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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
220/421

◆◆◆◆ 7-16 糸口 ◆◆◆◆

【 催命翔鬼 】

「…………っ!」


 ミズキ渾身の一撃で、催命翔鬼は哀れバッサリ、胴切りとなった。


【 宝玲山の将兵 】

『おおおおっ……!』


【 ホノカナ 】

「あっ……ああっ!」


【 ヨスガ 】

「――――っ」


 真っ二つになった催命翔鬼の姿に、どよめきが起こる。


【 ミズキ 】

「…………っ!」


 しかしミズキは、とっさにその場から飛び退く。


【 催命翔鬼 】

「――――っ!」


 振り下ろされた催命翔鬼の長剣が、空を切る。

 それは、最後の悪あがきにすぎなかった――

 と、思いきや。


【 催命翔鬼 】

「――ケ~タケタケタッ! ちょっぴり、危ないところだった……!」


 高笑いしつつ、両翼を広げ、上半身だけで宙を舞っている。

 よく見れば、切断面からは一滴の血も出てはいない。


【 ミズキ 】

「なるほど……道理で手ごたえがないと思いましたが」


 呆れたように言いながら、身構えるミズキ。


【 ミズキ 】

「自分で、切り離した……というわけですか」


【 催命翔鬼 】

「キロロロ……そういうこと! なにせ、あたしは死神なんでね……! ケ~タケタケタッ!」


 翼をパタパタとはためかせながら、ケタケタとせせら笑う催命翔鬼。


【 ホノカナ 】

「し、死神だからって、そんなのアリなんですかっ……!?」


 唖然となるホノカナ。

 だいぶ常識離れの存在には慣れてきたつもりだったが、まだまだ世は広いようだ。


【 ゼンキョク 】

「ふむ、もとより人間ではなく、さりとて神仙の類でもなし……といって、妖魔でもないようですが?」


【 ヨスガ 】

「……いろいろな者がいるものだな」


【 バイシ 】

「あっはははは! 宝玲山は、来る者拒まずだからねえ」


【 ホノカナ 】

「いくらなんでも、懐が広すぎるんじゃないですか……!?」


 などといった、周囲の戸惑いをよそに。


【 催命翔鬼 】

「ケタケターッ! 生身の人間ふぜいが、死神にかなうと思うなよッ!」


 再び上空へと羽ばたき、まっしぐらに強襲してくる催命翔鬼。

 これを回避したミズキだったが、


 ――ガキィッ!


【 ミズキ 】

「うっ……!?」


 突然迫ってきた中段蹴りを、かろうじて受け止める。

 見れば、切り離された催命翔鬼の下半身がひとりでに動き、蹴りを見舞ってきていたのだ。


【 ミズキ 】

「まったく、デタラメなっ……!」


 距離を取りつつ、さしものミズキもぼやかずにはいられない。


【 催命翔鬼 】

「キロロ……! これでわかっただろオ? 人間ふぜいじゃあ、死神の相手にはならないってねっ! ……よいしょっと」


 ――ヌチャッ……


 不敵に笑う自称・死神の、分離していた上下半身が合体し、元通りとなる。


【 ミズキ 】

「さあ、それはどうでしょうね」


 埃を払いながら、静かに告げる。


【 ミズキ 】

「いささか厄介ではありますが……そろそろ、攻略の糸口は見えてきました」


【 催命翔鬼 】

「ハア? 抜かせッ……!」


【 ミズキ 】

「嘘だと思うなら、お見せしましょう――」


 ミズキが優美に一礼する。


【 ミズキ 】

「――私なりの、死神退治を」

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