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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
79/421

◆◆◆◆ 5-24 激突 ◆◆◆◆

【 レツドウ 】

「まず、巡察使として大権を授けられながら、貢物こうもつを納めもせず、私欲を貪っておる。これが第一の罪である」


【 レツドウ 】

「また、度重なる帝都への召喚命令に応じようともせず、意地汚くも辺境に居座り、王侯のごとく振る舞っておる。これが第二の罪にほかならぬ」


【 レツドウ 】

「そして何より、こうしてはるばる問罪もんざいが到着したにもかかわらず、平伏して陳謝するどころか、武装して陣を構え、反抗の意志を見せる……」

 *問罪の師……征伐の軍隊の意。


【 レツドウ 】

「この三つの大罪、どうして看過かんかできようものか――」

 *看過……見過ごすこと。


【 ヤクモ 】

「――なるほど、仰ることはわかり申した。されば答えましょうが、貢物が滞っているのは、ここ数年不作が続き、民は日々の食にも事欠くありさまゆえ」


【 ヤクモ 】

「また、召喚に応じぬのは、当地はいまだ乱れているがゆえに、たやすく離れるわけにはいかぬため」


【 ヤクモ 】

「さらにいえば、迂闊うかつに都に顔を出しては、奸悪かんあくなる十二賊の餌食になりに行くようなもの――」


【 ヤクモ 】

「かつまた、降伏せぬのは、現地の事情を知らぬ宙の官吏ふぜいに、好き勝手な真似をさせぬため――そう、早い話が……」


【 ヤクモ 】

「――こちらはこちらで勝手にやりますゆえ、異郷の野に白骨をさらしたくなければ、とっととお帰りなさるがよろしかろう。あえて追撃もいたしますまい……!!」


【 南兵 】

「帰れ! 帰れ!! 尻尾を巻いて、帰りやがれ!!」


 ヤクモの堂々たる宣戦布告に、南兵たちはどっと喊声かんせいをあげた。


【 レツドウ 】

「うぬ――天にあだなす逆徒めが、図に乗りおって!」


 憤然とするレツドウであったが、もとより、みずから突進するような真似はしない。


【 レツドウ 】

「誰か、あの老いぼれをひっとらえて参れっ!!」


 と、自軍へと呼びかければ、


【 グンロウ 】

「おおっ! 心得てそうろうっ!!」


 駿馬を駆り、二股の大刀を引っ提げて現れた大男は誰あろう、〈突先鋒とつせんぽう〉の異名を持つ宙軍きっての豪傑、レイ・グンロウである。


【 ヤクモ 】

「ほう、活きのいい武者もいるようだが――誰か、相手をする者は?」


【 ドリュウ 】

「おおおおっ! この〈金髭龍きんひげりゅう〉に、金髭龍に任せておけいっ!!」


 金色の髭をたなびかせ、長矛ながぼこを手に気迫十分で一騎駆けしてきたのは、飛鷹の戦士、金髭龍ことスイ・ドリュウである。

 これまたグンロウに劣らぬ体躯で、格好の相手といえた。


【 グンロウ 】

「――おおおおっ!」


【 ドリュウ 】

「――ぬうううっ!」


 並外れた巨漢同士が水飛沫を上げながら川に突っ込み、真っ向から衝突する――

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