのよ」


 グラスに入ったお酒を煽りながらあね様は笑う。

 まあ、確かにのう。人族の王とか呼ばれる連中は確かに身に余るような武具を手にしていた気がする。実際にその武具を使いこなせている奴らなんぞ稀じゃからな。太ってる奴らが多かったし。

 それはガチャから手に入る武器もそうらしい。そして現ダンジョンは我というか思いついたスピアも予想外な事が起きておる。それが魔法使いのように冒険者連中に現れるガチャ狂いと言っていいほどにガチャに執着する人種じゃった。

 奴らは金に物を言わせてひたすらにガチャを引きまくっておる。所謂金はある貴族とかいう連中じゃな。マジで引くくらいにガチャを引きまくっておるから。

 おかげでスピアの奴が確率を下げて更なる黒字を出しているらしい。運営側の闇を感じる。


「じゃが不思議なんじゃが」

「何がかしら?」

「ガチャを引いてレアな武器を引いた連中、特に貴族っぽい連中は何故かダンジョンに潜らずに戻る事が多いんじゃ」


 これは以前から疑問だったものじゃ。

 冒険者ぽい連中はガチャで武具を手に入れるとそれを試すようにダンジョンに潜るわけなんじゃが、貴族っぽい連中はその武具を使う事なくそのまま帰る奴らが大半じゃった。

 武具を飾るんじゃろうか?武器なのに。


「その様子では本当にわかってないみたいね」

「何がです?」


 なんかあね様に呆れられたような視線を向けられるんじゃが、我には全く心当たりがないんじゃが?


「いい?愚昧。武具とは戦いに使うものよ。そして愚昧のダンジョンのガチャで手に入る武具は魔界ではイマイチと言われる武具なわけだけど、この世界一般に出回る武具よりも遥かに高性能だわ」


 ここまではお分かり? とあね様が告げるのを我は頷く。いかに我がバカと言ってもそれくらいはわかるのじゃ。


「そしてこの世界の動向を決めるのはだけど大体が頭の悪い貴族なのよ。さて、では問題よ愚昧。頭の悪い貴族が強い武器を手にしたらどうなると思う」

「え、バカなんじゃから飾るんじゃないのかのう?」


 バカすぎて武器の使い方もわからずに飾ったりするんじゃないじゃろうか?


「悪かったわ愚昧、ある程度頭が回る貴族連中が武器を手にした場合にする事ってなんだと思う? さらにそれが軍隊なんて戦う力を持ってる国が手にした場合よ」

「それは……」


 頭が回る連中が強い武器を手にしてする行動。それは……


「戦争とか略奪行為といった力で行える事よ」


 フィンブルスあね様はそれはそれは楽しそうな笑みを浮かべながら我がゲンナリとしそうな答えを教えてくれたのじゃった。

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