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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
277/421

◆◆◆◆ 8-46 旧知 ◆◆◆◆

【 南軍の兵たち 】

「今の矢は――うわっ!?」


 騒然となる兵たちを押しのけて、一頭の白馬が駆けてきた。

 その背には、弓を構えた若い娘の姿がある。


【 うら若い娘 】

「どこにいますのっ、レイ将軍を名乗る不遜な輩はっ! このスイ・ミナモがっ! 成敗してさしあげますわっ!!」


 この女将軍こそ、ヤクモの娘、神弓姫しんきゅうきことスイ・ミナモに他ならない。


【 タシギ 】

「てめェ――あの時のアバズレかっ……! いきなり、とんだ歓迎をしてくれるッ!」


【 ミナモ 】

「はぁっ? ……むむっ、貴方は、いつぞやのッ……!」


 タシギとミナモは、こたびの戦いの緒戦において、一騎討ちで刃を交えたことがある。

 あの時は、勝負なしに終わったのだったが……


【 タシギ 】

「この前の決着、つけてやろうかッ!」


【 ミナモ 】

「笑止ですわっ! このわたくしの相手をつとめるなど、百年早いというものッ!」


 と、両者が身構える中――


【 グンム 】

「――やれやれ、それくらいにしておいてくれ。久しぶりだな、ミナモお嬢様」


 埃を払って立ち上がったグンムが、声をかける。


【 ミナモ 】

「グンムさん!? ――い、いえっ、レイ将軍っ!? まさかっ……本物ですのっ……!?」


【 グンム 】

「この通り、正真正銘の本物だよ。先の戦場でも拝見したが……しばらく見ないあいだに、ずいぶん美しくなったものだ」


【 ミナモ 】

「まあ、そのような――本当のことをいくら言ったところで、お世辞にはなりませんわよ!」


【 グンム 】

「……そういうところは、変わってないな」


【 タシギ 】

「なんなんだ? この女っ……」


【 ミナモ 】

「――それにしても、かつてはともかく、今は敵同士っ……なぜ、こんなところにっ?」


【 グンム 】

「なに、いろいろと事情があってな。……まずは、御父上に取り次いでもらえぬか?」


【 ミナモ 】

「ええっ……承知いたしましたわ! 先ほどは、つい、ご無礼を……」


【 タシギ 】

「つい、で矢を打ち込んでくるんじゃねェよ……!」


【 グンム 】

「なに、木の矢尻だっただろう? まあ、当たったら死ぬほど痛かっただろうが……助かったよ、タシギきょう


【 タシギ 】

「フン……」


【 ミナモ 】

「先導いたしますわ――誰か、レイ将軍に馬を! ……ついでに、そちらの下僕たちにも!」


【 タシギ 】

「はァ!? 誰が下僕だッ……!」


【 グンム 】

「……やれやれだな」




 一方その頃、ヤクモの本陣では……


【 ヤクモ 】

「――なに? レイ将軍が直々に、だと?」


 知らせを受けて、さしものヤクモも驚きの声を漏らした。


【 ドリュウ 】

「は、ははっ! ただいま、神弓姫しんきゅうき殿がお相手を、お相手をしておりますが……」


 スイ・ドリュウが告げる。


【 ヤクモ 】

「ふむ……」


【 タイザン 】

「いかがなさいます? いかなる魂胆か、計りかねますが……」


 三ツ羽のタイザンが懸念を口にする。


【 ヤクモ 】

「――ともかく、会うとしよう」


【 ドリュウ 】

「本当に……本当に、よろしいのでっ?」


【 ヤクモ 】

「果敢にも敵陣に乗り込んできたのだ、向き合わぬ法はあるまい?」




 それから、しばしの後。


【 ヤクモ 】

「久しいな、レイ将軍」


【 グンム 】

「は――こちらこそ、ご無沙汰しておりました」


 スイ・ヤクモと、レイ・グンム。

 両雄は、対面を果たしていた――

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