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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
363/421

◆◆◆◆ 9-63 鶴風の戦い(12) ◆◆◆◆

 ――その頃、鶴風城では。


【 ランブの部下 】

「隊長、あれをっ……!」


【 ランブ 】

「む――」


 帝都方面から立ち昇る黒煙は、城壁からはっきりと見ることができた。


【 ランブ 】

「ここまでのようだな。――ウヅキ殿、頼む!」


【 屍冥幽姫しめいゆうき 】

「シシシ……お任せを……!」


 ランブの言葉に応じたのは、方士〈屍冥幽姫〉。


【 屍冥幽姫 】

「――“セイ”!」


 と、彼女が印を結ぶや、周囲にドス黒い妖気が立ち込め、たちどころに城全体にまで広がり、地へと潜っていく――


【 屍冥幽姫 】

「来たれ――我が、つわものたちよ……!」




 ボコッ……ボコォッ……!


【 ライケン 】

「――うおっ!? なんだ、こりゃあっ!?」


 西門で苦闘を続けていたコウ・ライケンは、絶句した。


【 異様な兵 】

『オオオッ……グゥオォ……!』


【 異様な兵 】

『グウッ……オオオオッ……!!』


 突如、地面から異様な姿の兵が這い出てきて、彼らに襲いかかってきたのである。


【 官軍の兵 】

「ひいいっ……な、なんだっ!?」


【 官軍の将 】

「あ、あの妖魔ばけものの仕業かっ……!?」


 催命翔鬼さいめいしょうきの猛威によってただでさえ恐慌状態に陥っていた将兵は、さらに怯えおののく。


【 副官 】

「ええいっ、ひるむなっ! このっ……!」


 ――ザクゥッ!


【 異様な兵 】

『グウッ……ウウゥッ……!!』


【 官軍の兵 】

「ぎゃあああっ!?」


【 官軍の兵 】

「な、なんだこいつらっ……斬っても刺しても、死なないっ……!?」


【 副官 】

「こ、これはっ……!?」


【 ライケン 】

「こいつはっ……もしや、僵尸きょうしってやつかっ?」


 動く死体……僵尸きょうしと呼ばれる存在は知っていたが、お目にかかるのは初めてだった。


【 催命翔鬼さいめいしょうき 】

「――ふん、もう遊びは終わりってかぁ? あ~あ、つまんね~のっ……あばよ、後は死体どもと遊んでな!」


 そう言い残して、催命翔鬼はいずこかへと飛び去っていった。


【 ライケン 】

「助かった……ってこたぁないなっ。おい、いったん退くぞっ! こんなもん、相手にしてられるかっ!」


【 副官 】

「は、ははっ……!」




【 ヴァンドーラ 】

「ぬううっ……死者を冒涜ぼうとくするとは、許しがたしっ……! よこしまなる者の呪縛よ、去れ!」


 カッ……!


 屍兵に向かってヴァンドーラが手をかざすと、彼女の手から白い蛇のごときものが浮かび上がり、巻きついていく。


【 僵尸兵 】

『グアッ……ア、アアアッ……!』


 森羅に伝わる呪術によって、僵尸兵がもとの屍に戻る――が、相手はあまりに多く、いちいち相手にはしていられない。


【 森羅兵 】

「くうっ……ヴァンドーラ様っ、どうかお下がりをっ!」


【 ヴァンドーラ 】

「ぬううっ……女王がおられれば、このような輩っ……!」


 門からの後退を余儀なくされ、歯噛みするヴァンドーラであった。



【 岳南兵 】

「な、なんだこりゃあっ!? ひいっ、近づくなっ……!」


【 ミナモ 】

「なんですのっ……伏兵っ? ええいっ、小賢しい真似をしてくれますわねっ! これがそちらの天子のやり方ですのっ!?」


【 カズサ 】

「正直、こういうのはわたしもどうかと思うけれどもっ! 背に腹は代えられないのよっ……勝負は、預けるわっ!」


【 ミナモ 】

「ああっ! 背中を見せる気ですのっ……くっ、このっ、足に絡みついてっ……ぐぬぬっ、最悪ですわ~っ!」


 東門に、ミナモの無念の叫びがこだました――

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