ドラゴンヘッド
『な、なんで出てきたのかしら!?』
「リュウキの声が聞こえ、人目見ようかと」
「こんな奴で傷が広がったりしたら……」
「広がる時は何しても変わらない」
コノハは剣を持っていた右手でシンスをなだめていた。
片方の腕に関しては言うべきことがない。
「こんな調子でシンスが過保護なんだ」
コノハはヒソヒソと手で口元を隠しながら教えてくれた。
「リュウキ! しばらく出禁!」
「次はお土産も期待したい」
「コノハ、あんな奴の食い物はダメ! 買ってあげるから!」
例の如く追い出され、ギルドを出る。
「なにあれ! むかつくー」
リドルは不満そうに文句を言っていた。
「気にすることはない」
演技の報酬をカゲと分け、クレアの家に寄ってみる。
コンコンとノックするとクレアが出てきた。
長い銀髪はボサボサで、括られていないからか横にピンピコ跳ねている。
『なーにー……ってリュウキか』
「ドラゴンの奴を受け取りに来た!」
「待ってて」
フラフラと消えていったクレアが例のブツを引っ提げてくる。
「……はい、もう寝るから」
「たすかった!」
隠す気のない大あくびを披露したクレアはパタンとドアを閉じる。
「いやー楽しみだな」
「なんだ、それは」
カゲが不思議そうに見てくる。
「ルビーとクレアで、ドラゴンを倒した時の頭だ! 使えるように加工してくれているらしい!」
被ってみると匂いは確かになくなっていた!
なんとなく、軽くなっている気がする。
「どうだ」
「頭だけドラゴンで、カゲはダサいと思った」
「うんうん、ダサいのわかる」
リドルにもダサいと言われ、ルビーにも距離を取られた。
「そんなばかな……」
「え、エムはそんなものを付けなくても魅力的だ!」
「そうだよ! なくてもいいと思うから、微妙だったりしてね!」
ルビーもソロソロと近づいてきた。
「かっこいいと思ってたんだがなあ…………」
楽しみにしていただけに、似合っていないというのはショックだった。
「む、むう……」
「もう少しだけ、付けておこう」
ドラゴンと共に街を闊歩する。
「なにあれ! ドラゴン人みたい!」
「へんなのー」
子供に指を差された気がした。
「……」
「ど、ドラゴンがみてきた!」
「これ、かっこいいと思うか?」
子供になんとなく、聞いてみた。
「ださーい」
「びみょー」
……めちゃくちゃショックだ!!
「エム、そう落ち込むでない。カゲは奇をてらうエムも好きだぞ」
ドラゴンの頭蓋骨越しに感じる、背を伸ばして撫でてくれるカゲの手。
『奇をてらっているわけじゃ、ないんだが……』




