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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
406/421

◆◆◆◆ 9-106 鶴風の戦い(55) ◆◆◆◆

【 カズサ 】

「――――はっ!?」


 セン・カズサは、カッ! と目を見開き、意識を取り戻した。


【 ヨスガ 】

「む……目が覚めたか」


【 カズサ 】

「……っ! へ、陛下っ――うぐうっ!」


 そばにいたヨスガに気づき、身を起こそうとして、激痛に呻き声をこぼす。


【 ミズキ 】

「まだ動ける傷ではありません。そのままじっとしていてください」


 ミズキが気遣う。

 先ほど、自らの斬撃を跳ね返されて重傷を負ったカズサ。

 すでに止血が施され、傷は処置されているが、完全にふさがったわけではないのだ。


【 カズサ 】

「……っ、さ、先ほどの、化け物、はっ……?」


【 ヨスガ 】

「案ずるな。……もう、終わったところだ」


 その視線の先には、黒焦げになった首のない屍がある。


【 カズサ 】

「そ、そう……ですかっ……なにやら……悲鳴のような、ものが……聞こえた、のでっ……」


【 ミズキ 】

「悲鳴ですか……?」


 首を落とされた魔人タシギは、声を発することもなくたおれたので、断末魔も放たなかったのだが。


【 ヨスガ 】

冥府あのよの入り口にでも行ってきたのか? ……ともあれ、無事でなによりだ」


【 カズサ 】

「い、いえっ……お役に、立てずっ……ふがいない限り、ですっ……」


【 ヨスガ 】

卑下ひげすることはない。そなたには、そなたにしかできぬ役回りがあるのだからな。今は、休め」


【 カズサ 】

「……っ、は……い……」


 カズサは目を閉じ、再び意識を手離していった。


【 ヨスガ 】

「――しかし、このままゆっくりしてはいられまいな」


【 ミズキ 】

「はい、かなりの騒ぎになりましたので、ここに残っていては危険かと」


【 ヨスガ 】

「そうだな……追撃の兵のみならず、野盗のたぐいが寄ってくる恐れもある」


【 ギョクレン 】

「……ぜぇ……ぜぇっ……」


 ヨスガとミズキが話しているところへ、ギョクレンが杖によりかかるようにしてやってきた。


【 ヨスガ 】

「む……副軍師補佐もご苦労だったな」


【 ギョクレン 】

「大首領っ……お、師父おししょうは……いずこにっ……?」


【 ヨスガ 】

「……そういえばセイレンめ、とうとう最後まで出てこなかったな」


【 ミズキ 】

「ええ、てっきり、いいところで出てきて、おいしいところをかっさらうのかと思っていましたが……」




【 ギョクレン 】

「むむ……さすがは師父……みずから地の底に挑むとはっ……!」


 事情を聞かされ、ギョクレンは唸り声を漏らす。


【 ヨスガ 】

「わりと嫌々だった気がするがな……」


【 ミズキ 】

「どこにいるか、わからないのですか?」


【 ギョクレン 】

「や、やってみましょうっ……む、むむ……む~んっ……むむむ……」


 目をつむり、なにやら念じている。


【 ギョクレン 】

「むむむ……む~ん……これは……気配は感じとれるのですが……どんどん遠ざかっていってしまっているような……?」


【 ギョクレン 】

「それに、師父以外にも二人……一人は副頭目ホノカナ殿のようですが……あと一人はいったい……?」


【 ヨスガ 】

「……まあ、そのうち合流できるであろう。あやつが生きているならば、愚妹ホノカナもきっと無事だろうさ」


【 エキセン 】

「ク……クク……彼女は……副頭目は、ツキがあるからな……」


【 ミズキ 】

「運は運でも、悪運のような気もしますが……」

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