◆◆◆◆ 7-20 決着の黄昏 ◆◆◆◆
――ブォォンッ!!
空を裂いて振り下ろされたミズキの踵落としが、催命翔鬼の頭蓋を粉々に蹴り砕く――
と、その寸前。
【 催命翔鬼 】
「ちっ……いいいいっ!」
――パカッ!
その肉体が左右に分かれ、真っ向唐竹割りの一撃を躱していた。
*唐竹割り……縦にまっすぐ斬るの意。
【 ホノカナ 】
「またぁっ……!?」
【 左の催命翔鬼 】
「ケタケタ――」
【 右の催命翔鬼 】
「学習能力のないヤツッ!」
【 ミズキ 】
「それは――」
【 ミズキ 】
「――どうでしょうか」
【 左右の催命翔鬼 】
『ケタッ!?』
バシュウッ!!
【 左右の催命翔鬼 】
『ギャッ……アアアアアッ!?』
左右に分かれた催命翔鬼の肢体が、上下に両断されていた。
くっきり、四分割である。
【 左上の催命翔鬼 】
「こ、コイツッ……」
【 右上の催命翔鬼 】
「時間差……でッ……!?」
先ほどの一礼と共に空刀を放っておいて、頭上からの蹴りで催命翔鬼を縦に分割させ……
そこへ遅れて達した斬撃が、上下に切断したのである。
【 ミズキ 】
「――ふぅっ……」
軽々と地上に着地するミズキ。
【 ミズキ 】
「手ごたえはありましたが……さて?」
――ドシャアッ!
少し遅れて、寸断された催命翔鬼が地面に落下した。
【 ホノカナ 】
「や、やったっ……んですかっ?」
【 ヨスガ 】
「……ミズキを見てみよ」
【 ミズキ 】
「…………」
ミズキは身構えたまま、油断を見せていない。
【 催命翔鬼 】
『キ――ロ――ロロロ……』
グチュッ……ズルルッ……!
四つに分かたれた催命翔鬼の肢体が、たちまちひとつに繋がり合う。
【 催命翔鬼 】
『――虚仮に、してくれたものだな――人の子、ふぜいが――』
これまでの人を食ったような雰囲気とはまるで異なる、冷たい声が響く。
【 ミズキ 】
「…………っ」
【 催命翔鬼 】
『こうなれば――我も、全力をもって――』
……ムンズッ!
【 催命翔鬼 】
「……んがっ!?」
【 ミズキ 】
「…………っ!?」
【 砕嶺山 】
『グウウ……!』
砕嶺山が、左手で催命翔鬼の胴を鷲掴みにしていた。
【 催命翔鬼 】
「て、てめっ……砕嶺山っ!? 放しやがれっ!」
【 砕嶺山 】
『グゴォ……オオ……』
【 催命翔鬼 】
「はア? 『ここは我らの負けである。潔く引き下がるべし』だア!? て、てめえっ……このっ、放せってのおおっ!」
【 砕嶺山 】
『グウォォォ……』
そのまま催命翔鬼を掴んだまま、背を向けて歩み去っていく。
【 催命翔鬼 】
「ちょ、待っ……チクショ~ッ! 今日のところは、冥府送りは勘弁してやるよっ! 覚えておきな~~ッ!」
【 ミズキ 】
「…………」
その様子を、呆れたように見送るミズキ。
【 ホノカナ 】
「こ、これって……つまり……?」
【 ヨスガ 】
「……うむ。どうやら、ケリがついたということらしいな」
【 ヨスガ 】
「されば――他に異存のある者はおらぬか?」
一同を見渡して問う。
……今度こそ、名乗り出る者はなかった。
【 ヨスガ 】
「そうか、ならば――」
いつの間にか手にしていた琵琶を、高らかに掻き鳴らす。
【 ヨスガ 】
「――宴と、洒落込もうぞ!!」
【 宝玲山の将兵 】
『おおおおおおおおおお――――っっ!!』
かくして、大宴会の幕が開いたのである。
ブックマーク、ご感想、ご評価いただけると嬉しいです!




