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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
209/421

◆◆◆◆ 7-5 安否 ◆◆◆◆

【 屍冥幽姫しめいゆうき 】

「よ、よかったですっ……シシッ……私……ランブさんのこと、前々から、知っててっ……」


【 ランブ 】

「私を……?」


【 屍冥幽姫 】

「は、はいっ……とってもたくましくて、立派な御方だって聞いててっ……」


【 屍冥幽姫 】

「こうして、お会いできてっ、ますます慕わしくなりましたっ……シシシ……!」


【 ランブ 】

「そ……そうか」


 他者から慕われて悪い気はしないものだ……これが、ふつうの相手ならば。


【 屍冥幽姫 】

「ああっ、この素晴らしい体躯の御方を、僵尸きょうしにして使役できたら……と思うと、それだけでワクワクが止まらない……シシシ……!」


【 ランブ 】

「…………」


 やはり、だいぶ感性のズレがあるようだ。


【 屍冥幽姫 】

「それで――左手を切り落とされたと聞いて、すぐ、回収して……」


【 ランブ 】

「もしや、これは……僵尸なのか?」


【 屍冥幽姫 】

「はい、左手だけ、僵尸化しちゃいました……シシシ……!」


【 ランブ 】

「…………」


 しちゃいました、で片付けられてはたまらない。


【 屍冥幽姫 】

「あっ……も、もしかして、怒りました……?」


【 ランブ 】

「いや……戸惑っているだけだ。わざわざ、私を驚かすためだけに、そこまで……?」


【 屍冥幽姫 】

「あっ、いえ、びっくりさせるのが目的では、なくて――いえ、一つの目的ではあるんですけれど、本当の目的は別にあって――」


【 ランブ 】

「…………っ?」




 一方、そのころ……

 女官たちは、宮城内の後片付けに駆り出されていた。

 焼け落ちた宮殿や、あちこちに飛び散った鮮血の跡に茫然となりつつも、黙々と指示に従い、作業に励んでいる。


【 ホノカナ 】

「…………」


 その中に、リン・ホノカナの姿もあった。


【 他の女官 】

「ホノカナ、大丈夫なの?」


【 ホノカナ 】

「あっ、はいっ……平気、ですっ」


【 他の女官 】

「キツいなら、休んでていいのよ?」


【 ホノカナ 】

「い、いえっ! 大丈夫ですからっ……!」


 ひどく疲れた様子なのは、昨夜の大立ち回りのせいでもあったが……それだけではない。


【 ホノカナ 】

(シキ、ちゃん……)


 宿舎を抜け出し、ヨスガたちのところへ向かおうとしたホノカナを引き留めた、同僚女官の蓮華レンゲ・シキ。

 例の絡繰りに襲われて失神した彼女を、ホノカナは後髪を引かれる思いながらも後に残して、その場を去ったのだったが……


【 ホノカナ 】

(……どこに行っちゃったの?)


 ことが片付いて戻ってきたときには、シキの姿はどこにもなかった。

 女官の宿舎にも戻っておらず、誰も見た者はいないという。


【 ホノカナ 】

(きっと、どこかに身を隠してるとか……それだけだよね……そうだよね?)


 そう信じたいと思いつつも、心は揺れるばかり。

 昨夜からいろいろなことがありすぎて、多少は眠ったはずだが、まるで頭が働かない……


【 ???? 】

「よぉ、あんたがホノカナかいっ?」


【 ホノカナ 】

「――はひぃっ!?」


 ふいに割れんばかりの大声で呼ばれて、ホノカナは思わずその場に飛び上がった。

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