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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
356/421

◆◆◆◆ 9-56 鶴風の戦い(5) ◆◆◆◆

【 グンロウの部下 】

「なっ……なんだ、あの化け物は……!?」


【 グンロウの部下 】

「信じられんっ……十宙尺(約3メートル)どころじゃないぞ……!」


【 小山のような巨人 】

『グゴオオオ……オオオォッ……!』


 これぞ、先日、ランブと激闘を繰り広げた巨漢・〈砕嶺山さいれいざん〉その人である。


【 グンロウ 】

「ほほうっ……〈双豪斧そうごうふ〉ほどではないが、なかなか手ごたえがありそうだっ!」


 グンロウは怖気づくどころか、むしろ意気盛んとなり、


【 グンロウ 】

「まずは、このウドの大木を片付けてくれるっ!」


【 砕嶺山 】

『グウッ……オオオォッ!』




 グンロウと砕嶺山の激闘が幕を開けたころ、東門においては……


【 ミナモ 】

「――はぁあっ!」


 ヒュッ! ヒュゥンッ!!


 城壁を守る兵を狙い、ミナモが続けざまに鋭い矢を放つ――


【 ???? 】

「――なんのっ!」


 ――キンッ! キィンッ!


 その矢を、電光石火の身のこなしで立て続けに撃ち落とす影がひとつ。


【 ミナモ 】

「ちいっ、ちょこまかとっ! そこのアバズレ女っ、さっきから邪魔ですわよっ! 無駄な抵抗はやめて、さっさと串刺しになりやがれですわっ!」


【 高飛車そうな娘 】

「はぁ~っ? 誰がアバズレよっ! このわたし! かの名高き〈緋翔閃女ひしょうせんにょ〉様を先祖に持つ、セン・カズサに向かって、口の利き方がなっていないわねっ、岳南の田舎娘っ!」


【 ミナモ 】

「ふん、口だけは達者のようですわねっ! 腕に覚えがあるなら、降りてきなさいっ! 一騎討ちで白黒をつけて差し上げますわよっ!」


【 カズサ 】

「望むところ――と言いたいところだけれど、そうもいかないのよっ! こっちにだって都合があるんだからっ……!」


【 ミナモ 】

「ふっ……やはり、得意なのは口だけのようですわねっ! 偉大なるご先祖様が地下でさめざめと泣いておられるというものですわっ! 恥を知りなさいっ!」


【 カズサ 】

「ぐ、ぐぬぬっ……! 言わせておけば~~っ! 待っていなさいっ! その首、今すぐ叩き落としてあげるからぁ~~っ!」


【 カズサの部下 】

「い、いけませんっ、カズサ様~っ!」




 ミナモとカズサが火花を散らす中、南門では……


【 ヴァンドーラ 】

「城壁を駆け上がるっ! 続けっ!」


【 森羅しんら兵たち 】

『おおおおおおーッ!』


 城壁に大量の梯子はしごをかけ、一気に城壁を登らんとする。

 しかし――


【 ランブ 】

「まだだ、もっと引きつけよ! ……よし、放てっ!!」


【 守備兵 】

『――はっ!!』


 ランブの号令一下、弓兵隊が一斉に矢を射放つ。


 ヒュンッ! ドシュッ!!


【 森羅しんら兵 】

「ぐっ……!?」


【 森羅しんら兵 】

「がああっ……!」


 放たれた矢が次々と森羅の兵の身に突き立ち、絶叫とともに転がり落ちていく。


【 ヴァンドーラ 】

「ぬうっ……! 軟弱なちゅう人にしては……やる!」


【 ランブ 】

「これが、名高き森羅しんらつわものか? 聞いていたほどではないな――」


 ヴァンドーラたち森羅兵の猛攻を、ランブの隊が跳ね返していた。


【 ヴァンドーラ 】

「ちいいっ……!」




 各地で激闘が続く中、西門においては……


【 ライケン 】

「ふ~む……なかなか抜けそうにないな、こりゃあ」


 戦況を眺めながら、コウ・ライケンは顎を撫でていた。


【 副官 】

コウ司馬っ、なにか手を打たねば……!」


【 ライケン 】

「そう焦るなよ。……たしかに小城だが、こいつはなかなか厄介だぞ。ほりは深いし、城壁もなかなか頑丈そうだ。力押しでいくのは、額で石を割るようなもんだなぁ」


 やる気はないライケンだが、その目は確かであった。


【 副官 】

「し、しかし、このままでは……」


【 ライケン 】

「ん~……降参してくれねえかなぁ?」


【 副官 】

「そんな都合のいい話が……」


【 ライケン 】

「ま、言うだけならタダだからな。……おお~い! 降参しないかぁ? 今なら、褒美は思いのままだぞぉ~。……たぶん」


【 副官 】

「そ、そんな呼びかけに、応じるはずが……!」


 ギイイイ……


【 副官 】

「な……っ!? じょ、城門がっ……」


【 ライケン 】

「おっ、本当に降参してきてくれたのか? いやぁ、言ってみるもんだねぇ~」


 城門の奥から、ゆっくりと人影が歩み出てくる。


【 ???? 】

「――褒美は思いのままというのは、本当かしら?」


 頭巾と外衣うわぎをまとった女が問うてくる。


【 ライケン 】

「ああ、たぶん、もらえるんじゃねぇかな?」


【 ???? 】

「そう……でしたら――」


【 ライケン 】

「……ん?」


 女が、頭巾と外衣を脱ぎ捨てる。

 バサリ、と翼がはためく音が響く。


【 ライケン 】

「…………っ!」


【 角と翼を持つ女 】

「――てめえらの命と魂、あたしが根こそぎ味わってやるよッ! ケ~~タケタケタケタッッ!!」


【 ライケン 】

「はっ!? なんだっ、こいつはっ――」


 ――ブォンッ!!


 自称死神・〈催命翔鬼さいめいしょうき〉の必殺の凶刃が、ライケンの喉元めがけて繰り出された――

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