◆◆◆◆ 5-27 兵法 ◆◆◆◆
【 ウツセ 】
「――誉れある一騎討ちを邪魔立てするとは、やはり官軍は腐り果てておりますな」
そう吐き捨てるウツセに、
【 ヤクモ 】
「それもまた、グンムの器量というものかもしれぬ。……さて、そろそろ動きがありそうだな」
【 ウツセ 】
「……っ?」
ヤクモの言にウツセが困惑する間にも、宙軍が動き始めた。
【 ウツセ 】
「っ! これはっ――」
【 ヘイジ 】
「あっ……北の軍が動き出しましたよ! あれって、鶴翼の陣……?」
【 ダイトウ 】
「ふむ、そのようだが――鶴翼がどんな陣か、わかっているのだろうな?」
【 ヘイジ 】
「わ、わかってますよ! こう……鶴が翼を広げたみたいな陣形で、敵を包囲してやっつけるんでしょ?」
【 ダイトウ 】
「うむ。大軍ならではの陣ではある」
【 ダイトウ 】
(……しかし、そう単純でもなさそうだ)
【 ミナモ 】
「むうっ……! まだ勝負はついておりませんのに、無粋な輩ですわっ!」
宙軍の動きに気づき、ミナモは怒声を放つ。
とはいえ、ここに残っていては敵中に孤立し、包囲されかねない。
【 ミナモ 】
「是非もありませんっ……ドリュウ殿っ、ここはいったん下がりますわよっ!」
【 ドリュウ 】
「ぬうっ、しかし――」
【 ミナモ 】
「無駄死には許しませんわっ! さぁっ!」
【 ドリュウ 】
「うぬっ……心得た――心得たり! 宙の勇士よ、勝負は預けるぞっ!」
ミナモとドリュウが馬を返し、一騎討ちの場から離脱せんとする。
【 タシギ 】
「はぁ~? 逃がすかよっ……!」
タシギは追撃せんとするが、
【 グンロウ 】
「よかろう、この決着はいずれつけてくれる――飛鷹の勇士!」
グンロウは自軍に合流すべく、引き下がっていく。
【 タシギ 】
「ちょっ、てめえっ……クソッ!」
罵りつつも、タシギは単騎で追う愚は犯さず、
【 タシギ 】
「は~ぁ……しょうもな! ま、後は勝手にやらせてもらうけどぉ――」
不満そうに鼻を鳴らしつつ、下がる他はない。
【 タシギ 】
(なにが神弓姫だか……その細っこい首、アタシが絶対ちょん切ってやるよ――)
ブックマーク、ご感想、ご評価いただけると嬉しいです!




