前へ目次 次へ 3/6 Ⅲ 差(さ)し込(こ)んだ秋色(あきいろ)の夕焼(ゆうや)けが、目(め)に染(し)みた。 冬(ふゆ)に備(そな)えてすっかり生(は)え変(か)わった体毛(たいもう)を得意気(とくいげ)に揺(ゆ)らしてみる。 一緒(いっしょ)に遊(あそ)ぶことはできないけれど、今日(きょう)は葉(は)の抜(ぬ)けた枯(か)れ枝(えだ)をその猫(こ)の為(ため)に持(も)ってきた。 赤色(あかいろ)と黄色(きいろ)の葉(は)っぱが宙(そら)を舞(ま)い、枝(えだ)から地面(じめん)へ場所(ばしょ)を移(うつ)す。 そこを最後(さいご)の寝床(ねどこ)として、暖(あたた)かな色(いろ)が、実(じつ)に気持(きも)ちよさそうだった。 いつか、空(そら)を見上(みあ)げる猫(こ)の瞳(め)が、地上(ちじょう)も平等(びょうどう)に映(うつ)す日(ひ)が来(く)ればいいのに。 口(くち)から枯(か)れ枝(えだ)を落(お)とす。 ――今度(こんど)、遊(あそ)ぼうよ。 君(きみ)のその孤独(こどく)を、 ――きっと、遊(あそ)んでよ。 紛(まぎ)らわせる事(こと)ができたら。