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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
320/421

◆◆◆◆ 9-20 紹介 ◆◆◆◆

【 グンム 】

「さて、そろそろ帝都も近づいてきたが……」


 と、話題を変える。


【 グンム 】

「次の天子さまは、いつお迎えできるんだ? 帝都に着いたはいいが、肝心の神輿みこしがなしとなっちゃ、どうにも締まらないだろ」


 新たな天子候補、すなわち〈エン・トウマ〉。

 現在、風雲忍侠ふううんにんきょうこと〈虎王コオウ・ユイ〉が迎えに行っている。


【 シュレイ 】

風雲忍侠ふううんにんきょう殿によれば、すでにこちらに向かっているゆえ、近日中には……とのよし


【 グンム 】

「ほう、そいつは結構だ。お膳立ては整ってきたな。……それはそうと、ひとつ心配事があるんだが」


【 シュレイ 】

「帝都を守る軍勢、ですか?」


【 グンム 】

「そんなのは、今から考えても仕方ないさ。合戦となれば、臨機応変にやるだけだからな」


【 グンム 】

「……気になるのは、国母さまの方だ」


【 シュレイ 】

「ふむ……現在は帝都を離れているとのことですが」


【 グンム 】

「こっちに味方してくれるならいいが、そうでないなら……」


【 シュレイ 】

「……そこは、後回しにしましょう。あの御方と対峙するのは、帝都攻略が片付いてからの方がよろしいかと」


【 グンム 】

「そういうものかね」


【 シュレイ 】

「ええ。……いくさのついでに相手にできるような御仁ではありません。ある意味、帝都を落とすよりも厄介でしょう」


【 グンム 】

「なるほどな……」


 だんだん調子が出てきたようだ、とグンムは思った。

 やはりこの男は、こうしたことを語る時がもっともイキイキとしている。


【 シュレイ 】

「――帝都といえば、朝廷から我が軍へ向けて使者が送られた、という話も入ってきております」


【 グンム 】

「ああ、問罪の使、というやつか?」


【 シュレイ 】

「表向きはそういうことになるでしょうが……こちらの腹を探るのが目的かと」


【 グンム 】

「なるほどな。……ちょっと前まではこっちが罪を問う側だったが、立場が逆になるとは、因果なもんだ」


 そもそもグンムたちが南方へ遠征したのは、巡察使としての務めを果たさないスイ・ヤクモの罪を問う……というのが建前だった。

 それが回り回って、今度は彼らが朝廷から問罪される側となったわけである。


【 グンム 】

「その使者だが、会った方がいいのか?」


【 シュレイ 】

「さて……どうでしょう。いっそ一思いに片付けた方が、後腐れがなくてよいかもしれませんが」


【 グンム 】

「そいつは、相手の出方次第だな。偉そうに罪をただしてくるような態度だったら――」


 と、二人が物騒な話をしていると、


【 ミナモ 】

「失礼しますわ! グンムさ……レイ将軍、今よろしいかしら? いいですわよね!」


 許可もなく幕舎に飛び込んできたのはスイ・ミナモ、ヤクモの娘にして弓の達人である。


【 グンム 】

「……っ、ミナモお嬢様か、元気そうでなにより。手傷などなかったか?」


【 ミナモ 】

「ええ、ご覧のとおり、傷一つありませんわ! それよりも……」


【 ミナモ 】

「ぜひ、将軍に引き合わせたい方々がいるのですわ! わたくしたちの命の恩人ですの! 将軍のお役に立つこと、疑いなしですわ!」


【 グンム 】

「恩人……?」


 不思議そうな顔をするグンムたちに、ミナモは酒店での一件を手短に語る。


【 ミナモ 】

「――かくかくしかじか、というわけですわ。残念ながら、不埒ふらちなる賊どもには逃げられてしまいましたが……」


【 ミナモ 】

「とても腕の立つ医師殿ですの! ぜひお仲間に加えられることをお勧めしますわ!」


【 グンム 】

「なるほど、医者か……腕の立つ医者は何人いてもいい。ひとつ、連れてきてもらおう」


【 ミナモ 】

「もうとっくに連れてきていますわ! さぁ、お入りになって結構ですわよ!」


 ミナモにうながされて、旅装の者、三人が幕舎へと入ってきた――

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