表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
23/421

◆◆◆◆ 2-13 ふたつの道 ◆◆◆◆

【 ヨスガ 】

「そなたにはふたつの道がある」


 と、指を二本重ねながら。


【 ホノカナ 】

「と、申しますと……?」


【 ヨスガ 】

「ひとつは、宮城を出て、別の役目を果たすことだ。市中に潜伏し、情勢を探って報告する。これはこれで大事な任務ではある」


【 ホノカナ 】

「な、なるほど……では、もうひとつは?」


【 ヨスガ 】

「うむ……」


 ヨスガは、ふと口ごもり、


【 ヨスガ 】

「ホノカナ。そなた、歳はいくつであったか?」


【 ホノカナ 】

「はい? ええっと、今年で十七になります」


【 ヨスガ 】

「本当か? 記憶違いではないのか? 実は十二か十三であろう」


【 ホノカナ 】

「ええっ? いえ、そんなことは……」


【 ヨスガ 】

「いや十二だ。せいぜい十三がいいところだな」


【 ホノカナ 】

「いえ、それだと弟よりも年下になってしまうんですが……」


 ヨスガの意図がわからず、ちんぷんかんぷんなホノカナ。


【 ヨスガ 】

「ええい、四の五の言うでない! 我は皇帝ぞ! その我が言っているのだから、そなたは十三である! よいな!」


【 ホノカナ 】

「は、ははぁ……」


 謎の剣幕に押され、しぶしぶながらもうなずくほかはない。


【 ヨスガ 】

「よしよし。されば、我は十四であるから、年上である。つまり我は、そなたの姉ということだな!」


【 ホノカナ 】

「はぁ……?」


 ますますもって、わけがわからない。


【 ヨスガ 】

「そなた、〈結拝けっぱい〉をしたことはあるか?」


【 ホノカナ 】

「えっ? えっと――ありませんが……」


【 ヨスガ 】

「さればよし。――セイレン!」


 そう一声かけると、


【 セイレン 】

「はいはい! お待ちしておりました、陛下――」


 どこに身を潜めていたのか、そそくさと方士セイレンが姿を現した。


【 ヨスガ 】

「そなた、〈誓約〉の術は使えような?」


【 セイレン 】

「もちろんでございます。それくらいは、あの十二佳仙どもですら使いこなせる、児戯同然の術ですゆえ!」


【 ホノカナ 】

「えっと、あの……?」


 話がどこに向かっているのかさっぱりわからず、目を白黒させているホノカナ。


【 ミズキ 】

「つまり、ヨスガさまはあなたと〈結拝〉しようとしているのです」


【 ホノカナ 】

「――ふぇっ!?」


 突然背後からミズキに声をかけられ、すっとんきょうな声を漏らしてしまう。

 ミズキの手には、盃が載ったお盆があった。


【 ホノカナ 】

「そ、それってつまり――」


【 ヨスガ 】

「そうだ。我はそなたの姉となり、そなたは我の妹となる」


 すなわち、〈義姉妹ぎしまい〉になるということに他ならない。


【 ホノカナ 】

「で、でも、それって――」


 とても、とても大変なことなのでは?


【 ヨスガ 】

「そうだな。義姉妹の契りを交わしたら、その誓いは一生――姉は妹を慈しみ、妹は姉を慕い、姉に身命をなげうって尽くし、姉のために生涯を捧げねばならぬ」


【 ホノカナ 】

「妹の負担すごく大きくないですか……!?」


【 ヨスガ 】

「……とはいえ、人の心はうつろうものゆえ、絶対ではない。しかし、そこに方術を加えれば……」


【 セイレン 】

「お任せあれ! 我が術をもってすれば、妹は姉に絶対服従、その不利益になるような行動はできなくなり、必ずやその身を捧げ尽くすことになりましょう!」


【 ホノカナ 】

「えええ……!?」


【 ヨスガ 】

「ククククク……妹は姉に尽くすものよ……!」


【 ホノカナ 】

「~~~~っ!?」

ブックマーク、ご感想、ご評価いただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ