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全てを受け止めていたら最強になっていた。  作者: 無双五割、最強にかわいい美少女五割の作品
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一人と一人






 武器屋に着いた俺は、逃げるように入店する。


 大きく息を吸って落ち着く。


 途中で足音が聞こえなくなって、距離を詰められてるかどうかも分からなかった。


 怖いに決まってる。



『急ぎの武器は、飾ってある分しかないぜ』



 筋肉ムキムキ黒肌おっさんはニヤリと笑った。


「面白い要素あったか?」


「お前の付き人が、追いついたようだ」


 振り返るとカゲが!


「お、遅かったな」


「エムは早すぎる」


 手持ちの金に収まる武器を探さなくては。


「おっさん、これいくら?」


「3000ヘルで売ってやろう」


 6000の収入をカゲと分けたから、ギリギリだな。


「武器に触ってもいいか?」


「確認程度は許容している」


 青い鞘は木製らしく、持ってみると重さはない。



 抜いて刃を覗くと刀だった。


「刀は使ったことないな……」


「カゲが教えてやろう」


「持ってないだろ」


「……使ったことも、ない」


 なんだそりゃ。


 元の場所に刀を戻して隣の武器を見る。


 普通の剣がいいな。


「これは」


「2500、元は6000するんだが」


「触らせてくれ」


 許可を取って手に取ってみた。



 無骨で細い鞘は非常に軽く、持ちやすい。


 抜いて剣の腹を見てみると。



 赤い模様がキラキラ刻まれていた。



 抜いても抜いても、模様は途切れない。



 ついに鞘から出てきた剣先まで赤い光を反射する。



「その剣は、細い」


「そうだな」


「細すぎて、対人戦で折れやすいという致命的な問題があってな」


 おっさんは残念そうに「売れなくなった」と言った。


「見た目に気合を入れすぎた、鉱石も質の良いクレスと模様の為にケバスまで使ったんだ」


 ケバスというと、魔法道具に必須の鉱石だな。


「ということは、魔法が使えるのか?」



「使えるが……一度使えば魔力の補充をしないといけない」



 使える程度じゃ、この剣の弱さはリカバリーできないようだ。


「ああ、分かってる、買わないだろう」


『買おう』


「そうか、そうだろう……あ?」


「買う」


 壊さないように剣を使う事なら、自信あるからな!


「買うのか……」


 困惑気味に言われたが、気にしない。


「カッコイイからな、鑑賞用にもピッタリだ」


「奪われるのは目だけにしてくれよ、後味が悪い」


 お金を払う為に金袋を広げると。



 ドンッと横から押されてよろめく。


 カゲが俺の代わりに立っていた。



「エムの代わりに、カゲが払う」


「払えるって」


「エムはこの場において権限はない」


 カゲが肩に触れてきた瞬間、俺の姿だけ完全に消えていく。


「な!?」


 おっさんが驚いてる。


「これで足りる」


 何も言えず、支払いを済ませたカゲがかっこいい剣を持った。


「では、失礼する」


 その場を後にした俺達。



 カゲから解放されて姿を取り戻す。


「エム、剣だ」


 渡された剣を受け取り、空いている右側の腰にセット。


 実際に動きをイメージすると左手で剣を抜く事になるのか。


 在宅者不明の鞘は、右側にしておくか。


「カゲって強引だな」


「それはエムも」


 受け取ってくれた方が、気持ち良いからな。


「ああ」




 魔物が現れる洞窟は鉱石を掘った洞窟の更に先。


 少々の長旅を覚悟しなきゃ行けない。


「エムは好きな食い物などないか?」


「俺は食わなくても生きていけるぞ」


「エム、そう言われると返す言葉が見つからない」


 街を出た俺達は草原を渡り歩く。


 冒険者と何度かすれ違い、情報を交換。


『少し前に猫耳族を見つけたよ、ありゃ好意的じゃないな』


『そうか、気をつけさせてもらう』



 猫の耳を生やした族。


 男の猫耳族は会話できるほど知性があるらしいが、女の方は気性が荒いと聞く。



「カゲの力を頼るべき」


「そうだな」


 結構、進んでみたが。


 猫耳族と合えなかった。


「ちっ」


「何故悔しそうに?」


「いや、なんでもない」


 長く歩いて疲れた俺達は草に腰を下ろした。



「こんな遠い洞窟、誰が使うんだ」



 使えるように解放する意味がまるで分からない。


「他の街からは早い到着が望める……かもしれない」


 それは説得力があるな。


「依頼、面倒だな」


「それを言ってはいけない、エム」


「洞窟の中って事は暗いんだよ」


 たいまつを作ればいいが、戦闘面はハードになる。




『エム、考え事ならカゲにも聞かせてくれ』




 ……今は、二人で依頼をこなしてるんだっけな。


「物を持って自分だけ消えるとかできるか?」


「このように」


 服を残して透明になるカゲ。


 服だけ浮いててきもい。


「羨ましいな」


「カゲはエムの方が羨ましい」


 洞窟に着くまでにちょうどいい木を探しておくか。



 立ち上がるとズンッと背中を押され。


「エム!」



 飛ばされながらなんとか体制を整え、相手の方を見ながら剣を抜く。



「誰だ、お前」


 遠目に居るのは猫耳族でもない。



『疾風神レオ、伝承により伝えられし剣豪』


 そう言って腰の木刀を抜きながら放った斬撃。


 衝撃波が俺の目の前で溶け、髪が撫でられる。





『依頼により、お前を殺させてもらう』





「本名とか聞いてもいいですか」


「ガリュウ・レオ」




 マジで誰だよ。











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