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全てを受け止めていたら最強になっていた。  作者: 無双五割、最強にかわいい美少女五割の作品
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前のギルド








『料金は?』


「転がってたこいつは無料だ」


「盗んだんじゃ……」


「まあ、なんとかなる」


 そんな訳で話を続ける。


「小さな話ってわかんないや」


「思い出はないのか?」


「最初からここに住んでたわけじゃないから」


「そうか」



 リドルが酒の皿をサカズキのように傾ける。


 ビチャビチャと床に味気ない彼岸花が咲いていた。



「そっちの話は沢山聞いてみたい」


 帰ってきた皿に酒を注いで飲んでみる。


 ……普通。


「いいぞ――前のギルドメンバーの話でもするか」


「なにそれ! 聞きたい!」


「ソランっていうギルドマスターが何も言わなかったら良かったんだけどな……」






 ソランとギルドを作った時、メンバーは俺とソランだけだった。


 それから気がつくと一人増え、二人増え。


 三人増えた時、ソランが変な話をしてきた。


『あれ? こんなのあったっけ?』


 ギルドテーブルにつきながら、パクパクと高級な野菜を頬張るソラン。


 いつもなら黙って食べているのに、黄色い野菜をモゴモゴしながら聞いてきた。


 この日から俺が全てを管理していた。


 収入も補充も夕飯も。


『ああ、良さげな絵画に目を奪われたんだ』


 金回りも俺の自由と言っても過言じゃなかった。


『なんでそんなに稼いでるの?』


『普通に稼いだ結果、余ったモノがこの絵』


 背中に赤い毛を立たせた黒い馬を操る騎士。


 渦巻く青白いオーラと半透明な首上がデュラハンを思わせる。




『凄いな』


 ソランの隣でナイフを前後に擦る男が食いついた。


 こいつは三人目の……誰だっけ。 




『そうか?』


『この絵は高くつく、間違いない』


 こいつの言う通り、安いわけじゃない。


『そんな金額を捻出できる腕、近くで見てみたい、見せてくれ』


『来るべきじゃない』


『みんなも金の行方は知りたいと思わないのか!』


 ソランを含めた他の奴が何も知らずに肯定する。


『勝手にしてくれ』


 空になったコップでテーブルを叩いた。



 外に出て世風に当たりながらいつものことをする。


 夜にすることは街の警備で悪人を捉えたり、酔いつぶれた老人を家に送ったりすることだ。


 これ自体は夜にボーナスがつく俺にとって楽な仕事。


 実際は優しい人間がくれるお礼のチップが嬉しかった。


『いつも、助かるよ……』


『今回ばかりは奥さんに怒られるんじゃないか?』


『ははは、かもなあ』


 陽が昇って明るくなると本業が始まる。



 ギルドに戻って掛けられた重たい剣に手をかける。


『……まだ起きていたのか?』


『見たくて、必死に待っていた』


 眠そうにふわふわとあくびをかましてくる。


 その後ろにも眠そうな仲間が二人。


 ソランは部屋で寝ているようだ。


『そうか、名前は?』


『アデル、前にも言った気がするけど覚えて』


『善処する』








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