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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
323/421

◆◆◆◆ 9-23 処遇 ◆◆◆◆

【 河甫コウホ 】

「寝不足に加えて、いささか、胃腸が弱っているご様子……なにか、思い煩うことでもおありでしょうか」


【 シュレイ 】

「……それは……」


【 河甫コウホ 】

「ともあれ、しばらくは過度な飲酒は控え、心身を休められた方がよろしいでしょう」


【 シュレイ 】

「…………!」


【 河甫コウホ 】

「おや、間違っておりましたか?」


【 シュレイ 】

「……いや、その通り。お言葉に従うとしよう。触れるだけでそこまでわかるとは……見事なものだ」


【 河甫コウホ 】

「失礼いたしました」


 しずしずと離れて、元の席につく医師。


【 グンム 】

「ほほう、ガク老師せんせいがお墨付きを与えるなら、本物だろう」


【 グンム 】

「ぜひ、我らのため……いや、天下国家のためにその腕を振るっていただきたい、河甫コウホ老師せんせい


【 河甫コウホ 】

「ははっ……」


 と、一礼して。


【 河甫コウホ 】

「――ときに、ひとつ、レイ閣下にお尋ねしたいことがございます。構わぬでしょうか」


【 グンム 】

「と、いうと?」


【 河甫コウホ 】

「は……閣下は、国母さまの密旨を掲げ、新たな天子さまを立てるべく、今こうして進軍されているわけですが……」


【 河甫コウホ 】

「――今上きんじょうの天子さまを、いかがなさるおつもりでしょう?」


【 グンム 】

「……なぜ、それを問う?」


【 河甫コウホ 】

「我が一族は、今でこそ零落れいらくしておりますが、帝室には多大な恩をこうむってまいりました」

 *零落……落ちぶれるの意。


【 河甫コウホ 】

「まだお若い天子さまの身の上が、この先、いったいどうなってしまうのか……案じずにはおられません」


【 グンム 】

「ふむ……なるほどな」


【 グンム 】

「もとより、今上の陛下はお若いが聡明な御方だと心得ている。こたびの件も、元凶は周囲の者たちであろう。それゆえ……」


【 グンム 】

「手荒な真似をするつもりは毛頭ない。玉座からは退いていただくことになるがな」


【 グンム 】

「――しかし、陛下を誤らせた奸悪なる側近どもには、厳正な処分が下されることになろう」


【 河甫コウホ 】

「側近、というと……」


【 シュレイ 】

「――たとえば、かつては〈天下七剣てんかしちけん〉のひとりと称された女官長〈セツ・ミズキ〉……」


 シュレイが話を引き継ぎ、指を折って数える。


【 シュレイ 】

「そして、かのナギ将軍の子、〈ナギ・ランブ〉……」


【 グンム 】

「…………」


【 シュレイ 】

「――そして、天子の側をうろついてなにやら暗躍している、胡乱うろんなる方士……これらの輩は、ことごとく罪に服することになりましょう」

 *胡乱……怪しく、うさんくさいの意。


 仮面の下のシュレイの目が、妖しく光る。


【 素朴そうな小娘 】

「――――っ」


 その言葉を聞いた小娘が、ピクリと肩を震わせた……

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