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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
45/421

◆◆◆◆ 4-7 大乱の序曲 ◆◆◆◆

【 ホノカナ 】

「いくさが――始まるんですね」


 南方征伐の軍が起こされることが決定したその夜、ミズキの部屋にいつもの顔が集っていた。


【 ヨスガ 】

「……そうなるな」


 渋い顔で首肯してみせるヨスガ。


【 ヨスガ 】

「百官どもの顔を見せてやりたかったぞ。これから面倒事の連続だというのに、なにやら楽しげであった」


【 ランブ 】

「……いくさには、そういう面もあります」


 ランブがぽつりとつぶやく。


【 ミズキ 】

「勝ちいくさに乗れるとなれば、なおさらのことでしょうね」


【 ヨスガ 】

「ふん、勝てると決まったわけでもなかろうにな」


【 セイレン 】

「いやはや、ようやく大きな駒が動き出しましたな! これでこそ天下を揺るがす風が吹き乱れ、新たなる世のうねりが生じようというもの!」


【 ヨスガ 】

「相変わらずうるさいなそなたは……というか、ここ最近見かけなかったではないか。どこをほっつき歩いていた?」


【 セイレン 】

「し、失敬なっ! ちょっと野暮用があったのです! 私にもそれなりの付き合いがありますので!」


【 ヨスガ 】

「どうだか……」


 そんなやりとりをよそに、


【 ホノカナ 】

(わたしは――わたしたちは、どうなるんだろう……?)


 漠然とした不安をおぼえつつ、ホノカナは大きな変化のきざしを否応なく感じ取っていた……




 それから数日ののち、岳北の小邑にて――


【 グンム 】

「――謹んでお受けする、とお伝えください」


 朝廷からの使者をグンムはうやうやしく迎え、さっそく支度にとりかかることにした。


【 グンロウ 】

「おおっ、いよいよだなっ! やはり兄者にはこんな片田舎より、戦場がふさわしいというものっ!」


 グンロウは大いに喜び、腕をしている。


【 シュレイ 】

「――もはや、迷いはないようですな?」


【 グンム 】

「そりゃあ、そうなるさ。こうなったからには、もうやるしかあるまいよ」


【 シュレイ 】

「頼もしいことです」


【 グンム 】

「そういえば、弟弟子おとうとでしどのはどうした?」


【 シュレイ 】

「それが……仙薬の材料を探すと言って出ていったきりです。言伝ことづては残していくつもりですが」


 幽聖岳の方士であるヘキ・サノウの行方は、定かではないようだった。


【 グンム 】

「そうか。……アイリの件、少しは期待してたんだがなぁ」


【 シュレイ 】

「なにぶん、仙薬のこと以外には興味の薄い男ゆえ……」


【 グンム 】

「ま、仕方ない。とはいえ、アイリもここに置いていくわけにはいかぬが……」


【 シュレイ 】

「それについては、心当たりがあります。お任せを」


【 グンム 】

「む……頼もしいことだ」


 ともあれ、


【 グンム 】

「さて――くぞ、野郎ども!! 手柄を立てて、富貴栄達ふうきえいたつをほしいままにしようじゃねぇか!!」


【 一同 】

「おおおおっ!!」


 グンムの気勢に、グンロウをはじめとする猛者どもが呼応する。


【 シュレイ 】

(――ようやく、近づいてきたようだ)


 意気盛んな男たちを見やりながら、ガク・シュレイは内心でほくそ笑む。


【 シュレイ 】

(我が大望を果たすに足る、乱世が――――)

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