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全てを受け止めていたら最強になっていた。  作者: 無双五割、最強にかわいい美少女五割の作品
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サクラ・コノハ







 ホウセンカという言葉に周りの美女がざわめく。


『そんな愚かな裏切り者は誰なのでしょう?』


『教えてくださいませ、シンス様』


 シンスは『できない』とキッパリ宣言する。



『もしかしたら、この中にも居るかもしれないから』



「疑っているのですか! 私達を!」


「そうよ」


 美女の野次馬ほど、うるさいものはないなと思った。


 シンスがカツカツと歩いて近づいてくる。


『サクラ・コノハ』


 耳打ちだけすると元の位置に戻った。


「……」


 コノハ? 刀を持ってるあの人?


「さっさと行ってきて」


 理由を聞いてみたいが、野次馬の前で教えてくれるわけがない。


「はい」


 素直に下がることにした。


「クレア、今回はわかってるかしら?」


「……」


「サポートは、できない領域よ」


 俺はギルドを出た。




 ……どうやってコノハを探せばいいんだ。


『このサクラ・コノハを殺せと言われたのだろう?』


 そう思っていたら、目の前に居た。


「えっ?」


「ここでは場が悪い、外で手合わせ願おう」


 なんで居るんだ?


「さあ、来い」


 よく分からないまま、コノハについて行くことにした。


「…………」


 話すことがない。


 気になっていたことを聞いてみる。


「サクラ剣術ってなんだ」


「我がサクラ家は、サクラという力を持っている」


 コノハが俺の目を見て話を続けた。


「力の流れを変えることで、攻めにも守りにも転じることができる」


「……」


「それを纏めてサクラ剣術と呼ぶようだ」


 本人はそこまで興味がないらしい。


「戦う前なのに、言ってもいいのか」


「聞かれて答えることの何がおかしい?」


 コノハの強気な態度に押される。


「文句があるなら、そちらも手の内を明かせばいい」


「明かせる手がない」


「嘘をつくな、破壊剣術を防ぎ切った者は貴様だけだ」


「防ぐことなら自信があるんだよ」


 興味深そうに相槌を返される。


「魔物でも人間でも、一人で相手をする時は必ず攻撃を受けてから戦う」


「先制攻撃はするだろう?」


「逃げられたらするかもな」


 攻撃を受けたら気持ちいいだけなのに、コノハは『騎士道か』と褒めてくれた。


 それから街を出て、広い草原に着いた。


「ここなら人間の邪魔は来ない」


「そうだな」



 コノハが綺麗な宝刀を握ってゆっくり抜いていく。


『花は散れば美しい、人は死ねば美しい』



 桃色だった髪が白桜のように。



 抜かれた宝刀が花見をするように。



 舞った花弁が、刀身に薄く映った。




『お前を美しくしてやろう』




 俺も剣を抜いて覚悟を決める。


「手加減してやるからかかってこいよ」


 斜めに剣先を下げ、攻撃を防ぐ構え。


「騎士道を見せてみろ!」


 走ってきたコノハが跳ね、着地と同時に刀を振る。


 キンッ――


 武器が触れる度に花弁(はなびら)が舞う。



 キンキンキンと叩きつけられた衝撃。



 ヒラヒラヒラと揺れる空気。



 手がじんわり震えて気持ちがいい。


「笑っているのか?」


 コノハの問いに『そうだ』と頷く。


「舐めているのか」


 大きく一歩下がったコノハがクルリと背を向け、詰めると回転斬りに派生した。


 咄嗟に防いだが、受け止めきれずに押し飛ばされる。


「ッ!」


『苦く笑え』


 サッと詰めてきたコノハが追撃の振り下ろし。


 さっきよりも強い一撃に膝をつかされる。


 雨のように叩きつけられる剣撃。


「なぜ剣が壊れない!」


 空いている左手を、刀が下ろされた瞬間に伸ばした。


 刀の圧にギリギリと抗いながらコノハを突き飛ばす。


 攻勢に出る為に剣を振って防がせた。



 火花の代わりに花弁が刀から散る。



 これが守りのサクラ剣術なのか。


「羨ましい才能だ」


 こんな剣術がなくても重い一撃を放てるのは、振る速さから分かる。


「皮肉?」


「本心だ」


 返された一つの斬撃。


 コノハがシンスに賛同していないとは思えない。


 後ろめたさがあるとは思えないほど重くひりつく。


 痺れる手を攻撃することで誤魔化した。


 キンキンと弾いていくコノハ。


 何度も防いだからこそ分かる、悪く防いだタイミングっていうのがある。


 足の動き、刀の揺れ、帰ってきた衝撃。


 ここだという一瞬の追撃は、素早く繰り出した振り上げ。


 キンッ。




 花弁と一緒にふわりと舞った刀。




「なっ……」


 刀が取り戻される前に地面を蹴ってコノハの首を掴みに飛び込む。



 そのまま押し倒し、馬乗りになって剣先を向けた。



『俺の勝ちだ』









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