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おない年の兄妹  作者: 沙悠那
SPICY APPLE PIE
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Episode7 避けていた友達


 お昼休み、お弁当を持参しなかったメグとふたりで、食堂で食べることにした。沙紀ちゃんと明穂とは別行動になる。

『明日はお弁当を持ってきちゃだめだよ。食堂で一緒食べよ』昨日の夜メグからメールが着た。ガク君のことで何か話でもあるのかな?

「瑠花と祥大くん、ちゃんと仲直りできたんでしょ」

「う、うん、まあ、別にケンカしてたわけじゃないし」

「あれ? 瑠花の首、そこんとこ赤くなってるよ。それってもしかして……」

「うそ、えーどこどこ、教えてっ」

「瑠花ってわかりやすい。うそだよ、赤くなってなんかないよ」

 かあーって一気に顔が沸騰点まで達するくらい熱を持ち始めた。リアルに反応してしまった自分にも赤面だよ。きっと赤鬼みたく真っ赤になってるはず。

「いいなあ、愛されてるんだね」

 ぼそりとメグが言う。メグだってガクくんと付き合い始めたんだから、そのうちきっとそうなれるよ。

「メグのほうも順調なんでしょ?」

「メールして週1で会ってる。ふたりとも一応は受験生だし、そんな頻繁には連絡は取り合ってないかな。ねえねえ瑠花と祥大くんは毎日会ってたりするの? ねえ祥大くんセンター試験はどうだった? 彼って頭よさそうだし、ぜんぜん問題なさそうだね、きっと。志望校はE大だってね。あたしが受験する短大と近いから偶然会っちゃうかもしれないね。そしたらお茶くらいなら付き合ってくれたりするかな」

 ガクくんのことから、祥大の話題へと摩り替わってしまってるんですけど。メグからの矢継ぎ早の質問に気おくれしそうになる。

「後は面接だけらしいから、センターの手ごたえからしてだいじょうぶなんだと思う。それよりガクくんのほうはセンターどうだったの?」

「どうだろ? まだ聞いてないから」

「そうなんだ。心配じゃないのメグ」

「心配してない。だって勉強できる人だもん」

「あはは、そうだよね」

 びっくりした。あんまりしらっとした顔でいうもんだから、こっちがいらない気まわしそうになったよ。信用してるってことだったんだね。

「そうだ、瑠花に言うの忘れてたよー。風紀の秋田にプリント取りにくるようにって伝言受けてたんだった。ホームルームまでにクラスで配っておくようにって言ってた」

「ほんとに? 戻る途中に職員室寄ってもいい?」

「食堂からだったら職員室は教室とは反対側だし、今のうちもらっておいでよ」

「そうだね、そうするね」

「それ、邪魔になるでしょ。カバンはあたしがここにいるから置いていきなよ」

「ありがと、すぐ戻ってくるね」

 職員室までダッシュで行ってこよう。




「瑠花、久しぶりだね。晴哉から瑠花たちのこといつも話聞いてるよ。あれ? もしかして急いでる?」

「うん、ごめん。秋田にプリント取りにくるように言われてて」

「また、今度ゆっくりお茶でもしよ」

「そだね」

 食堂の出入口のところでばったりと有未香と会った。あたしの中で有未香は祥大の元カノで、あたしは有未香の元彼の祥大と付き合っていることが、なんとなく顔を合わせづらい原因となっている。クラスが違うこともあって、自分から話しかけることはなくなっていた。

 以前、祥大とのことを自分の口から話した時には、晴哉くんとうまくいっているから気にしないでいいよとは言ってくれていたんだけど。でもなんとなく気まずさが抜けなくってね。

 こういうとこ小心者なんだよね、あたし。




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