表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全てを受け止めていたら最強になっていた。  作者: 無双五割、最強にかわいい美少女五割の作品
72/200

習うじゃなくて慣れろ








 リドルにカゲのことをどう思っているのか聞かれた。


『命の恩人だ』


「そうじゃなくて」


「そうじゃないのか」


「好きか嫌いかってこと」


「好きだな、一緒に居て楽しい」


 不意に体が後方に引っ張られ、次の一歩が止まる。


「金縛りか!」


「本当はカゲも好きだ」


「そ、そうなのか? そうなら離してくれ」


「……拒否する」



 体が太いなにかに縛られていて、段々と痺れを感じてくる。


「欲しいのはなんだ? おんぶか? くれてやる、離すんだ」


「エムは演技が上手い、登場人物みたいで」


「単純に苦しいからだぞ」


「……後で練習に付き合ってくれるなら、金縛りはやめよう」


「分かった、猛特訓だな」


 体が軽くなって周囲を見る。特に意味はない。


「変な人」


「そうだろ?」


「リュウキが変ってこと」


 リドルに変だと言われてしまった。


「幽霊の方が、変だぞ?」


「シッツ! おだまり!」


「ああ、怖い怖い」


 振り上げられた拳に両手で白旗を上げていつもの家に戻る。



 例の寝床にルビーがゴロゴロ。


「にゃー」


「にゃー?」


 反応したリドルが不思議そうにオウム返し。


「猫耳族、そのまんまだ」


「聞いたことないや」


 カゲはどこにいるんだろうか、姿を消しているのは間違いない。


 不思議と匂いは感じる。


 至近距離に居るのかと両手を伸ばして周りを探る。


「なにしてるの?」


「探してるんだ、仲間を」


 カゲは見つからなかった。


「匂いはするんだけどな……」


「正解は後ろ」



 振り返ると三角座りで膝を抱くカゲの姿が!


「練習が、したい」


「良いぞ」


 カゲに誘われて外に出る。


「リドルとやらには、見て欲しくない」


「……頼めるか?」


 リドルは良いよと言って二階にスッと入り込んで行った。


「練習なら、第三者の意見は欲しいと思うが」


「したいのは、キスの、練習だっ」


 両手を編むように握ったカゲは胸元に寄せる。


「今のカゲはしつこいかもしれない……」


「しつこいぞ」


「すまない」


 しかし、カゲが俺を引き寄せてまで頼んでくるなんてなかった。


 ここまで言われたら、答えなきゃいけない気がする。



「カゲ、座ってくれるか?」


「……」


「本番では、しゃがんで悲しむカゲにするんだからな」


「……!」


 それからしゃがむまでは早かった。


 練習通りにうつむくカゲの小さな顎に触れ、すくい上げるように持つ。


 何も言わないカゲの唇を塞いだ。


 柔らかく反発する薄いピンクを離れて現実に戻る。


『どうだ?』


『……おち、つかない』


『そうだな』


 ドキドキしないと言ったら嘘になる。



「鼓動が、変だ」


 顔を手で覆ったカゲがフルフルと肩を揺らす。


「カゲは変だ」


「ど、どうした?」


「鼓動につられて、色んな物が出てくる」


 きっと手の中で泣いているんだろうか。


「エムは、先に戻ってくれていい……」


「泣くな」




 俺は黙らせるように手の隙間からキスを重ねた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ