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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
394/421

◆◆◆◆ 9-94 鶴風の戦い(43) ◆◆◆◆

 ――ヒュンッ! ドシュッ!


【 飛鷹ひようの兵 】

「ぐうっ!? なん……だっ!」


【 飛鷹の兵 】

「ぐあっ……!?」


 ――ドシャッ!


 後方から飛来する矢に射抜かれ、飛鷹の軽騎兵たちが異国の地に次々とたおれていく。


【 飛鷹の将 】

「な、なんだっ……裏切りかっ!?」


【 飛鷹の兵 】

「くそっ、狡猾な宙人ちゅうひとどもめっ!」


 思わぬ事態に、将兵に動揺が広がる。

 ウツセらの背後から迫ってくる一団は、確かに“レイ”の軍旗を掲げていた。


【 タイザン 】

「もしやっ……どさくさに紛れて、我らも始末する気ではっ?」


 沈着冷静な三羽みつばのタイザンすら、戸惑いを隠せない。


【 ウツセ 】

「くっ……!」


 ウツセは下唇を噛んだ。


【 ウツセ 】

レイ将軍に、謀られたというのかっ……!?)




【 宝玲山ほうれいざんの兵 】

「おおっ!? あれはっ……同士討ちかっ!?」


【 宝玲山の将 】

「いや、あれは――」


【 ミズキ 】

「ヨスガさまっ!」


【 ヨスガ 】

「うむ、間一髪というところだなっ!」


 背後からの攻撃を受けて混乱する追っ手の様子に、頷き合う。


【 ヨスガ 】

「者ども、あれは味方だっ! ようやく追いついてきたらしいっ!」


【 宝玲山の将兵 】

『おお――』


【 ヨスガ 】

「転進せよっ! このまま、乱れている敵陣を挟撃きょうげきし、蹴散らすっ!」


【 ヨスガ 】

「――これは、エイ姉妹きょうだいとむらい合戦だっ! 皆、突き進めっ!」


【 宝玲山の将兵 】

『――おおおおッ!』


【 宝玲山の将兵 】

『副頭目の、仇っ!』


 ヨスガの激励に奮い立ち、一同は気迫とともに馬首を返し、雄たけびをあげながら追撃軍へと襲いかかっていく――




【 飛鷹の兵 】

「将軍っ、前方からも敵がっ……!」


【 飛鷹の兵 】

「くそっ、挟み撃ちにされるぞっ……!」


【 ウツセ 】

「――っ、恐れるなっ! 数ではこちらが上だっ、立て直せっ!」


 声を上げて叱咤しったしつつも、


【 ウツセ 】

(これは、まずいっ……!)


 ウツセは、苦境に陥ったことを自覚していた。




 混乱するウツセらの後方から迫る、一団の正体は……


【 ランブ 】

「――どうやら、間に合ったようだっ!」


【 カズサ 】

「ええっ! 急いだ甲斐がありましたっ!」


 鶴風城を脱出後、グンムの陣を突破してきたランブ、カズサたちの手勢であった。

 軍旗を偽装することで、後衛にいた森羅しんらの軍の目をごまかし、まんまと追いついてきたのである。


【 ランブ 】

「相手が浮き足立っているあいだに、陛下と合流するっ!」


【 カズサ 】

「承知ですともっ! 皆、ついてきなさいっ!」


【 手勢 】

『おおおおっ!!』


【 ランブ 】

「――突き進めッ!!」


 ランブらは気合の声を放ちながら、まっしぐらに敵陣へと突入していく。




【 飛鷹の兵 】

「くそっ……前から後ろからっ!」


【 飛鷹の兵 】

「こんな異郷の地で、死んでたまるかっ……!」


 飛鷹の民は、勇猛果敢な戦士として名高い。

 が、その反面、いったん劣勢となるとこらえ性がない――というのが通説である。

 実際、思わぬ前後からの攻撃に、飛鷹騎兵は戸惑い、陣を乱してしまう。


【 ウツセ 】

「くっ……!」


 その隙をついて、


【 ランブ 】

「――おおおおっ!」


 バシュウッ!


【 飛鷹の兵 】

「がっ……!?」


 ランブの繰り出した大斧が、すれ違いざまに馬上の飛鷹兵を両断し、血しぶきを撒き散らす。


【 カズサ 】

「邪魔を――するならっ!」


 バシュウッ! ドシュッ!!


【 飛鷹の兵 】

「ぐあっ……!?」


【 飛鷹の兵 】

「ぎゃっ……!?」


 カズサの左右の剣がひらめき、断末魔の悲鳴とともに立て続けに兵が落馬していく。


【 タイザン 】

「ぬうっ……好きにさせるものかっ!」


 ランブやカズサらによって味方が各個撃破されていくの見たタイザンは、甲冑貫通に特化した特殊なやじりの矢をつがえる。

 そして、先頭に立って突破せんとするランブを背後から狙撃する――


 ――ヒュンッ!


 それは死角から狙いすまして放たれた、回避不可能な強烈なる一矢!

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