22.使い魔さん発散する
「はぁ、本当に転職を考えようかなぁ」
ダンジョンから出た私、ヘルガは仕方なしに森を駆けていた。
たまに木を避け損なってぶつかるけど木の方が轟音を上げて折れる。木にぶつかったくらいでは勇者族である私の体は傷一つ負うわけない。
「タマ、先行して暴れてきなさい」
そんな私の背後を同じように駆けている鎧クマであるタマに命令を下す。
タマは意思疎通のできるはずなのに「クマ」としか喋れないんですよね。欠陥品でしょうか?
あれ、クマの鳴き声って「クマ」でしたっけ?
考え込んでいると命令を下すとタマは後ろに背負っている大きな籠から大きく○が描かれているプラカードを取り出し、私に見えるように一度かざすと一瞬で籠へしまい、新たに籠から巨大な鎌を取り出し、肩に担ぐと「クマ!」と大きく返事をすると私を追い越すように速度を上げて先を駆けていった。二足歩行で。
「クマって二足歩行で走れましたっけ?」
今度、クマについて書かれている動物図鑑をDPで購入することにしましょう。
私も駆ける速度を足に魔力を集中させることで上げてタマを追いかけます。
タマが私の視界に入った時にはすでにタマは手にした大鎌を大きく振り抜き、ゴブリンの首を複数宙に飛ばしていました。
「くまくまくまくまくまぁ!」
掛け声を上げながらタマが鎌をゴブリンが集まっている場所へと振り回す。
その度にゴブリンの頭が飛んだり、腕が飛んだり、足が飛んだりと何かしら飛んでいく。
たまに私の方にも飛んでくるからそれは腰の鞘から引き抜いた黄金剣、タムナクトの腹で叩き、弾き返して他のゴブリンの顔面にぶち当てて吹き飛ばす。
「くまくまくま!」
「器用ですよね。そんな手で」
タマの手はクマの手だ。
そんな手で剣や鎌などを器用に握り振り回している。
この間なんてマスターが異世界の本で見た武器、DPで作ったヌンチャクとやらを渡されてそれを振り回してた。
こいつは本当にクマなんだろうか?
「ぎゃぎゃぎゃ!」
考え込んでいたらすでにゴブリンの集団のど真ん中まで突っ込んでいた。
数が凄い。
右を見ても左を見てもゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリン!
「気持ち悪い!」
以前、ダンジョンでゴブリンに覆い尽くされた光景がトラウマでフラッシュバックしてきたから手にしているタムナクトへと魔力を注いでただ振り下ろす。
魔力による斬撃が地面を疾り、大地とゴブリンを両断していく。
「結構潰れたかしら?」
振り下ろしたタムナクトを引き上げ周りを見るとゴブリン達が一歩後ろに下がった。
ビビった。つまりは私の方が強い!
それを確認した私は笑う。
「ストレス発散★」
ゴブリンが密集しているであろう場所へ私はタムナクトを振りかざして飛び込んだ。




