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全てを受け止めていたら最強になっていた。  作者: 無双五割、最強にかわいい美少女五割の作品
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リカバリー








『ふむふむ、やはり聞きたいか……は?』


「特にない」


 確かに酒のはずだが。コップに注がれた赤い液体に匂いはない。


 口に含むと強い味がした。


 仕事に差し支えないように匂いを消してくれているようだ。


「いや、なあ? あるだろう?」


「ないぞ」


「シンス殿の機嫌取りとか?」


「全然」


「……狂うな、お前と話すのは」


 逆にコノハは何か聞きたいらしい。



 答えるぞってコップを傾けると質問攻めが始まった。


「その剣術はどこで教わった?」


「自己流」


「サクラ剣術に興味は?」


「ない」


「…………シンス殿に不満は?」


「ない」


 何も言わなくなったコノハがコップの液体を流し込む。


「もう一杯、頂きたい」


 飲みっぷりに誘われた俺は酒瓶を取った。


「こちらにも」


 コップを近づけたコノハから先に酒を注いだ。



「質問は終わりか」


「クレアについては?」


「魔法は予想通りだが、交渉上手なのは意外だった」


「そういう意味じゃない」


「他人に甘いと感じた、これでいいか?」



 コノハは「違う、もういい」と言って席を離れた。



 何が聞きたかったんだ?


『君、名前は?』


 よく分からず酒を嗜んでいると知らない美女に声を掛けられた。


「リュウキだが」


「ちょっとだけ、話してもいい?」


「構わない」


 さっきまでコノハが居た席に座ると、長い黒髪を背中に打ち上げる。


「男の人が所属するのは久々だから、長く居て欲しいなあ」


「……男はすぐに居なくなると聞いた」


「シンスに耐えきれなかったり、裏切り者の暗殺で返り討ちにあったり」


 俺の場合はコノハと戦ったわけか。


「ギルドクエストがそろそろ貼られるから、それまで頑張って」


「クエスト?」


「ギルドに頼まれた依頼をメンバー全員で解決しに行くこと」


「ああ、あれか」



 前のギルドでも『こんな依頼届いてるのでなんとかしてください』って頼まれたな。


 誰もしてくれないから、自分で処理してた。


 普通はみんなで処理するらしい。



「それちょーだい」


 美女が俺の手からコップを取った。


 そのまま余った酒をゴクゴクと飲み干すと。


 フーっと息を吐き、テーブルをトンッと叩いた。


「ごちー」


 叩き付けられたコップが粉々に壊れ、美女が千鳥足でどこかに向かう。


 ……なんで壊れたんだ?



 壊れたコップを見つめながら数分。


 やっぱり、このコップって安物なんだろうか。



『そんなわけないでしょ』



 隣を見るとクレアが立っていた。


「心を読まれている気がするな」


「気のせい、ちなみにこのコップって高いんだから……」


 弁解していると横からシンスがやってきた。


『これ、誰がやったの?』


「わ、私がこいつに魔法を自慢してたら壊れちゃっただけ」


「そう」


 シンスはそのまま横切っていった。


「庇ってくれたのか」


「感謝しなさい」


「ありがとうございます、クレア様」


「やっぱりバカにしてる?」


 してないと首を振る。


「……そのカバンってもしかして」


「鉱石だ」


「売りにいく?」


「そのつもりで待っていた」


 クレアに頼み込んでギルドを出た。



「報酬を分けよう」


「まだ早いから」


「商人の件だ」


「……忘れてた」


 嫌そうに受け取るクレア。


 機嫌が悪いのか心配していたが、商人を相手にすると関係なかった。


「これ、一個ずつ1000ヘルで買い取ってくれる?」


『桁が間違っているのでは?』


『あんたの僅かな髪を戦場にしてあげてもいいのよ』


 残酷な言葉に負けたハゲ商人。



 大量の鉱石が大金に変わっていく。


「このクレスはとても大きい」


「そ、それは売れない」


「構わない。500でも本当は買いたくないのだ」


 一際大きな白い鉱石を袋に収める。


「……あんたが困った顔するの、初めてみたかも」


「大当たりは持っておきたい」


 それからカバンは空っぽになり。


 大金が詰まった袋を受け取る。


「もう二度と来るな」


 追い出されるように商人を後にする。



「半分だな」


「さすがに受け取れない」


「なんでだ?」


「寝て起きて商人脅しただけなのに」


 クレアが居なかったら、こんなに稼げなかった。


「……そうか」


「落ち込む要素あった?」


「結局、シンスにあげるならクレアが持っていてもいいだろ」


「今回はシンスの機嫌を取った方がいいから」



 仕方なくギルドに戻った俺は、シンスに金の袋を捧げた。


「今回はなかなかね、褒めてあげる」


 反応が物足りない。


「はい」


「次もしっかり稼いでくるように」


 追い出すように払われ、外に出る。


「褒められて良かったじゃん!」



 クレアが俺の背中をバンッと強く叩いた。



「そうか?」


「そうよ」


「そうか」


 気を取り直して、クエストワークに向かう。


「今日こそはドラゴン討伐だ」


「なんで?」


『報酬が国の分も加算されて、とんでもない額になる』


「二人で倒せるの?」


「わからん」



 クエストワークの中はいつもより賑わっていた。


『すげーな、このドラゴン!』


『報酬がやべえ!』


『それだけ食われた奴が……ひええ、できねえよー』


 そんな人混みをかいくぐり。


 一枚の依頼を取る。


『それは最高金額だぞ……!?』


『まさか、ホウセンカか!』


 仲間を集めたりしない俺は受付に見せもしない。


 熱気に包まれた空間から出て、クレアと依頼をシェアする。


「本当にやる気?」


「ああ」



 青いドラゴン。気性が荒くて手を付けれないと記載されている。


 報酬は1億ヘルという圧倒的な金額。


 それだけの価値があるらしい!



「せめて三人とか……」


「一人増えても変わらないのは経験済みだ」


 俺達は早速、青いドラゴンを目撃したと言われる方向の草原に向かうことにした。


「こ、こっちだよね!」


「そうだ」


「ついて来なさい、近道するから」




 本当はあっちだけどな!




「……クレアって方向音痴なのか」









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