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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
386/421

◆◆◆◆ 9-86 鶴風の戦い(35) ◆◆◆◆

【 獰鵬天聖 】

「……むう……?」


 獰鵬天聖は、首を傾げた。


【 獰鵬天聖 】

(……なすがままとは、どういうことだ?)


 先ほど、暴風雨を起こして大軍を惑わせたのを見ても、この方士が非凡な力を持っているのは明らかだった。

 にもかかわらず、


【 獰鵬天聖 】

(まるで、一方的にやられっぱなしとは……)


 どうにもせない。


【 獰鵬天聖 】

(あるいは……方術合戦の経験は浅い、か?)


 いかに方術に長けていても、それを相手に応じて臨機応変に使いこなせなければ意味がない。


【 獰鵬天聖 】

(それなら、それで――)


 こちらのやりたいようにやらせてもらうだけだ……と思った、その矢先。


 ――ポムッ……ボヨンッ……


【 獰鵬天聖 】

「……っ? なんだ、この音は――」


 目を凝らすと、


【 獰鵬天聖 】

「――! これはっ……」


 ――ポヨンッ……ポヨヨンッ……


 ギョクレンと霊獣の肉体が、綿わたのごとく柔らかくなっており、壁にぶつかる衝撃を拡散している……!


【 獰鵬天聖 】

「なるほど、肉体を変化させたか……! なるほど、それならしばらくの間はしのぎきれようが――」


 ――ゴォンッ! ゴオォッ……!!


【 獰鵬天聖 】

「……っ!? これはっ……風が、加速してっ……!?」


 結界内の風勢ふうせいがさらに激しくなり、ギョクレンたちの肉体がすさまじい勢いで風の壁に当たる――否、自分から激突していく!


【 獰鵬天聖 】

「なんとっ……風をみずから巻き起こしてっ――」


 そしてついに、


 ――ドバァアッ!!


【 獰鵬天聖 】

「…………!」


 内側から、風の結界が打ち破られた。




【 ギョクレン 】

「……ふぅっ……はぁっ……」


【 獰鵬天聖 】

「なんと、強引なっ……」


 己の陣を力づくで破られ、獰鵬天聖は呆れつつ、旗色わるしとみて、


【 獰鵬天聖 】

「ま、時間稼ぎは十分のようだ……これにて失礼しよう――」


 と、翼をはためかせて飛び去ろうとするが、


【 ギョクレン 】

「……逃がさない……」


【 獰鵬天聖 】

「……ううっ!?」


 身体が動かない――

 手足が、風でその場に釘付けにされている……!


【 ギョクレン 】

「……なかなか、便利な術……」


【 獰鵬天聖 】

「これはっ……我が〈烏籠からすかご〉を応用してっ……!?」


【 ギョクレン 】

「…………」


 バリッ……バリバリッ……!


 ギョクレンの手に、稲光いなびかりが輝く。


【 獰鵬天聖 】

「……ま、待て、傷は負っていまい? ここは方士どうし、穏便に――」


【 ギョクレン 】

「……確かに、ケガはない。しかし――」


【 ギョクレン 】

小牛姫しょうぎゅうきを痛めつけたのは……許さない!」


 ――ドシュウッ!


【 獰鵬天聖 】

「……ぐっ! がっ……あっ……」


 ギョクレンの放った雷が、槍のごとく獰鵬天聖の胴を貫く……!


【 獰鵬天聖 】

「……こ、好奇心、は……大敵……と、いうこと、かっ……」


 そのまま、獰鵬天聖は力を失い、地上へと落下していった――

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