33.ドラゴンさんはビビってる
「DPが貯まりません」
「我は何も壊しとらんぞ!」
なんかヘルガが責めるような、そして疑うような眼で我を見てきているようだから弁明しておいた。なにせ今回は我は何もしとらんからな! ドラゴンの姿に戻るのも禁止されとるし、暴れておらんしな!
むしろやらかしたのはヘルガの方じゃよな? 自称魔法使いのくせに思いっきり前で剣を振り回しておったしな。魔法はなんかおまけにしか見えんかったし。おまけでもおかしな威力じゃったしね。
「私はダンジョンの外だからノーカンなんです」
「なにその自分ルール……」
我のことを自己中とかいう割にはヘルガの奴も自己中じゃよな。
というか我はまだ勝手に人形売られた事を許しとらんからな!
「この間のダンジョン災害でかなりの数のモンスターが減りましたからね。ダンジョンの収支にもかなり影響してきてます」
「やはりゴブリンやスケルトンだけでは対してDPが稼げんからのう」
「今まで収支が多少の黒字だったのは数で補ってましたから」
そうじゃよな。ダンジョンの一層と第二層はゴブリン、スケルトンやゾンビまみれじゃったからな。
数だけは多かったからのう。だからこそダンジョン災害が起こせたわけじゃが。
それも一気に数を減らしたらDPの採算が合わんのじゃろな。
「ということでマルコシアス商会に連絡しました」
「嫌じゃ! マルコが来るなら我は姿を見せんからな!」
我はマルコシアスが苦手なんじゃ。魔界の商人としてはかなり優秀な部類らしいんじゃが…… 変態じゃからなぁ。
「いいじゃないですか、マスターの使用済みの下着とか渡すだけでかなり便宜を図ってくれるんですよ?」
「なら新品のを渡せば良かろう」
「気持ち悪いですが履いてたやつがいいとか言ってましたよね」
「あやつの前にドラゴンの姿で現しても舐め回すように見てきたんじゃぞ⁉︎以来人型で会うようにしても気持ち悪い視線を向けてくるし、呼吸荒いし気持ち悪いんじゃ!」
「多分、今回も向けてきますし、色々と言ってきますよ? しかも今回はこちらには借金があるんです。どんな変態的な要求を突きつけられるか……」
ヘルガの物言いに我の体は恐怖を覚えたかのように勝手に震えた。
最強種のドラゴンである我が一商人に怯えるとは……
いや、変態は怖いしのう。
「とりあえずは脱ぎたての下着は確実ですよね」
「ひぃぃ、やっぱり我は隠れて……」
「逃すと思いますか?」
我が部屋から逃げようと駆け出し始めると同時にヘルガの手が閃き何かが放たれる。
放たれた何かは我の顔に向かって一直線に飛んできた。
我が顔を振って躱そうとしたんじゃが、飛んできた物はいきなり軌道を変え我の首に直撃しよった。
「ぐぇ⁉︎」
直撃した物はガチャリという金属音を立てて我の首を固定。瞬間、今まで体に漲っていた力が少なくなり、我は頭から床に倒れ込んだ。
「な、なんじゃ!」
「マスターが逃げるのは予想していたのでこんな物を用意してみました」
なんて言ってくるヘルガの手には鎖が、そしてその鎖は我の首元へとつながっており、我の首回りには金属のゴツい首輪が付いておった。
「なんじゃこれはぁ!」
「マスター逃亡防止用の首輪です」
「ペット扱いか⁉︎」
我はあっさりと捕獲されたのじゃった




